スクラム開発を実践するときに、書籍や研修などの情報源が役に立ちます。
その中で、スクラムガイドを参考にした時の情報をまとめます。
スクラムガイドとは何か?
スクラムガイドは、Ken SchwaberとJeff Sutherlandによって書かれた公式のスクラム知識体系(Scrum Body of Knowledge)です。
https://scrumguides.org/faq.html
スクラムガイドはどうやって入手できるか?
スクラムガイドは以下のURLで読むことができます。
https://scrumguides.org/download.html
日本語訳もPDFで入手できます。
https://scrumguides.org/download.html
スクラムガイドは誰によって書かれているか?
Ken Schwaber と Jeff Sutherland の二人がこのスクラムガイドの著者です。
スクラムというフレームワークが始めて発表されたのは、OOPSLA 1995(Object-Oriented Programming Systems, Languages, and Applications)という国際会議でした。
このとき Jeff Sutherland が座長である「Business object design and implementation workshop」で、Ken Schwaber が「SCRUM Development Process」という論文を発表しました。
スクラムガイドは2010年に最初のバージョンが発表されました。その後改定が続けられています。
スクラムガイドにはどのようなことが書かれているか?
日本語版
https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf
スクラムガイドはいくつかの章に分かれています。いかに簡単な内容の要約をまとめています。
正確な内容はスクラムガイド自体を参照することをお勧めします。
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スクラムの定義
- スクラムがどのようなフレームワークであるかの定義
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スクラムの理論
- スクラムを基礎づける考え方は、経験主義とリーン思考である。
- 予測可能性を最適化してリスクを制御するために、イテレーティブ(反復的)でインクリメンタル(漸進的)なアプローチを採用する。
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スクラムの価値基準
- スクラムを成功させるためには次の5つの価値基準を実践する。
確約(Commitment)、集中(Focus)、公開(Openness)、尊敬(Respect)、勇気(Courage)
- スクラムを成功させるためには次の5つの価値基準を実践する。
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スクラムチーム
- スクラムチームは、スクラムマスター1 ⼈、プロダクトオーナー1 ⼈、複数⼈の開発者で構成される。
- スクラムチームは機能横断型で、各スプリントで価値を⽣み出すために必要なすべてのスキルを備えている。・スクラムチームは⾃⼰管理型であり、誰が何を、いつ、どのように⾏うかをスクラムチーム内で決定する。
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スクラムイベント
- スクラムでは、検査と適応のための4つの正式なイベント(スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブ)を組み合わせている。それらを包含するイベントは「スプリント」と呼ばれる。
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スクラムの作成物
- スクラムにおいて実施する作業や実現するべき価値を表現する物としてスクラムの作成物がある。
- スクラムの作成物にはプロダクトバックログ、スプリントバックログ、インクリメントがある。
- それぞれの作成物には確約(コミットメント)が含まれている。つまりプロダクトバッグログのためのプロダクトゴール、スプリントバックログのためのスプリントゴール、インクリメントのための完成の定義である。
他のスクラムの書籍と内容にどのような違いがあるか?
スクラムについて書かれた書籍であれば、スクラムガイドの内容は包含されていることが多いと思います。
逆に言うと、スクラムガイドでは、スクラムというフレームワークのエッセンスを読むことができます。
スクラムガイドの記述は決して多くないので、スクラムの開発を実践する場合は、他の情報源も併用することになりそうです。
すでにスクラムを実践している場合は、自分が置かれている状況を整理するために、スクラムガイドが役に立ちます。