はじめに
ACCESS Advent Calendar 2018 の25日目、最終日です。
18日目、23日目に引き続き @naohikowatanabe です。
今朝子供氏へサンタさんがくれた素敵なプレゼント(自画自賛)で夜一通り遊んで子供氏が早めに寝て、自分も今日は早く寝るかと思った矢先、弊社アドベントカレンダー最終日がまだ埋まってないことに気付いた12/24の21:30。。。
注
※社内勉強会の内容転記です。
※もちろんお客さんの情報部分は削除しています。
※この記事のお客さんとは所謂BtoBの企業の方を指します。BtoCの一般ユーザーのことではありません。
※HUNTER×HUNTER が好き過ぎて社内勉強会のスライドには HUNTER×HUNTER の画像を使わせてもらいましたがここでは著作権的にアウトだと思うのでどのシーンかを文章で記載します。僕の HUNTER×HUNTER 愛が伝われば幸いです(謎アピール)。
※本文中「HUNTER×HUNTER は単に大好き&連載復活祝いを兼ねて無理やり絡めた(タイトル詐欺)」と言ってますが実は二つの狙いがありました。1つ目、スライド作成時内容が技術的ではない&文章量多くなりすぎることに気づきキャッチーさ&スパイス感が欲しくなった、二つ目、勉強会準備を理由に適するコマを探す体で嫁氏の前で堂々と HUNTER×HUNTER を読める。。
※「参考文献」冨樫義博:HUNTER×HUNTER 集英社
HUNTERxHUNTER に見るお客さん対応のコツ
2018/09/26 渡邉直彦
動機
- この夏 XXX プロジェクトのお客さん対応が久しぶりにしんどかった
- プレゼン大会で技術的な話題は多いけど、お客さん対応系(窓口、プロジェクトマネジメント、PL、顧客折衝)の話題は少ない
- それなりに失敗したので次窓口やる人に落とし穴を伝えたい
- 改めてお客さん対応経験数をカウント
- この10年ちょいで、延べ18社、73ヶ月(≒6.08年)
- 窓口を担当し、1ヶ月に2回以上やりとりしたプロジェクト(月1回の低やり取りプロジェクトを排除)を1とカウント。その累計月数
- HUNTER×HUNTER は単に大好き&連載復活祝いを兼ねて無理やり絡めた(タイトル詐欺)
結論
- お客さん対応に正解はない
- プロジェクト状況、会社や先方担当者の人間性による
- 大抵の場合
- 決められた内容を決められた日にリリースすれば問題無い
- (これを実現すること自体が非常に大変なのだけれども)
- リリースが守れなさそうなときや想定外の問題発生時にどうするか?
- この先のスライドでは「8割くらいの場合においてこれやっとけば間違いない」という話をします
復習:窓口、お客さん対応、とは
- 社内情報とお客さん側の情報を全て把握する人を両社で一人ずつ立てる
- 情報の漏れ、齟齬を避ける
- 「AさんはXXと言ってたが?この会社大丈夫?」の状況を避ける
- 代理の人が居ても当然良いが、あとで情報シェアは必要
- 営業も営業でお客さんと話すので、営業の人とも連携が必要
基本編
お客さんとケンカしない(当たり前)
- 例:お客さんから無茶振り、お客さんに怒鳴られた
- 何をされても言われても冷静に
- 例:お客さんがミスってきた
- お客さんが間違っても(日頃の恨みがあっても)鬼の首を取ったかのように返さない
- 仮にそれをやると今後自分も一切ミスれなくなる&ギスギスする
- ミスを笑い合えるくらいの関係性が良い(大事故はしない前提で)
- しかしそのせいで費用期間に関わるときは容赦なく相談
- お客さんにボロクソ言われた経験ワースト3
- 某XXX社さん「ACSさん、(コードだけではなく)仕様書もダメですね」
- 某XXX社さん「夏休み明けにリリースしてもらえます?」「ACCESSさんブラックですもんねw」
- 某XXXさん「XXXのモジュール図、一か月半かけて何も出せなかった。あいつは何も仕事してない」(これのみ社内プロジェクト)
- →キレられても命が無くなるわけではないので気軽に、真面目に反省すればおk
旅団の「団員同士のマジ切れご法度。揉めたらコイン」のコマ
お客さんは仲間・友達
- お客さんは敵ではない
- お客さんだから、お金をくれるから、と変に萎縮しない、卑下しない
- 仲間・友達が喜ぶことをやる。仲間・友達が困ってるから助ける。
- 自分が協力会社さんにやってくれたら嬉しいことをお客さんにやる
- 都度都度確認(しつこいのとは違う)
- 「これ確認無しに独断で進めたい」と思ったものを独断で進めると大抵後で揉める
- 判断を仰ぐときは選択肢とおすすめも言う
- 弊社は委託分野に於いてお客さんよりプロ・詳しいので
- 都度都度確認(しつこいのとは違う)
- お客さんに言われて嬉しかった言葉ベスト3
- 某XXX社さん「次の案件は最初から渡邉さんとやりたいです」
- 某XXX社さん「このご恩は一生忘れません」
- 某XXX社さん「出産おめでとうございます。直前まで対応ありがとうございました。」
ゴンの「もちろんキルアを紹介するよ!オレの最高の友達だって!!!」のコマ
その他基本スタイル
- やばいものほど先に対処する
- 放置して良化することは9割無い。常に「今が一番傷が浅い」状態
- 一次回答は早目
- 遅れることがわかったら早めに連絡
- お客さんが怒っているときほど、メールで議論白熱したときほど、電話する、会って話す
ジンの「ん~実にやばい。。!」のコマ
ケーススタディ
- 記号:意味
- ×:やっちゃダメ
- △:しょうがない
- 〇:OK
- ◎:理想
1.お客さんへの敬称・「様」と「さん」の使い分け
- 「様」と「さん」の使い分け、迷いませんか?
- メール、電話、直接の会議、社内でお客さんの名前を呼ぶとき
- おすすめ
- メールだけ「様」、あとは全部「さん」が楽かつ安全
- もしくはお客さんの言い方に合わせる
- 開発の仕事は敬語を磨くよりも技術力で納得してもらうこと
- 最低限の敬語は使えるとして。。
- 「認識です」と「〜と仰っていますが」を使えればおk(暴論)
- メールだけ「様」、あとは全部「さん」が楽かつ安全
- もし
- 全部「様」
- →かしこまりすぎ。。?壁感あり?
- 社内では呼び捨て
- →いつか事故りそう(間違ってお客さんの前で呼び捨てしそう)
- 全部「様」
ゴンさんのコマ
2.お客さんの反応で見るプロジェクトの順調さ判別法
- リリース遅延が無く、ときおり笑いが絶えない→順調
- お客さんが心配している→やばくなる一歩前。少し焦った方が良い
- お客さんが怒っている・キレている→炎上
水見式オーラ選別法のコマ
3.お客さんとのコミュニケーション
- Q&A実施時
- ×:メール(一覧性、状況把握の点で最悪)
- △:エクセル(マージの手間)
- 〇:トラッカーを立てる
- ACS で立てるなら AVDS の「社外用 Redmine」が簡単便利
お客さんへは外向け IP アドレスを聞くのみ - 頻度
- ×:回答時期を決めない
- △:時期の目安を決めておく
- 例:「通常」は5営業日、「高」は2〜3日、「急いで」は即(その他作業を止めて)
- 〇:上記プラス、何もなくても5営業日に1回程度は状況報告した方が良い
ハンター試験の「ドキドキ2択クイ~ズ!!」のコマ
4.要求が後から増えた:費用面
- ×:やってしまい、あとから費用請求
- ダメ。合意無しNG。お客さんは「お金かかるなら不要」と思うこともしばしば
- 〇:プロジェクト内で吸収できる(再稟議無し)範囲ならやっても良い。恩は売れる
- 〇:当初の作業範囲外と伝え、別見積&別案件化
- 追加で見積作業、稟議起案作業は発生するのでしんどい
- ◎:わがまま対応工数を予めもらっておく
- 「プロジェクト開始時点では使途未定、あとで合意しつつ消費していく工数」
ヒソカとマチの「いーから左手2千万、右手5千万払いな」のコマ
5.要求が後から増えた:スケジュール面
- ×:やるとだけ返事しつつ、作業のスタックの一番最後に乗せる
- 大抵「回答まだ?何日前にお願いしたのにまだ手つけてないの?」となる
- 〇:優先度を合意する
- 「実施するが、〜をまずやってから」、「〜とどっちが優先?」
- 〇:着手or完了時期を先に伝える
- 「今〜〜をやってるのでXX日から着手する」
テータちゃんの「(やるしかない。。!)はい使えます」のコマ
6.お客さんからの受領物は最低限の確認を即やる
- 〇:どんなに忙しくても、最低限の確認は即やる
- 実機:「ケーブル接続、ターミナル起動」「電源ON」レベルまで
- ツール:一度実行
- zip:解凍&ファイルを一度開くまで
- ×:一週間後にやり、初歩的な部分で詰まると「一週間放置?」となる
- 実機:ケーブルが足りない、起動しない
- ツール:起動しない
- zip:解凍パスワードわからない、開けない、ファイル壊れてる
団長の手刀を見逃さなかった人「恐ろしく速い手刀 オレでなきゃ見逃しちゃうね」のコマ
7.言いたくないことの説明を求められた
- 例:「不具合の原因は何だったの?」
- 「AとBです」と素直に言いづらいとき
- ×:嘘をついて説明
- 「不具合の原因はC(ホントはAとBだけど)」
- 嘘はダメ。嘘を言うと取り返し出来ない。信頼も無くなる
- 「不具合の原因はC(ホントはAとBだけど)」
- ◎:正直かつお客さんも納得出来る形で全て言うのが一番良い
- 「不具合の原因はAとB。こういう理由で発生」
プフの「真実のみで誤魔化して見せる!」のコマ
8.お客さんが動いてくれない/リスケの相談
-
例1:お客さんにボールがあり、ACCESS は待ちだが、当初の締切が近い時
- スケジュール
- 10日:お客さんから仕様受領の予定だった
- 15日:まだ来てない ←今ここ
- 25日:ACCESS からお客さんへのリリース日
- スケジュール
-
×:事前連絡無しで25日のリリースをしない(お客さんが悪いけど、この対応もダメ)
-
△:15日の時点で「もう15日なので間に合わない。今日貰っても5日ずれて30日リリース」
-
〇:当初の約束を守れる段階でリミット日を改めて伝える
- 11日の時点で「13日までに仕様が無いと25日のリリースに間に合わない」
-
例2:18時リリースと約束していた
- ×:18時に「リリース出来ません」と言う(お客さんは待ってる)
- △:分かった時点でリスケの相談
- 判断ポイントを予め決めておく(12時までに実装/試験未完了ならリスケを相談等)
ツェリ私設兵ミュハン「あんたは守ってくれるんだろうな?ただの時間稼ぎじゃないよなァ?」のコマ
9.兎に角ガンガン迫ってくる
- 例1:「〇〇の件いつ回答出来ますか?」
- 〇:何かしら期限を付けて回答する
- 「XX日に回答します」
- 「いつ正式回答するかを、XX日に回答します」
- 〇:何かしら期限を付けて回答する
ポットクリン「時間です 利息がつきます」のコマ
10.リリース早めてと言われた
- △:無理なものは無理と言う。できないものはしょうがない
- 〇:暫定版で良いか相談
- 「一旦機能実装し未試験状態なら出せる。不具合報告無しね」
- 〇:作業順調整
- 「XX機能は後回し、次次回リリースで良いなら出せる」
ネテロの「それが出来れば苦労はしねェ。。!」のコマ
まとめ
- お客さん対応の基本
- 約束したものを約束した日に出す(とても大変)
- ケンカしない
- お客さんは仲間・友達
- お客さん対応のキモは、想定外の事態発生時どうするか
- 結局、費用か期間に影響する話になる
- 費用:増やしてもらうか、他を削り維持するか
- 期間:伸ばすのか、量を減らすか順番を入れ替えて維持するか
- お客さんに合わせ、緩くて良い部分もっと丁寧にやる部分を判断していく
おわりに
なんとか12/24中に書き終わりましたw(23:50)
今年社内勉強会でいっぱい発表してすぐ埋められるネタ確保できてて良かった。。
本記事で ACCESS Advent Calendar 2018 無事終了です。ここまで見ていただいた皆様に感謝です。
それでは皆様、良いお年を!