最近は技術系 Web サービスや SNS において、TeX 式が記述できることが多くなってきて嬉しい。
しかしながら Discord では対応していないのでなんとかしたい。
あれこれ試してなんとかなりそうな方法が3つ。
- Web ブラウザ拡張を使うやり方
- texclip サービスを使うやり方
- diagrams.net を使うやり方
Web ブラウザ拡張を使うやり方
以下の拡張があります。
「LaTeX in Discord」
https://chrome.google.com/webstore/detail/latex-in-discord/bejfcabcmhackmcaaclgiocgfpmpnaml
これを使うと、Discord 中に $$f\left( x\right) =\sqrt {ax^{2}+b}$$
と記述したものが以下のように表示されます。
当然ながら、拡張が有効になってないと見えません。例えば Discord アプリだと以下のように表示されます。
なお、拡張としてこちらもありましたが、試してみても動きませんでした。
「Discord TeX」
https://chrome.google.com/webstore/detail/discord-tex/jiengimpehefbjodikggbepdbeljegga/related?hl=ja
問題点
- PC版Chrome ブラウザが必要。Discord アプリや、Android上のWebブラウザなどでは使えない。
- インストールしていないと数式が見えない
- 複雑な数式だとクラッシュしてしまう
最後の問題は、$$f\left( x\right) =\sqrt { f(x,y)s_{i}}$$
$$f\left( x\right) =\sqrt { f(x,y)s_{i}}$$
これが記述できる数式の限界でした。
ちょっと実用にはならない感じ。
texclip サービスを使うやり方
「Texの数式を画像として取得できるWebサービス」
https://qiita.com/nszknao/items/8aac0f2ef4d86249618b
で紹介された texclip を使ってみました。
{\sum ^{n}_{i=1}f\left( x_{i},y_{i}\right) s_{i}}
$$ \sum ^{n}_{i=1}f(x_i,y_i)s_i $$
これを texclip で入力します。
Discord のために、「White on Black」のチェックをつけておきます。
できた画像を保存せずに、画像アドレスをコピーして Discord に貼り付けます。
コピーしたURLはこの通りです。
https://texclip.marutank.net/render.php/texclip20221226184328.png?s=%7B%5Csum%20%5E%7Bn%7D_%7Bi%3D1%7Df%5Cleft(%20x_%7Bi%7D%2Cy_%7Bi%7D%5Cright)%20s_%7Bi%7D%7D&f=c&r=300&m=p&b=f&k=t
再編集するには、URLをちょっと変えて、以下のようにします。
https://texclip.marutank.net/#s=%7B%5Csum%20%5E%7Bn%7D_%7Bi%3D1%7Df%5Cleft(%20x_%7Bi%7D%2Cy_%7Bi%7D%5Cright)%20s_%7Bi%7D%7D&f=c&r=300&m=p&b=f&k=t
変更したURLを開くと、texclip で再度編集できます。
問題点
- このやりかたは画像参照が多ければ texclip サーバに負荷がかかる?
- Discord でキャッシュを持ってくれているのである程度軽減?
- 複雑な数式はGETパラメータが長くなる Discord の投稿は2000文字までなので注意
- 数式と文章を一緒に投稿するとURLが丸見えになり、数式が一番下になる
なので数式と文章は別にするのがいいかな。
diagrams.net を使うやり方
「diagrams.net を使って Qiita / Discord / 他に再編集可能な図を貼り付ける」
https://qiita.com/nanbuwks/items/6bd2af7f2607d2c7dea8
では diagrams のデータを埋め込んだ png ファイルを使うやりかたを紹介しましたが、同様の方法です。
diagrams.net では 数式を使えます。
「拡張」-「数式組版」をONにしておいたうえで、
書き方は $$ ~ $$
の記述で数式をブロックで配置する方法、 ` ~ `
や \( ~ \)
の記述で数式をインラインで配置する方法があります。
diagrams.net で以下のように記述し、
できた数式を
png にエクスポートして貼り付けます。このファイルはdiagrams.net でファイルインポートして数式が再編集可能になります。
ファイル経由のエクスポート・インポートがめんどくさいですが、図といっしょに貼り付けることができるのがメリットです。
しかしながら、場合によってはズレが出ました。ちょっとコツがいる感じ?
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