4
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

PN532 NFC RFID module について調べる

Last updated at Posted at 2022-03-08

(Felica/Mifare/NFC チャレンジシリーズ) その他の記事はこちら 「Felica/Mifare/NFC でいろいろ実験」
https://qiita.com/nanbuwks/items/1f416d6e45a87250ee0a


「Arduino ESP32 と STM32 で NFC RFID-RC522」
https://qiita.com/nanbuwks/items/96c3c2d2af2cf97f3797
ではMiFare カードを利用しましたが、FeliCa で同様のことを試してみたいと思い、Felica 対応のボードを入手してみました。

image.png

入手したのは PN532 NFC RFID module です。
このボードは RFID-RC522 と同様、NFC の格安モジュールです。そしてこちらは Felica にも対応しています。
「PN532 NFC Module SPI I2C Reader/Writer Breakout Board」としてAmazonで購入しました。

今回はこのボードの素性を調べてみます。

オリジナルとバリエーション

いろんなところから購入できます。今回は Amazon で購入しましたが、 V3 という名前が付いています。
どこかのボードのコピー品かな? と思って調べたら、オリジナルはこれらしいです。
「PN532 NFC RFID module V3 kits -- NFC with Android phone [WIRELESS-NFC-PN532] - $13.90 : Elechouse, Arduino Play House」
https://elechouse.com/elechouse/index.php?main_page=product_info&cPath=90_93&products_id=2242

本家では、今はV4が出ているみたいですね。
「PN532 NFC RFID module V4 [WIRELESS-NFC-PN532_V4] - $29.90 : Elechouse, Arduino Play House」
https://www.elechouse.com/elechouse/index.php?main_page=product_info&cPath=90_93&products_id=2276

image.png

また、本家のページではチップの違いによって異なる製品を作っているみたいです。

image.png

ドキュメント

オリジナル製品の説明書はこちら
http://www.elechouse.com/elechouse/images/product/PN532_module_V3/PN532_%20Manual_V3.pdf

NXP PN5321

基板上には NFC コントローラ IC として NXP PN5321 が載っています。
image.png

https://www.nxp.com/docs/en/nxp/data-sheets/PN532_C1.pdf
によると

image.png

PN5321 とマーキングされているのは、 PN5321A3HN/C1xx を示しているのかな?

そうだとすると、PN5321とマーキングされているICはPN532と考えて良さそうです。
また、

The PN532 is a highly integrated transceiver module for contactless communication at
13.56 MHz based on the 80C51 microcontroller core. It supports 6 different operating
modes:
• ISO/IEC 14443A/MIFARE Reader/Writer
• FeliCa Reader/Writer
• ISO/IEC 14443B Reader/Writer
• ISO/IEC 14443A/MIFARE Card MIFARE Classic 1K or MIFARE Classic 4K card
emulation mode
• FeliCa Card emulation
• ISO/IEC 18092, ECMA 340 Peer-to-Peer

その他のドキュメントはこちら

電源と信号レベル

I2C と SPI ポートの VCC は PN532 のPin40 "VBAT" に接続されています。
VBAT は電源のメインサプライとしていて、定格が 2.7 - 5.5 V となっています。

I2C信号レベルはPVDD
image.png
SPI信号レベルもPVDD
image.png

PVDDって何かな?

PVDDは3.6Vまでが推奨で、IC外部から供給され、Padの電圧レファレンスとなります。
image.png

さて、PN532 内部にはLDOが内蔵されていて、VBATから内部の動作に使う電圧を作成、更に外部にもDVDD端子(パッド39)から供給します。
image.png

そしてこの Breakout Boardでは DVDD が TVDD(パッド5)と AVDD(パッド8)、PVDD(パッド23) に接続、LDOの出力が各リファレンス電圧に設定されています。

LDOの出力電圧は下記の通りです。
image.png

ということは、この Breakout Board の VDD に 5V の供給をした場合でも、I/Oは最大3Vレベルということになります。

赤基板の I2C インターフェースではバス上にトランジスタが乗っていてバッファになっているようですが、SPI インターフェースでは保護抵抗がついているだけで5Vレベルの信号は避けたほうが良さそうです。

説明書
http://www.elechouse.com/elechouse/images/product/PN532_module_V3/PN532_%20Manual_V3.pdf
を読むと、

SPI: 3.3V TTL with 100 ohm resistors in series. It could be connected directly to 5V interface of microcontroller such as
Arduino

とありました。5Vレベルの信号も大丈夫かな?

技適など

NFCカードリーダーは「誘導式読み書き通信設備」として使用する場合、設置許可不要設備にあたらないものは総務大臣の高周波利用設備の設置許可が必要となります。設置許可不要設備として使用する場合は、形式認定を受けるなどの要件を満たす必要があります。

この Breakout Board は一切そのような許可や認定を受けていないので、適宜要件を満たして使用する必要があります。

赤基板上のインターフェース

2.54mmピッチ4ピンのI2Cポート、8ピンのSPIポートがついています。
表面には設定スイッチがついています。

image.png
これはI2Cで設定した場合。
image.png
これはSPIで設定した場合。
image.png

以下は SPI で Arduino UNO に接続した結線例です。この結線で動作することを確認していますが、
上記「# 電源と信号レベル」において

5Vレベルの信号は避けたほうが良さそうです。

と記したとおり、このように使用することはオススメできません。
image.png

裏面。1.27 mm ピッチポートに書かれたシルクを見ると、 PN532 のピン12,13,24,32~38が引き出されているのがわかります。

image.png

安定化対策

使用していると不安定なことがありました。特に FeliCa を対象にしているときに全く反応が無かったりします。

こちらに記した安定化対策が顕著に効果がありました。
「NFC モジュールの動作安定性を改善する」
https://qiita.com/nanbuwks/items/a9217ba2e8f206b899b1

image.png

この対策は module 使用に当たり必須でしょう。

4
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
4
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?