はじめに
環境
- PC: MacBook Air(16 GM)
- 開発環境: vscode
元ネタと前回記事
- note AI駆動開発 Claude Code & Tmux入門 16ワーカーを同時に動かして開発効率爆上げする方法 bashもzshにも対応
- 前回記事 Gemini CLIを使って並列タスク処理をしたい!(下準備編)
この記事は?
前回の記事では、tmux
と自作シェルスクリプト(zshエイリアス)を使って、ターミナルをグリッド状に分割し、全ペインに一括でコマンドを送信する環境を構築しました。
今回はその環境を実際に活用し、@google/gemini-cli
をインストールして、分割したすべてのターミナルで同時にプロンプトを実行する検証を行いましたので、その手順と結果を共有します。
この記事で実現すること
要点
- 前回構築した
tmux
グリッド環境で、gemini-cli
を並列実行する。 - 全ペインに同じプロンプトを送信し、同時に複数のAI応答を得る。
デモ結果
前提条件
本記事は、前回の記事で紹介した以下の環境がセットアップされていることを前提とします。
-
create_tmux_layout.sh
スクリプトが利用可能 -
ta
などのzsh
エイリアスが.zshrc
に設定済み
ファイル構成
.
├── .zshrc
└── Parallel-Processing-With-CLI/ # お好みの適当なフォルダ名
├── create_tmux_layout.sh
└── README.md
Step 1: Gemini CLI のインストール
まず、gemini-cli
をグローバルにインストールします。ターミナルを開き、以下のコマンドを実行してください。
npm install -g @google/gemini-cli
インストール後、gemini
コマンドが利用可能か確認します。
gemini
上記コマンドでGemini CLIが起動すれば、インストールは成功です。
Step 2: tmux環境でGemini CLIを並列実行する
ここからが本番です。前回作成したスクリプトとエイリアスを使い、gemini-cli
を全ペインで実行します。
1. tmuxグリッド環境の起動
まず、create_tmux_layout.sh
を実行して、ターミナルを分割します。今回は例として 2x2 の4ペインを作成します。
./create_tmux_layout.sh 2
2. 全ペインで作業ディレクトリに移動
次に、ta
(Total/All) エイリアスを使い、全ペインで作業したいディレクトリに移動します。ご自身の環境に合わせてパスを修正してください。
ta "cd /{自分の環境に合わせたpath}"
3. 全ペインでGeminiプロンプトを実行
準備が整いました。いよいよ、全ペインに同じプロンプトを送信します。
今回はお試しで、簡単な質問を投げてみます。
ta "gemini --prompt '1から10までの素数をリストアップして'"
実行結果
上記コマンドを実行すると、4つのペインそれぞれでGemini CLIが起動し、独立してプロンプトへの応答を生成し始めます。各ペインが個別にAPIと通信するため、ほぼ同時に4つの異なる(しかし内容は同じ)回答が画面に出力されます。
期待通り、すべてのペインで素数(2, 3, 5, 7)がリストアップされれば成功です。
最後はtk
と打てば、ターミナルがすべて強制終了されます。
まとめ
前回の記事で構築したtmux
による並列操作環境と gemini-cli
を組み合わせることで、非常に簡単な手順でAIプロンプトの並列実行が可能になることを確認できました。
今回はすべてのペインで同じプロンプトを実行しましたが、応用すれば、ペインごとに異なるプロンプトを投入して複数のタスクを同時に処理させることも可能です。例えば、複数のコードファイルについて、それぞれリファクタリング案を同時に生成させるといった使い方が考えられます。
CLI上で手軽に試せる強力な並列処理環境として、ぜひ活用してみてください。
最後に
この記事も、構成のアイデア出しから文章の生成まで、そのほとんどをGeminiのサポートを受けながら作成しました。