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KiCad テキスト はじめて編(Ver.5対応)

Last updated at Posted at 2018-12-06

https://togetter.com/li/385895 は KiCad3 の時代のものだったので、KiCad5 にあわせて書き直し。

準備

  • PC Windows/Mac/Linux どれでもOKです。
  • インターネット環境
  • マウス(必須です!!)

KiCadインストール

http://kicad-pcb.org/download/
ここからダウンロードします。
2018/12/06現在、バージョン5.01が公開されています。それを使います。

テキスト用のフォルダを作る

まずは、このテキストで使うフォルダを作っておきましょう。
今回は、KiCadという名前にします。任意の場所に作成してください。

環境構築(ライブラリのダウンロード)

次に、下記のライブラリをダウンロードします。

ZIPで直接ダウンロードする場合はこちら:

ダウンロード終了後、先の KiCad フォルダーの中に展開します。

KiCadLibrary-master という名前のフォルダができるので、

先ほど作った KiCad フォルダの直下に KiCadLibrary-master があるようにしてください。

プロジェクトの設定

KiCad起動して、ファイル - 新規 -> プロジェクト(P)で新たなプロジェクトを作成します。

最初に作成したKiCadフォルダを指定し、名前をWS-TEST1とします。
image.png

基本ボタン

image.png

Eeschema を起動して設定します

  • 設定(r) - シンボル ライブラリーを管理...で
  • 「ライブラリーを参照」して、先ほど保存した「KiCadLibrary-master」の中のnanbuwks.libを指定します。
    image.png

Pcbnew を起動して設定します

  • 設定(r) - フットプリントライブラリーを管理(b)... で「ライブラリーを参照」ボタンを押します。
  • KiCad / KiCadLibrary-master / library.pritty を選びます。

Eeschema で回路図作成

先ほど作ったWS-TEST1プロジェクトのEeschema - 回路図エディタを選択します。

image.png

Eeschemaが起動します。ここに回路図を書いていきます。電池とスイッチでLEDが光るだけの回路を作っていきましょう。まず部品を配置していきましょう。右側上から3つ目のボタンを押してから、白い画面の適当な場所をクリックします。「シンボルを選択」画面が出ます。この「検索」で「led」とタイプインすると検索して下記のようになります。

image.png

マウスのホイールで画面の拡大縮小ができます。

同じ要領で部品を追加していきます。
追加するのは下記

  • SW_Push
  • Battery_Cell
  • R
    image.png

位置を変更して角度も変更します。
位置を変えるのは右側一番上の白い矢印カーソルのボタンを押して、部品を右クリックして「・?を移動」。
角度を変えるのは右側一番上の白い矢印カーソルのボタンを押して、部品を右クリックして「角度」。
それぞれ、部品の上にマウスカーソルを置いて、MキーとRキーを押しても移動、回転できます。ここから以降は、作業をスピードアップするので、キーボードを使うようにしてください。
image.png

導線を引くのは右側上から5番目の緑の線マークです。
クリックして端子と端子をつなげます。

image.png

抵抗の値を入れておきましょう。Rのついたのが抵抗です。抵抗の図のところで「右クリック」-「プロパティ」-「定数を編集」

この画面で330Ωと入れておきます。

こうなります。
image.png

アノテーションで部品に番号をつける

部品の設定が終わったら、部品番号をつけていきます。

image.png
今回は「ツール(T)」-「回路図をアノテーション(A)...」で自動で行います。「アノテーション」ボタンを押します。

image.png

自動で、部品に番号がつきます。 R? だったのが R1 というようになります。

ERCで回路図チェック

「検査(I)」-「エレクトリカル ルール チェッカー(ERC)(C)」で回路図のチェックを行います。「実行」ボタンを押してエラーが出ないことを確認。
image.png

エラーが出ませんでした。
エラーが出るようなら矢印個所をチェックしましょう。
kicad_15.png

これで回路図は完成です。一旦「ファイル」-「保存」で回路図を保存しておきます。

部品の割り当て

次に部品の割り当てを行います。
KiCadは回路図記号と部品を別に管理でき、形の違う部品を使った基板が簡単に作成できます。

「ツール(T)」-「フットプリントを関連付け(s)」

先ほど作った回路図を元に配線図に必要な部品を選択していく画面です。
image.png

まず表示の設定を変えます。
画面上部でLのボタンに変更します。
kicad_21.png

上部メニュー左から2つめのプレビューボタンを押して、

kicad1.png

部品を表示しながら選択してみましょう。

LEDは左のリストでLEDsを選び、右のリストでLED 5mm を選びます。
LEDsが出てこない人は、代わりに以下の図のように選択します。

1111.png

その他のパーツも同様に選択していきます。
kicad2.png

保存します。「適用して、回路図を保存&続行」として「OK」とします。

「ツール」-「ネットリスト ファイルを生成(N)...」で「ネットリストを生成」ボタンをクリックし、「保存(S)」を押します。

kicad3.png

一旦回路図は閉じます。

PcbNEW で基板のアートワークを作る

次に、基板レイアウトエディター(PcbNEW)でレイアウト・デザインをつくり、ガーバーデータを出力します。

kicad4.png

作業の前に、ミリからインチに一旦変更しておきます。
kicad_35.png

先程作成したネットリストの読み込みを行います。
「ツール(T)」-「ネットリストをロード(N)...」で「現在のネットリストを読み込む」、読み込めたら「閉じる」
kicad5.png

部品がひとかたまりになりますが、マウスのホイールで拡大縮小しつつ、扱いやすいところでクリックして初期配置します。
kicad6.png

パーツの移動と整理をします。最初は全部まとめて選択になっているので部品から外れたところでクリックして選択解除します。
その後、個別にパーツを移動します。
移動はパーツにマウスカーソルをのせてmキーを押して移動状態にしてドラッグアンドドロップします。
回転は先ほどと同じくRキーで回転させます。

kicad7.png

こんな感じで良いと思います。

配線をしていく前に、線の太さを変えて見やすくしておきます。
kicad_32.png

「セットアップ(S)」の「デザイン ルール(D)...」を選択-グローバルデザインルールのタブを選択
kicad8.png

グローバルデザインルールタブの右下のカスタム配線幅で0.05を追加してください。

追加した線の太さが選べるようになっていれば成功です。
kicad_36.png

配線していきます。
画面右側上から5番目の緑の線マークのボタンです。
まずは線の種類は上から1番目F.Cuを選んで配線します。
この操作で基板の表側に銅線で配線ができるようになります。

kicad_37.png

配線を引いていきます

kicad9.png

ここで別の線の種類を試してみます。B.Cuを選択してみます。
これは、基板のウラ側に銅線で配線するという意味です。

kicad11.png

次に基板の形を決めます。
画面右側メニューの上から9番目の青い点線マークのボタンをクリック。
線の種類はEdge.Cutsを選択。
黄色い線をひいていきます。キーボードのCtrlキーを押しながらだと斜め線が45°に限定されます。

kicad12.png

良い感じの形を作りましょう。ストラップの穴とデコレーションの文字も入れてみました。

kicad13.png

基板の大きさを表示します。
画面右側メニューの上から14番目の<-N->ボタンを選択します。左側のボタンから寸法をmmを選択し、レイヤーはEco1.Userを選択します。

kicad14.png

これで寸法線が入ります。Eco1.USERは設計するときだけに使い、工場発注時にここに書いたデータは無視されます。

DRCで配線のチェック

次に配線に問題がないか確認します。
「検査(I)」-「デザイン ルール チェッカー(D)」で「DRCの開始」を押します。

kicad15.png

DRC開始をクリック。
エラーがあれば修正してください。

ガーバーデータ出力

問題なければ発注の段階に進みます。
「ファイル」-「プロット(I)...」を選びます。
kicad16.png

レイヤのカテゴリで下記7つを選択

  • FCu
  • BCu
  • B.SilkS
  • F.SilkS
  • B.Mask
  • F.Mask
  • Edge.Cuts

出力ディレクトリーとして、2018年12月06日に作ったのでフォルダ名はpcb20181206としました。

こんな感じで。

kicad19.png

ドリルファイル出力

「ドリルファイルを生成...」を押して、同じ場所にドリルファイルも生成してください。
kicad17.png

生成。kicad18.png

できたフォルダを圧縮
image.png

出来上がったZIPフォルダがPCBWAYへの入稿データとなります。
以上です。

お疲れ様でした。

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