2024年11月17日に統計検定1級(数理+社会科学)を受験してきたので、その体験記を書きます。なお、執筆時点で結果は出ていませんが、自己採点の結果は数理5割、応用7割でした。6割がボーダーと言われていて数理は不合格で応用は合格と思われますが、正式な合格ラインの発表はないため結果を見るまでわかりません。
長くて読みにくい文章になってしまいました。受験を決めた方には最後のアドバイス部分だけは役立つかもしれません。
合格した人間ではないため、信憑性が薄いことはご了承ください。
また、2024年時点の情報です。
やってよかったこと
1. いろいろなブログや書籍を読んでの情報収集
参考書や過去問を解く勉強以外に、様々な受験体験記の流し読み、理解の浅い部分を解説している記事や書籍、YouTubeの動画を見たりしました。一つの情報源からだとわからなかったことが理解しやすくなります。大学の講義のPDFなどもネット上に落ちてたりするのでおすすめです。また、自分なりにまとめて単語帳みたいなものを作成していました。これがとても良かったと思います。
特に良かったものを以下にいくつか挙げます。買った本の紹介は最後に行います。
推定・検定入門⑧(母平均の検定) (YouTube)
ヨビノリさんの解説は本当にわかりやすく、他の動画もたくさん見ました。特にこの動画は、推定についてわかりやすい動画です。統計検定の勉強をし始めた際、検定・推定の問題がとても苦手でした。いろんな記事を見漁りましたが、ヨビノリさんの動画によって一番理解できた気がします。
十分統計量(はじめての統計学)(YouTube)
「十分統計量」というワードがイマイチ掴めないときに出会った動画です。この動画で十分統計量がかなり見えるようになりました。勉強始めたてだと出てこないワードだと思いますが、意外と問われるので抑えておくと良いと思います。
事後分布を理解する(WEB記事)
事後分布について、具体例を載せたうえで解説してくださっている記事です。たまに出るので要対策です。
統計検定1級 統計数理対策チートシート(WEBブログ、PDF)
検定の前々日に見つけて「もっと早く欲しかった!」となったチートシート。主要な確率分布の期待値・分散・母関数が載っている点が特に参考になりました。一通り勉強が終わってからの確認に使うと良いと思います。
2. 受験経験者と会う
統計検定の勉強をするうえで、モチベーションの維持が一番の課題でした。勉強会を探していると、統計限定のもくもく会を見つけました。参加してみたところ、主催の方が統計検定1級の受験経験者で、当日の様子などのお話を聞くことができました。検定に対して具体的なイメージが湧いたため、参加してよかったと思っています。今後は自ら主催してみたいとも思っています。
3. 受けることを周りに言う
こちらもモチベーション維持の一環です。自分は職場の人や友達に受けることを言っていました。言った以上、落ちた報告はしたくありません。「受かった報告をしてカッコつけたい」は良いモチベーションになりました。
やって良くなかったこと
1. 演習を網羅的に行わなかったこと
時間もあって苦手と思うとこだけやって過去問演習を始めました。「過去問で知らない問題が出たと思ったら、演習で飛ばしてた」ということがしばしばありました。また、そのような演習を1周ずつ2冊行いました。それなら信じた一冊全体を1周するほうが良いと思います。今の自分の意見は「参考書は複数冊見比べる、演習書は一冊をやり切る」です。自分にあう説明は参考書を複数冊見たほうが見つけやすいと思います。
2. 過去問1年だけで判断したこと
統計の基本的な問題を一通り解いたあとに、過去問を1年分解きました。その結果、自らの得意分野だったからか数理は合格点に達しており、応用の対策だけが必要と決めつけてしまいました。その結果、数理の抜けが多すぎる事態になってしまいました。数理と応用は難易度の差は無いと思っています。
受験体験記
受験のきっかけ
データサイエンティストとしてやっていく上で統計の知識が必須と思い、統計の勉強をしようと思い立ちましたが、勉強の方針が思いつきませんでした。そこで検定を利用して体系的に勉強できれば、との思いで受験を決めました。勉強を始めた時点では、どの級を受けるか決めていませんでしたが、一級のみを受験しています。
勉強の流れ
6月ごろに、こちらの本の演習問題を一通り解くことから始めました。検定まわりがよくわかりませんでしたが、深追いせずに一旦過去問へ(ここが良くなかった、ある程度理解できるまで勉強すべきですね。。。)
ここで一度、準一級と一級の過去問を解いてみました。すると準一級のは全然解けなかったのに対し、一級の数理はなんとかなりました。そこで、一旦一級の取得に注力することを決めました。
9月頃、こちらの本の演習を始めました。理解できなかった検定の部分を重点的に、わからないところだけを飛ばし飛ばし進めていきました。
受験申込の時期になり、申し込み時に応用の分野を決定すると判明しました。一通り眺めて、業務で時系列の話が出てきたこともあり社会科学に決定しました。勉強になることが多かったので、この選択は良かったかなと思ってます。ただ受験だけを考えるのであれば理工学のほうが楽だったかも(個人的には)。
10月頃から過去問演習を始めました。最終的には、数理は2020年から2023年、応用は2017年から2023年まで解きました。いい感じの過去問の問題集の買い方は下に書いておきます。
2023年の問題は、1周間前に時間を測って解きました。数理がボロボロで応用が8割ほど取れました。このときにようやく数理やばいと気づきました。が、時すでに遅し。結局間に合いませんでした。。
結果的に勉強時間は100時間ほどでした。もう少し頑張れた気もします。
買った本
結構難しい問題も入っていました。一通りやれば、基本は戦えると思います。
自分はこれを参考書として使っていましたが、これを演習書としても使えばこれ一冊で十分な気がします。やっぱり皆さんがおすすめするだけありますね。自分は、問題数の多さに怖気づいて他の演習書に逃げました。大人しくこれをやれば良かったかも。
社会科学の対策で買った本です。社会科学で必要な単語は一通り載っています。ただ、紹介程度ではあるので、必須という感じではありません。
過去問は必須級です。一級と準一級が同じ本だった時代もあり、被りなく買うのが難しかったりします。
Amazonに2016-2018と2019-2022(2020はコロナで中止)の問題集があるためそれを揃えれば6年分演習できます。加えて、前回の問題はPDFで公式サイトに公開されています。
アドバイスなど
- 受験票の写真は早めに貼っておきましょう。当日貼ってなかった人はどうなるか分かりませんが、受験できるにしても変な焦りを生みます。
- 当日は厳密に30分前まで会場に入れませんでした(少なくとも自分の会場は)。教室の前まで行くと人がたくさんいたので、30分前までは外で待っている方がゆっくりできると思います。
- 当日指示がありましたが、受験票は左右に切り離すようです。すでに切り離しちゃった人も問題ないと思います。
- 数理と応用どちらも受ける人でも、一度追い出されます。応用の30分前まで再度入れないので、外でゆっくりできる場所を探しておくと良さそうです。自分はスタバに行きましたが、氷の飲み物と知らずにフラペチーノを頼んでしまい冷たい思いをしました。気をつけてください。トルティーヤはとても美味しかったです。
- 解答用紙は十分にある(A4で10ページほどある)ので、長くなっても問題ありません。ただ、罫線がありとても濃いので、分数を書く際に重なってしまって焦りました。罫線に負けないように濃く書く、罫線に対して少し斜めに書く、1行に頑張って詰め込む、などが対策としてあると思います。