ワークショップのために micro:bit にいろんなセンサをつなげることのできるキットを開発中です。
ウェアラブルとして使えるキットです。
これに静電気センサを搭載してみようと思いました。
静電気が測れるとどんなことができるでしょうか?
- 冬にぱちっと来るのを、事前に警告
- 電子工作で悲しいことを防ぐ
- 導体に近づくと反応するかも
- ポージングが取れるかも
- 電界の強弱を視覚化
ポージングが取れるかもというのは、手首の電位を測ってポーズが取れる?というところからです。
静電気が蓄電すると尖ったところに高電位が集中します。人体で尖ったところというと、頭、手先、足先となります。その手先がどのくらい尖った形状かということが取れるかも知れません。
何ができるかわからないので、とりあえずつけてみていろいろ調べてみたら面白いかも、というところです。
静電気を調べるには
電圧を調べるには、電位差を測ればいいです。しかしながら、ウェアラブルというと自分自身に密着することになります。自分自身全体が帯電していて、デバイスもそれに接続されているとすると、どこの電位差を測ればいいでしょうか?
静電気を調べるには、電位差ではなく絶対値を測るのが望ましいです。
絶対値を測るのは、はく検電器を使います。
(181px-Electroscope.png : GNU Free Documentation License )
しかしこれをウェアラブルに入れるのはちょっと苦しいですね。
電位差を測る方法で、何とかならないか調べてみました。
作例
- トランジスタを使ったバージョンhttps://www.toray-sf.or.jp/awards/education/pdf/h28_02.pdf
- デジタルテスターを使ったものhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/apej/171/0/171_81/_pdf/-char/ja
- FETを使ったものhttps://www.youtube.com/watch?v=WptwVzK7cK0
- オペアンプを使ったものhttps://www.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/R000000897/1-426.pdf
これらは基本的に、自分自身の電位を測るのではなく、自分に近づいた測定対象物を測ります。
測定対象物が帯電している場合、それに近づくと自分自身が誘導帯電します。検電器にアンテナとシールドを取り付けて、アンテナを測定対象物に近づけるとアンテナが誘電帯電し、シールドとの間に電位差ができるのでそれを測るということになります。
基本的に上記の作例は、
インピーダンスが十分に高いと自分自身の帯電も、どうにかして測れるかもですね。
インピーダンスが高い必要がある。また、定量的に測定できないかな?
ということで、オペアンプを使ってみることにした。
https://a-tomi.hatenablog.com/entry/2018/09/08/175653
を参考に、 Microchip のオペアンプ MCP6021 が良さそうなので 100MΩ ~ 1GΩ の抵抗といっしょに、注文してみました。
今出張先なのですが、近場の電子パーツショップでブレッドボードなども購入し、この週末に作ってみようと思ったら・・・・
Digikey が出荷遅延! ブレッドボードなども職場に忘れてきてしまい、週末にやろうと思った試作がぜんぜんできなくなってしまいました。
ポテンショスタット回路を改造する
仕方がないので、どこのご家庭にもあるポテンショスタット回路を改造して実験してみることにしました。
これは
「オゾンセンサをポテンショスタット回路を使ってESP32につなげる」
https://qiita.com/nanbuwks/items/b0f3cb8982ab1c29c718
で開発したポテンショスタット回路を基板化したものです。
元々のポテンショスタット回路はこのようになっています。
これをパターンカットなどをして、以下のように変更しました。
基板の回路図です。
アンテナをつけました。
今回の実験日は嵐でした。気温も高くて静電気が全然たまりません。しかしながら手で触ると・・・
結構高い値が出ますね。人体をアースに接触してもゼロに落ちないので、人体が帯電しているのでは無さそうです。
電源はPCから取っていたのですが、モバイルバッテリーから取るようにしました。
触っても変な高電圧が出ることがなくなりました。これを、ウェアラブル的に・・・
こんな感じで、今後検証実験をしてみます。