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AI覚書①人工知能の変遷と歴史について

Last updated at Posted at 2018-01-21

人工知能についての勉強会に参加し始めたので、学習したことのメモをまとめます。
個人的なまとめですので、間違いがあるかもしれません。指摘していただければ幸いです。
まずは、今回のターゲットである「人工知能」の歴史や性質について。

1.推論と探索の時代 @第一次AIブーム

  • 1950年代:アラン・チューリング「知性を持つ機械」
    機械の知性、という点についての考察の嚆矢となったのがアラン・チューリング氏。氏は、「機械に、知性を持った振る舞いができるか」という問題について考察。
    その論文から生まれたのが、「チューリングテスト」である。

    チューリングテスト
    相手を知らされない状況で、一人の人間がディスプレイ上でチャットを行い、会話相手がbot(機械)であるかを見抜くことができるかというテスト

  • 1956年:ダートマス会議「人工知能」
    有識者による集会、ダートマス会議において初めて「人工知能(artificial intelligence)」という言葉が用いられる。
    この時扱われたテーマは多岐に渡ったが、すでにニューラルネットワークなどのテーマについても触れられていた。

    ニューラルネットワーク
    人間の脳の構造を模した数学モデル。現在の深層学習の基礎理論となっている。


この時代のAI

ある規則が存在する中で、考えうることの中から最良の正解を志向し(推論)、それを実現する方法を模索(探索)するAI。
オセロなど明確なルールが前提として存在している環境において最善手を探し出すことができたため、機械に知性が宿ったと認識されブームに。
しかし、規則の存在しない現実世界への落とし込みは不可能であったため、ブームは沈静化。いわゆる「冬の時代」に突入することとなる。

  • 優れていた点
    ・前提の明確な、いわゆるゲームなどにおいては、人間の到達し得ない域への到達が可能となった。
  • 問題点
    ・前提が明確でない環境においては、無力であった。

2.知識表現の時代 @第二次AIブーム

  • 1970年代「mycin」の登場
    エキスパートシステム「mycin」の登場により、第二次AIブームが始まった。このmycinは病原菌の診断システムであり、mycinの発する問いに医師がyes/noで答えることにより病原菌の名称を特定するというものであった。 第一次ブームにおけるAIの課題が現実世界への対応力が皆無であったという点をこのmycinは克服しており、エキスパートシステムこそ人間世界に干渉しうるAIだと持て囃されることとなる。 しかし、このエキスパートシステムの構築には、知識の注入という点で人間の多大な介入が必要であり(mycinの制作にも6年ほどの歳月を要している)、人間世界の諸事象についてシステムを構築するのは現実的でないという理由からブームは沈静化。AI界隈は再び「冬の時代」に突入した。

エキスパートシステム
人間の専門家が答えを導く能力を再現したシステム。特定の 分野についての知識・ルールを集積することにより、それらに基づく判断を行うことができる

この時代のAI

ゲームを優れた方法で攻略する、という全時代のAIのあり方から大きく進歩。ルールの存在しない現実問題への対処が可能となった。一義のルールはなくともそれに関する知識はデータベースとして存在する事象は数多くあり、医療のみならず、様々な分野における分化が期待された。
しかしそのシステム構築には多大な労力が必要であり、そうして作られたシステムに果たして労力に見合うだけの価値があるのかという疑問に答えらるだけの事象はそれほどなく、技術的には優れていたもののやはり現実世界への対応という点で普及しなかった。

  • 優れていた点
    ・全時代の課題であった「現実世界への介入」という問題を解決した
    ・明確の定義が存在していなくとも、膨大な知識を利用することで正解を導き出すことができるようになった
  • 問題点
    ・一つの分野についてですら、そのシステムが成立するだけの知識を与えるためには人間の多大な労力が必要であり、その制作が現実的に難しかった

3.機械学習の時代 @第三次AIブーム

  • 2012年:「ディープラーニング」の登場 画像認識の精度を競うILSVRCというコンテストでは、従来エラー率26%前後がトップ値であり、その値を1%更新できたチームが優勝を果たせるというレベルでの戦いが繰り広げられていた。そんな中、2012年に初出場したトロント大学のチームが、従来のエラー率を実に10%も更新する17%という数字を叩き出し優勝し、世間を騒がせた。 この時使用されていたのが「ディープラーニング」である。

ディープラーニングの基礎理論となっているのは、人間の脳構造の模倣、ニューラルネットワークである。
もともとこの分野については多くの研究がなされおり、その嚆矢「パーセプトロン(:脳機能を2層構造で再現)」や3層構造型のニューラルネットワークなどが開発されていた。しかし3層が従来の再現限界であり、そのレベルでは多くの解決し得ない問題が存在していたため日の目を見ない技術となっていた。

そこで登場したのがディープラーニングである。ディープラーニングは4層以上の多層構造を再現することに成功し、多くの現実問題を処理することのできる可能性を秘めた技術となった。

ディープラーニングの大きな特徴は、「自ら対象の特徴を学習できる」という点である。
エキスパートシステムでは、ある判断を行うための材料となる知識を人間がインプットせねばならず、その点がAI普及のボトルネックとなっていた。
しかしディープラーニングは、その材料となる知識を自ら収集する能力を持つ。

現実の諸問題と独力で相対する力を持ったシステムの登場により第三次AIブームが到来。現在、再びの「冬の時代」は訪れていない。

この時代のAI

現実問題への対応という点について、技術力・労力の点から実現可能性を見出した。
エキスパートシステムがそうであったようにその対応分野は無限大であり、かつエキスパートシステムとは異なり知識収集において人間による注入作業を必要としないため、あらゆる場面においてその導入を検討することができる。
- 優れている点
・自ら対象の特徴量を収集することができるため、そのシステム構築において人間の介入を基本的に必要としない

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