はじめに
完全独学、趣味の範囲でVR開発を始めた結果、学ぶことが多すぎて、どのように環境構築したのかさえ忘れてしまったため、メモを取らなかったことに後悔しながら今回初めての記事を書こうと決めました。
初めての記事で拙い部分もあるかと思いますが、同じ環境で開発を進める方の助けになれれば幸いです。
初学者による記事なので、あくまでも参考程度でお願いします。上手くいかない場合は、私が参考にした以下の参考文献を参照してください。
Memo :
順次、この記事だけで分かりやすく完結させるために、画像を追加する予定です。あくまでも、"予定"です。
目次
開発環境
- UE 5.2.1 (2024/9時点最新verは5.4)
- pico4
今回記事に記すのはバージョン5.2ですが、初めてのVR開発環境はバージョン5.3なので、5.3での動作は確認済みです。
5.3では対応していない部分1があったため、今回はバージョンを落として一から作成しています。
環境構築
今回開発に用いるVRヘッドセットのPICO4は、UEに用意されているVRTemplateをそのまま用いるだけでは上手くいきません。原因としては、PICO4がUEのVR開発に用いる、OpenXRに対応していないからだそうです。そのため、PICO4でも動作するように下準備をしていきます。
PICO4側の準備
PICO4でプレビューを行うために、PICO4の開発者モードをONにする必要があります。
PICO4を立ち上げ、設定 > 一般 > デバイスバージョン > ソフトウェアバージョン を見つけ、ソフトウェアバージョンの部分を10回クリックしてください。こうすることで開発者モードをONに出来ます。
開発者、の項目が追加されるので選択し、USB DebugをON にしてください。ConfirmをクリックすることでONにできます。
これで一旦PICO4の準備は終わりです。
最終的にパッケージ化を行う場合は、参考文献の「パッケージングとインストール」を参照してください。
UE側の準備
プラグインの導入
マーケットプレイスのこちらから、PICO XR Plugin をダウンロードします。
VRTemplateを用いて新規プロジェクトを作成し、PluginsからPICO XR Pluginを有効化、OpenXRを無効化し、再起動しましょう。
入力情報の定義
VRTemplateのコントローラー入力のみ適宜対応すれば、入力関係は解決します。
コンテンツブラウザーから VRTemplate > Input に移動し、IMC_◯◯◯を開き、それぞれの入力に対応したものを選択していってください。対応する入力に関しては、こちらの公式ドキュメント通りに行ってください。
こちらの公式ドキュメントは、PICO OpenXR Plugin の入力マッピングです。今回用いるPICO XR Pluginでは、コントローラーの名前がPICO Touch~ で、中には割り当てのないボタンもありますが、基本操作のボタンは存在しているので、とりあえずこのドキュメントで対応できます。
私はPICO OpenXR Pluginの場合、コントローラーのボタンの反応がなかったので、PICO XR Pluginを用いました。
UEのLivePreview有効化
PICO4ではデフォルトのVRプレビューが行えないので、以下の準備が必要です。
PICO Developer Center のインストール
こちらからPICO Developer Centerのインストールを行ってください。
インストール後、PICO Developer Centerを立ち上げ、指示通りに勧めていきます。
- ログイン
- Developer(Organization)登録
の2つが主に必要な操作となります。
Organization登録後に表示されるダイアログは無視して構わないです。PICOストアでのアプリ公開時に必要らしい。
PICO4をケーブルでPCに接続して、PICO Developer CenterでPICO4が認識されていれば準備完了です。
プラグインのインストール
こちらからPICO Unreal Live Preview Plugin (Experiment) をダウンロードします。
Unityが選択されているので、Unrealを選択し、該当のプラグインをダウンロードしてください。
ダウンロードし、ファイルを解凍すると、バージョンごとのプラグインが入っているので、自身のバージョンに合ったプラグインを VRTemplate の Plugins フォルダにコピーしてください。
zip解凍先を、uprojectファイルの位置するディレクトリにすることで、綺麗な階層関係になります。Pluginsフォルダごと圧縮してくれているようです。
作成したVRTemplateを開き、先程プラグインを有効にしたときと同様な手順で、PICOLivePreviewプラグインを有効にします。
プレビューのためのプロジェクト設定
あと一歩でVRTemplateをPICO4で動かせます。
プロジェクト設定 > Platforms > Windows の Target RHIs > Default RHI を DirectX 11 に変更してください。
プロジェクト設定 > Engine > Rendering の VR > Instanced Stereo を OFF にしてください。
ここまで上手く出来ていれば、UEのツールバーにアイコンが色付きの光った状態で表示されるはずです。
最後に
ここまでして、PICO4はようやくmetaQuest達と同じスタートラインに立てます。この過程を挫けずに行えたあなたには、ここから楽しいVR開発が待っています。ぜひ楽しんでください。
何か不明点、おかしな点があれば、気軽にご連絡ください。
参考文献
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こちらについても時間ができ次第、記事にしたい気持ちでいます。 ↩