「aibo ers-11x/210で遊ぶ Advent Calendar 2023」の14日目です。
ERS-110の耳はゴム部品でプラスチック部品を支えている構造になっていたのですが、ゴム部品が加水分解で劣化してしまうらしく、中古取引されているものはほとんどが耳がない状態です。
私が購入した機体もプラスチック部品は保存してあったものの、ゴム部品はぼそぼそ・べちゃべちゃの状態でした。
そのままでは見た目もかわいそうなので、ゴム部品の再作製の準備を行おうと思います。
歯切れが悪い表現になっているのは、キャプチャー、モデリング、3Dプリンタで出力まで完走してしまうと、知財的に何らかの問題が起きることを懸念したためです。
したがって今回はキャプチャーしてモデリングの準備まで行うことにしました。
業務外の個人的な検討活動です。
耳のプラスチック部品の様子
表面が黒一色で反射成分も多めです。しかも小さくて薄い。
キャプチャーは難しい被写体です。
ここではiPhone12ProのLidarアプリや、一般的なフォトグラメトリアプリを使用した場合の結果を比較してみました。
Scaniverse
iPhoneの有名なLidarアプリです。
パッと見た目は良さそうですが、細かく見るとエッジが崩れています。
拡大してみると、ピンやくぼみの部分など細かい形状は再現できていませんでした。
KIRI Engine
こちらもiPhoneの有名なLidarアプリで、Object Capture技術も導入しているとのことで本命と期待していました。
しかし校正用に敷いていた格子模様の板の表面に大きな穴が開いていたり部品のエッジが壊れていたり、残念な結果でした。
Reality Capture
PCアプリでもっとも有名といっても過言ではないフォトグラメトリ用のアプリです。
上記と同じiPhone12Proを使い撮影した画像をオフライン処理しました。
被写体と技術の相性を考えると穴馬的に考えていましたが、一番良い結果となりました。
位置決め用のピンや小さいへこみも大部分が再構成できました。
個人的な利用における次の作業
Reality Captureで再構成したモデルをキャリブレーションしてエクスポートしたメッシュを3Dモデリングアプリに取り込んで、支えるゴム部品を手動で作成することになります。
ただ、ここから先は作業内容の公開も含めて個人的な利用にとどめた方が良いと判断し割愛します。
まとめ
今回は第一世代aiboの耳を修復するため、ゴム部品の作製を準備するためのキャプチャー作業について3種類のアプリの結果を比較しました。
iphone lidarのデータを出力できないので入力画像を揃えられず、正しい比較ではないですが、使用するアプリ選定のご参考になれば幸いです。