3
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

炎上プロジェクトの真の課題を捉える

Last updated at Posted at 2024-08-16

はじめに

この記事では、具体的な事例を交えながら、プロジェクト管理の難しさと対策について、私の学んだポイントを書きます。
ウォーターフォール開発であっても、アジャイル開発であっても中規模以上のプロジェクトであれば当てはまる内容だと考えています。私自身、SIer企業で10年以上にわたり、中規模から大規模(数億円規模、期間1〜3年)のプロジェクトを多く経験しており、その経験を基にしています。

炎上プロジェクトに出会ったことはありますか?

「炎上プロジェクト」とは、計画通りに進行せず、様々な問題が絡み合い、プロジェクト全体が危機的状況に陥ることを指します。よくある検知ポイントとしては、QCD(Quality, Cost, Delivery)における問題が表面化し、「このままではまずいのでは?」という声が上がるケースです。私はこのようなプロジェクトの炎上解消に途中参画することがいままで何度かありました。

  • Quality:期待する品質(バグの少なさ、機能の正確性、使いやすさ、パフォーマンス)に達していない
  • Cost:計画したコストより超過する見込み
  • Delivery:計画した納期が達成できない見込み

これらの問題は、できるだけ早い段階で「何か手を打たなければ」という危機感を持つことが望ましいのですが、現場は日々の業務に追われ、課題が蓄積・複雑化していることに気づきにくいことが多いです。

炎上するにはたくさんの課題が

例えば、3日でリカバリできる1つの課題なら、対処はそれほど難しくありません。しかし、3日でリカバリできる課題が10個あり、それらが複雑に絡み合うと、対処には1ヶ月以上の時間が必要になります。さらに、それらの課題が放置され続けると、何が問題なのかさえも分からなくなり、メンバーが身動きできなくなる状況に陥ります。

顧客からのプレッシャーが増す中で、進捗を優先し、目の前のタスクをこなすことに集中してしまいがちです。しかし、こうした状況が続くと、リーダー層も状況を把握しにくくなり、メンバー間での情報共有が滞ることで、プロジェクト全体がさらに悪化する負のループに陥ってしまいます。
 
あなたは、このような状況の経験はありますか。

小さな課題は真の課題から派生する

炎上プロジェクトに直面した際には、現場をじっくりと観察し、考えられる課題をすべて書き出します。
実は、多くの小さな課題は、根本的な課題から派生していることが多いです。一つの課題を解決すると、他の課題も連鎖的に解決することがあります。
 
そして、その真の課題を捉えて、それがどう変わるとプロジェクトにとって(もしくは自分にとって)最高の理想状態かを描いてみるというところも大事です。
その課題は根深い課題なので、なかなか解決はしないかもしれませんが、回避したり、軽減したり、受容を促したり変化を起こす何かを実験を試すことができます。

幸せなシステム開発にするために

最後に、より幸せなシステム開発を実現するために私が大事だと思う3つのポイントを紹介します。

  • 課題状況を可視化する
    プロジェクト外の人が状況をぱっと理解できる程度に、課題状況を可視化していることが重要と考えています。
    何が課題かが整理され、理想の状態は何かを描けたら7割は解決しています。あとはその課題を全員で認識し、一つ一つやれることをやっていくだけです。
     
  • 情報をフラットに全員がもつ
    みんながやれることをやっていくには、フラットに全員が同じ情報をもっている必要があります。リーダ層しか開示されていない情報は限りなく減らし、誰もが非同期で情報にアクセスできることが大切です。そのためには、適切なコミュニュケーションツールや仕組みの整備が求められます。
     
  • 「助けて」と声を上げる力
    時にはスキルやパワーがプロジェクト内で足りない、アイディアもでてこないというときに、どうしようもないということではなく、助けて助けてと周りに騒ぐことも重要だと考えています。ヘルプを出すにもパワーがいるのでその体力も残した状態で騒ぐことが大事です。第三者のフラットな視点からみると、思っているよりとても簡単なことかもしれないし、新たな視点を得られるかもしれないです。「一人で抱え込まず、周りに助けを求める」スキルは常に意識していきたいです。

おわりに

この記事で紹介した内容は、私自身もまだ全て実践できているわけではありません。一人でできることは限られており、システム開発は多くの人々が集まり、みんなの力が一つにまとまって作り上げていくシステム開発って本当にすごいことをやっているんだなと改めて思います。その現場が山あり谷ありありつつも、少しでも幸せな場所にしたいと、心から願っており、(綺麗事に聞こえると思いますが(笑)、一緒に働く仲間が、私自身が少しでも楽しくハッピーに仕事にできる場を作りたいです。)その場を作れる一人として邁進していきたいと思います。

読んでいただいた方に、この経験が少しでも役立てば幸いです。
他にもこのようなテーマで投稿予定です。またよかったらぜひ読んでください。
https://qiita.com/nanchan/items/232e1fe9015a4f6e0bf0

3
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?