0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

マルチステージビルドについて

Last updated at Posted at 2025-02-28

Dockerのマルチステージビルドとは?

Dockerのマルチステージビルド(Multi-stage Build)は、Dockerイメージを効率的に作るための方法です。簡単に言うと、複数のステップ(ステージ)を使って、イメージを小さく、安全に作るテクニックのことです。

普通のDockerビルドでは、1つのDockerfileですべての作業を済ませます。しかし、マルチステージビルドでは、ビルドの作業を分けて、最後に必要なものだけを残します。これによって、無駄なものが入らない、軽くて安全なイメージを作ることができます。

なぜマルチステージビルドが必要なのですか?

アプリを作るとき、たとえばプログラムをコンパイル(ビルド)するには、特別なツール(例:コンパイラやnpm)が必要です。でも、そのアプリを動かすときには、そういったツールは必要ありませんよね。

普通のDockerビルドだと、ビルドに使ったツールまで最終的なイメージに入ってしまいます。これは問題で、以下のようなことが起こります:

  • イメージが大きくなる:必要ないものが入るので、サイズが無駄に増えてしまいます。
  • セキュリティが心配:余計なツールがあると、悪用されるリスクが上がります。

マルチステージビルドを使えば、ビルド専用のステージでツールを使ってアプリを作り、最終ステージにはアプリだけを入れることができます。これで、イメージが小さくなり、安全性も高まります。

マルチステージビルドの基本的な流れ

マルチステージビルドでは、Dockerfileに複数の「FROM」という命令を書いて、ステージを分けます。各ステージは独立していて、前のステージから必要なものだけを次のステージに持ってくることができます。

基本的な流れは、次のようになります:

  1. ビルドステージ:アプリを作るための準備をします。ここでツールを使ってアプリをビルドします。
  2. 実行ステージ:できたアプリを動かすための環境を用意します。ここにビルドしたものだけをコピーします。

具体例で理解してみましょう

Go言語で簡単なWebサーバーを作る例で、マルチステージビルドを見てみましょう。

普通のDockerfile(マルチステージではない場合)

FROM golang:1.16
WORKDIR /app
COPY . .
RUN go build -o main .
CMD ["./main"]

この場合、Goのコンパイラやツールがすべてイメージに入ってしまいます。
その結果、イメージが大きくなってしまいます。

マルチステージビルドのDockerfile

# ビルドステージ
FROM golang:1.16 AS builder
WORKDIR /app
COPY . .
RUN go build -o main .

# 実行ステージ
FROM alpine:3.14
WORKDIR /app
COPY --from=builder /app/main .
CMD ["./main"]

ビルドステージ(AS builder)でアプリを作り、
実行ステージで、できたアプリ(main)だけを軽いイメージ(alpine)にコピーします。
コンパイラなどの不要なものは残さないので、イメージが小さくなります!

マルチステージビルドのメリット

マルチステージビルドには、以下のようなメリットがあります:

  • イメージが小さくなる:不要なツールが入りません。
  • 安全性が向上する:攻撃されにくいイメージになります。
  • ビルドが速くなる:キャッシュをうまく使って効率化できます。
  • 管理が楽になる:ビルドと実行を分けてスッキリします。

まとめ

Dockerのマルチステージビルドは、イメージを小さく、安全に作るための便利な方法です。ビルドと実行を分けて考えることで、無駄をなくし、効率を上げることができます。

 
  
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 
 

マルチステージビルド実行ステージ推奨イメージ

マルチステージビルドの実行ステージで最も使用されているイメージは、アプリケーションの種類や要件によって異なりますが、ベストプラクティスとして以下のイメージが推奨されます。これらは軽量性とセキュリティを重視しつつ、アプリケーションの動作に必要な最小限のコンポーネントのみを含むものです。

推奨イメージ

以下に、代表的なケースごとのベストなイメージ選択を説明します。

Go言語のアプリケーション: scratchイメージ

  • 特徴: scratchは完全に空のイメージで、何も含まれていません。
  • 理由: Goは静的にコンパイルされたバイナリを生成するため、ランタイムや追加のライブラリが不要です。そのため、scratchを使うことで最も軽量で安全なDockerイメージを作成できます。
  • メリット: イメージサイズが最小限になり、不要なツールやライブラリがないため攻撃対象が減ります。

Javaのアプリケーション: gcr.io/distroless/java(Distroless Javaイメージ)

  • 特徴: Googleが提供するDistrolessイメージで、Javaランタイム(JRE)と必要なライブラリのみを含みます。シェルやパッケージマネージャーなどの余分なツールはありません。
  • 理由: JavaアプリケーションにはJREが必要ですが、Distrolessイメージは不要なコンポーネントを排除することでセキュリティを向上させつつ、軽量性を保ちます。
  • メリット: セキュリティと軽量性のバランスが優れており、Javaアプリケーションに特化した選択肢として広く採用されています。

その他の言語やフレームワーク: alpine(※またはdistroless)イメージ

  • 特徴: Alpine Linuxは非常に軽量なディストリビューションで、多くのアプリケーションに対応しています。
  • 理由: PythonやNode.jsなど、ランタイムが必要な言語に対して、Alpineは最小限のサイズで必要な依存関係を提供します。ただし、musl libcを使用しているため、一部のアプリケーションで互換性の問題が発生する可能性があります。
  • 代替案: 互換性に問題がある場合、debian-slimubuntu-minimalなどの軽量なイメージも検討できます。

ベストプラクティスのポイント

マルチステージビルドの実行ステージでイメージを選ぶ際は、以下の原則を守ることが重要です。

  • 軽量性を重視: イメージサイズを小さく保つことで、デプロイの効率が向上し、リソース使用量が減ります。
  • セキュリティを強化: シェルやパッケージマネージャーなど、不要なツールを含まないイメージを選び、攻撃対象を最小限に抑えます。
  • アプリケーションの要件に合わせる: ランタイムが必要な言語(例: Java、Python)では必要なコンポーネントのみを含むイメージを、ランタイムが不要な言語(例: Go、Rust)ではscratchを選びます。
  • Distrolessイメージの活用: GoogleのDistrolessイメージは、主要な言語(Java、Python、Node.jsなど)に対応しており、セキュリティと軽量性を両立させる優れた選択肢です。

結論

マルチステージビルドの実行ステージで最も使用されるイメージは一概には定まりませんが、ベストプラクティスとしては以下の選択が一般的です:

  • Go: scratch
  • Java: gcr.io/distroless/java
  • その他: alpine(※またはdistroless

これらを適切に選択することで、安全で効率的なDockerイメージを構築できます。アプリケーションの特性に合わせて、最適なイメージを選んでください。


0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?