CLI で Zigbee その1

Nordic の CLI コントロールの Zigbee サンプルプログラムを試してみます。
今回は、接続確認して CLI デバイス同士で ping ができるところまで。

続きはこちら
「CLI で Zigbee その2」
https://qiita.com/nanbuwks/items/308a421eaa61dd3f8fb4

環境

• 開発ボード アオノドン2019(Raytac MDBT50Q / Nordic nRF52840 搭載) Zigbee ルータとして使用
• 開発ボード MDBT50Q-DB (Raytac MDBT50Q / Nordic nRF52840 搭載) Zigbee コーディネーター として使用
• IDE Segger Enbedid Studio
• SDK nRF5_SDK_for_Thread_and_Zigbee_v4.0.0_dc7186b
• 開発PC Ubuntu 18.04LTS

プログラム

examples の zigbee ディレクトリ中は以下のようになっています。

├── app_utils
│ └── ws2812
├── experimental
│ ├── cli
│ ├── light_control
│ ├── multi_sensor
│ └── multi_sensor_freertos
├── light_control
│ ├── light_bulb
│ ├── light_coordinator
│ └── light_switch
└── ota
├── bootloader
├── client
└── experimental_server

このうち、以下を使用。

├── experimental
│ ├── cli ルータまたはコーディネーター・アオノドン2019 2台で実行
│ ├── light_control
│ ├── multi_sensor
│ └── multi_sensor_freertos
├── light_control
│ ├── light_bulb 照明エンドデバイス・アオノドン2019で実行
│ ├── light_coordinator
│ └── light_switch

元ネタ

以下の解説ページに沿って動かしていきます。

「Zigbee CLI Agent example」
https://infocenter.nordicsemi.com/topic/sdk_tz_v4.0.0/zigbee_example_cli_agent.html

また、以下にCLIのライブラリ、およびリファレンスの解説があります。

「Command Line Interface library」
https://infocenter.nordicsemi.com/topic/sdk_nrf5_v16.0.0/lib_cli.html
「Zigbee CLI Reference」
https://infocenter.nordicsemi.com/topic/sdk_tz_v4.0.0/zigbee_example_cli_reference.html

照明エンドデバイスを用意

「Nordic nRF52840 で Zigbee 照明とスイッチ」
https://qiita.com/nanbuwks/items/92a76bc68ebb75a58dfd

と同じ操作で照明エンドデバイスを用意しておきます。

CLI デバイスを用意

CLI として使うデバイスを1台用意します。ファームウェアをコンパイル、アオノドン2019に書き込みます。

CUIインターフェースとして、下記の両方が使えます。

• UART
• USB CDC device

今回はUARTを使います。

115200bps,8N1で通信します。

picocom で つなげてみましたが全然反応がなくて、あれれ〜？ とおもっていたら RTS/CTS線の配線が必要でした。はて、どこにハードウェアフロー制御の記述があるのかな？

※ハードウェアフロー制御を解除するために別記事を書きました。

「Nordic Zigbee CLI Example の UART設定」
https://qiita.com/nanbuwks/items/cf66d56979ad9a2a7a96

配線繋ぐとプロンプトが出てきました。

操作方法

タブを押すと入力候補が表示されます。

  balloc   bdb      log      queue    radio    reset    version  zcl
  zdo
> 

このほか、

• タブで入力補完を使うことができます。
• 上矢印で入力履歴を呼び出せます(8つまで)。
• reset でリセット。ハードウェアを触らなくていいので便利。
• BackSpaceは効かないがDeleteは効く
• 左右カーソルキーが効く

コーディネーターに接続

まずは、コーディネーターとして light_coordinator を使って実験します。
light_coordinator は起動後一定の間しか接続を受け付けません。
CLI と コーディネータを同時に起動し、2台の CLI デバイスの両方で以下のようにします。

> bdb start
Started router
Done

すると、コーディネーターに以下のようにログが表示されます。

<info> app: Production configuration is not present or invalid (status: -1)
<info> app: Zigbee stack initialized
<info> app: Start network steering
<info> app: Network steering started
<info> app: Device update received (short: 0x194D, long: f4ce365035f26ad5, status: 1)
<info> app: New device commissioned or rejoined (short: 0x194D)
<info> app: Joining period extended.
<info> app: Device authorization event received (short: 0x194D, long: f4ce365035f26ad5, authorization type: 1, authorization status: 0)
<info> app: Device update received (short: 0xBFB4, long: f4ce36a90365d8fb, status: 1)
<info> app: New device commissioned or rejoined (short: 0xBFB4)
<info> app: Joining period extended.
<info> app: Device authorization event received (short: 0xBFB4, long: f4ce36a90365d8fb, authorization type: 1, authorization status: 0)
<info> app: Network steering finished

2つで実験します。

自分のアドレスを調べます。

> zdo short
194D
> zdo eui64
f4ce365035f26ad5

ここで、

> zdo short
Error: Check if device was commissioned

と出た場合はコーディネータに接続できていません。

もう一台で、ping してみます。

> zcl ping 194D 30
> 
Ping time: 15 ms
Done
 zcl ping f4ce365035f26ad5 30
> 
Ping time: 13 ms
Done

ショートアドレス、ロングアドレス共にPINGができていることを確認できました。

CLIでコーディネーター

先程は light_coordinator をコーディネーターとして使いましたが、CLIでコーディネータとして動かしてみます。

light_coordinator の電源をOffにし、CLIデバイス2台を再起動しました。

1台で以下のようにします。

> bdb role zc
Coordinator set
Done
> bdb start
Started coordinator
Done
> zdo short
0000
Done
> zdo eui64
f4ce36a90365d8fb
Done
> 

コーディネーターの短縮アドレスは 0000 となっていました。
もう一台からping を飛ばして、OKなことが確認できました。

> bdb start
Started router
Done
> zcl ping 0000 30
> 
Ping time: 13 ms
Done
> zcl ping f4ce36a90365d8fb 30
> 
Ping time: 15 ms
Done