「aibo ers-11x/210で遊ぶ Advent Calendar 2023」の16日目です。
ERS-210のバッテリーの保護回路は大きく三つに分けられるようでした。
- 保護の部分
- Gas gage ICによる監視部分
- トラップ部分
今回はGas gage ICによる監視部分の部分についてまとめました。
Loïc POLLIERさんのレポジトリbattmonを参考に、一から勉強したメモをまとめました。
https://github.com/lpollier/battmon/tree/master
警告
この記事について作者はいかなる責任も負いません。
バッテリーの分解、改造は非常に危険な行為です。
業務外の個人的な検討活動です。
回路図
Loïc POLLIERさんのレポジトリbattmonに詳しく述べられていました。
この部分にはIC用の電源となるステップダウンレギュレータ、EEPROM,そしてgas gage ICがあります。
TLV70433DBVR
https://www.mouser.jp/c/semiconductors/power-management-ics/voltage-regulators-voltage-controllers/ldo-voltage-regulators/?m=Texas%20Instruments&series=TLV70433
24LC01B
https://ww1.microchip.com/downloads/en/devicedoc/21711j.pdf
BQ2040
https://www.ti.com/lit/ds/symlink/bq2040.pdf?ts=1698077054205
このバッテリーがトラップされていなければ、ステップダウンレギュレータにバッテリーセルのBAT+の電圧が供給され、3.3Vの電圧が生成されます。その電圧はBQ2040へつながります。
EEPROMへの電源はBQ2040が供給していますが、EEPROMを呼び出すときだけ供給しているようで、TP202にテスタを当てても常時は3.3Vが測定されませんでした。
(https://frr.g6.cz/battery.html#downloads)
BQ2040はEEPROMの内容とバッテリーの使用時間の計測など状況を監視し、端子のSMBCとSMBDを通してaibo本体と情報をやり取りするようです。SMBCとSMBDはI2Cによって概ね対応できるようですので後日の考察とします。
BQ2040の仕様書を読むと、保護回路にはセンス抵抗という電流測定用の抵抗が使われるようなのですが、この回路図からは特定できまず今回は保留しました。
EEPROMはバッテリーセルの容量や充電回数などが記録されています。
バッテリーセルを交換した後にBQ2040がキャリブレーションする際にそれらの情報が使用されるので、SO-8用のテストクランプなどを使って情報を書き換える必要があるようです。
警告をもう一度
今回のAdvent Calenderでバッテリーセルの交換について考察しますが、非常に危険ですので知識と教養を深める目的で調べたことをまとめました。
十分な安全対策を講じなければ、実行することはお勧めできません。
重要なことなので、二回書きます。
警告
この記事について作者はいかなる責任も負いません。
バッテリーの分解、改造は非常に危険な行為です。
備考
上記に示した図面はLoïc POLLIERさんが作成したものです。
Copyright (c) 2020-2022 Loïc POLLIER
Released under the MIT license
https://github.com/lpollier/battmon/blob/master/LICENSE