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HV9961Tips

Last updated at Posted at 2017-01-23

HV9961とは

HV9961はSupertexのLEDドライバ。高品位のLED照明作るのに便利。

LEDを照明に使うには?

LEDって2.2Vとか3.3Vとかで動くんだけど、照明用として使うにはコンセントで動かすことになる。100Vとか220VのACを電源とするので、こういうのを使うと3.3Vを作ることができる。

これは2A出力なのだけれども、これで賄うことができるだろうか? まず、LEDが何個必要だろう?

LEDは電子工作に使うような普通のものは20mAぐらい。白色LEDの場合は、20mAで220mCd(カンデラ)の明るさだけど、これはインジケーターとかに使えるけれどもものを照らす明かりとしては使えない。これが普通のLEDではなく、超高輝度と言われているようなものだと20〜30Cdになる。これだと、まあものを照らすことができる程度。

ルーメンで計算

ただ光の角度が15°しかないので、0.1lm(ルーメン)程度しかない。

照明電球として使うには最低500lmぐらいないといけない。500lmあったとしても40W電球相当。40W電球は照明として使えないこともないけれども、まあちょっと暗くてもいいかな、というようなところに使うようなもの。まともな照明として使うには60W電球とか100W電球ぐらい欲しいので、800lmとか1300lmとか必要。

となると0.1lmの素子を使うと8000個とか13000個の素子が必要になる。これはちょっとアレなので、ちゃんと照明用の素子を使うようにしよう。

1W級のLEDを使う

こういうのは1W級。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-10368/
これ1つで100~130lm出る。6つで800lmぐらいで考えてみよう。

350mAなので6つで2160mAとなる。

先のACアダプタは2A級なので、ちょっと足りない。大容量の電源装置を使うと値段や大きさ、重さがバカにならない。LEDの素子自体は小さくて軽いのに、結局普通の電球よりも大きく重くなってしまうわけだ。

なんかアホらしいのだけれど、そこに救世主が!! HV9961はACアダプタ無しで動かすことができる。

Web上の資料

pdfはこちら
http://ww1.microchip.com/downloads/en/DeviceDoc/hv9961.pdf

実は、いきなり救世主が出てきたわけではなく、同じようなチップは前からあった。HV9910B というのがそれ。HV9961はそれから進化したチップ。

Web上にいろんな資料がある。日本語の情報はなかなか無いが、何故かウクライナがアツい。
http://www.eltis.ua/info/720/10902

HV9910BとHV9961の違いはこちらにまとまっている。
http://ww1.microchip.com/downloads/cn/AppNotes/AN-H64.pdf

使い方

LEDは100Vに直接つなげるのではなく、ブリッジダイオードを経由して全波整流し、ある程度平滑化したものをつなげる。最大144Vの電圧がLEDにかかるようになる。

当然ながら、普通にそんなことをすると壊れるので、一瞬だけLEDにかけて、しばらくOFFにする。

RTはオフタイマーを規定する。
TOFF (μs)= (RT(kΩ)/25 )+ 0.3

一般には20uSにすることが多いようだ。

また、コイルを使って直接掛からないようにする。

平滑化のテクニック

ブリッジダイオードの全波整流波形はコンデンサを使って平滑化する。コンデンサは交流に対しては抵抗として働き、インピーダンスという。は1/(2πCf)で計算できる。コンデンサに15μFの電解コンデンサを使った場合、インピーダンスは107Ω。

20Vで350mAの場合、うまく設計して実効値100Vで動いたとなると70mAだから1.4kΩぐらいになる。

なので交流の分圧で0.07=107Ω/(107Ω+1.4kΩ)
ということで、リップル率は7%になる。

ちなみに、LED電球はPSEの規定がある。ちらつきのあるのはアウト。

JISC8158によると、
繰り返し周波数が100Hz以上で光出力に欠落部がない 又は 繰り返し周波数が500Hz以上 のものは
「ちらつきを感じないもの」だそうだ。
光出力に欠落というのは、明るい時に比べ暗い時が5%以下になる時ということだ。

リップル率が7%ということは、明るい時に比べ暗い時が93%と考えていい。

また、人間の視力感度的にもリップル率7%ぐらいならOK.

VIN

LEDの電源はACを整流平滑したので使えるが、それをそのままHV9961の電源となる。便利!

VDD

ここから、外部のマイコンなどを動かすための電源が取れる。
とはいえRaspberryPiが使えるぐらい流せるわけではないので注意。
またVDDを含め、HV9961自体で使う電流が多くなるとVINの最大電圧が低くなるので注意。

CSで

RCSで電流の値を決める。

ILED =0.275V/ RCS

もし、 VLD ≥ 1.5V の場合は

ILED =(VLD • 0.185)/RCS

電流350mAにするときは、RCSは0.785Ωとなる。1Ωと3Ωを並列にすると0.75Ω,1Ωと4Ωで0.8Ωとなるのでココらへんを使えばいい。

インダクタ

30~40%でリップルするとして、

L O = V O(MAX) •T OFF/ 0.4•I O

Vo(MAX)=60V、
Io=350mAなので、
Lo=8.5mHとなる。

LD

ココにアナログ値をかけると出力電流を規定できる。
1.5Vを越すと100%出力となる。
普通はVDDに抵抗を通してつなげておく。

PWMD

マイコンからのPWM制御するときのピン。使わない時はGNDに落としておく

トラブルシューティング

一瞬光って消える

RTの抵抗が断線

CheckPoint

1番ピン

VIN 電源電圧 8V-45V

2番ピン または FETのSource

CS
シャント抵抗の電圧がここにかかる。
上限0.275V

3番ピン

GND

4番ピン

GATE ONになっているときはHigh

5番ピン

PWMD
ONにするにはHighになっていないといけない

6番ピン

VDD
正常なら7.5Vが出力されているはず。

7番ピン

LD
アナログ制御していない場合はHighにしておかなければならない

8番ピン

RT

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