私は地方のスーパーの商品部に所属し「地域商品」の仕入や売場管理の仕事をしている女性会社員です。
私の担当している「地域商品」については商品の「発注」は基本的に行っておらず、納品から在庫管理まで各業者さんにおまかせする「消化仕入れ」で運用しています。
「消化仕入れ」という仕入れについては、以下の「買取仕入れ」との違いを図式化したものでご確認ください。
「消化仕入れ」は売上があがらないと仕入れもあがらないため、業者さんが利益をだそうとすると、どうしてもロスのない数量での納品になり売場が品切れ状態になりがちです。
そこで前回の記事では売場の品切れを手軽に業者さんにお知らせする手段について検討して書きました。
今回はその前の段階として品切れ自体をおこさないために、業者さん向けの在庫管理をサポートするためのアプリの作成に挑戦しました。
完成したアプリの動作はこちら
1.アプリの開発について
最近ではどんなことをするのも、例えば保育園の入退園にもアプリが必要であったり、イオンでお得に買い物したい場合もアプリの登録でありと日常生活に欠かせないものとなっています。
アプリ開発が進んでいるにあたり、どんなツールがあるのか調べてみました。
ノーコード開発ツール
ノーコード開発ツールは、プログラミングの知識ない方でもアプリを開発できるツールです。テンプレートの活用やドラッグ&ドロップで作業を進められます。
しかし機能の拡張性には乏しく、多くの機能を搭載したアプリやシステム開発には向いていません。
ローコード開発ツール
最小限のソースコードでアプリやシステムを開発できるツールです。機能の拡張性や他システムとの連携性にも優れており、アプリ開発後も必要な機能を自由に追加可能です。しかしプログラミング言語やコーディングに関する知識が求められます。
*その他にもフルスクラッチ開発もありますが、こちらには高度なプログラミングスキルが必要とのことです。
ノーコードで開発できるアプリはちょっと調べただけでもかなりでてきました。
- kintone
- Platio
- CELF
- Shopify
- AppSuite
- Forguncy
- bubble
- Adalo
- Glide
今回はweb開発におすすめと言われているGlide
を使ってアプリを作成していきます。
Glide
はGoogleSheets
からわずか数分でWebアプリを作れる、プログラミング不要のアプリ開発ツールです。
アプリの開発ツールについてはこちらを参考にしました。
2.Glideで作成
①まずはGlide
にログイン
無料で使っているためアプリは1個しか公開できません。違うものを作る場合は一旦今作成したものを削除しなくてはいけないので注意が必要です。
②次にGoogle Sheets
を準備します。
無料だとfile
かGoogle Sheets
のどちらかしか選べません。また読み取り専用で、アプリの内容の変更分をGoogle Sheets
に反映させることはできないようです。
今回は調味料の業者さんの在庫管理をイメージして作成しました。
管理したい3店舗分をシート別に作成し、また売れ数の記録用紙として1シート分つくりました。(記録用紙はうまくイメージができず、未完成品としてイメージだけ残しています)
③完成したアプリがこちら
上記画面にユーザーを招待する(Invite users)という画面がありますが、今回は試作品なので登録しませんでした。3人までユーザーとして登録できるとのことです。
簡単な手順説明
Google Sheets
から読み取るだけで、アプリのベースは完成します。以下の画像はGoogle Sheets
を単に読みっとっただけでできた画面です。これでもすでにある程度使えるレベルにまでできあがっています。
あとは自分が使いやすいように画面上の右側にあるSTYLEやITEMS DATAを少し書き換えれば、アプリとしては完成します。
3.使い勝手についてのレビュー
同僚Aさん:売上がアプリ内に反映すれば使える!
アプリの使い勝手を同じ商品部で消化仕入れの商品を扱っている同僚Aさんに聞いてみて、課題をまとめました。
①全体の内容としてはこんな感じで十分。
②商品の自由に追加や削除ができるので、使い方が理解できていないと中身が壊される危険があるので、ある程度ロックをかけたほうが良い。
③掲載する商品のリストは業者さんごとに作成が必要になるので、それをどう対応するか。
③在庫管理するなら、現存の業者さん向けの在庫確認ツールである売上メールと連動してアプリ上の在庫に反映できたらかなり使えるものになる。
(参考:売上メールとは業者さんの登録したメールアドレスに1日3回、
その時間帯までの売上実績が自動配信されるメールのこと)
課題が見えてきました。
業者Bさん:情報が欲しい
たまたま会った業者Bさん(調味料業者)にも使い勝手についてきいてみました。業者Bさんの取扱商品は3つで担当店舗は8店舗、賞味期限も長いので比較的管理のしやすい状況にあります。
①在庫管理は自分のところで売上メールを活用して、記録簿につけているので今のところは不要。
②情報が配信されるような内容だと嬉しい(売上のトレンド・時間帯・購入した年齢層など)
⇒業者Bさんとしてはマーケティング情報を提供して欲しいという要望があるようです。
4.まとめ
バージョンアップした在庫管理ツールをつくりたい!
今回はGoogle Sheets
とGlide
のみで本当に簡単につくったアプリだったのでどちらかというと自分の管理用かなと思います。
業者さんに積極的に活用してもらうなら、情報提供が必須になってくると思いました。
今後、会社の情報をどこまで活用させてもらえるかが、アプリのバージョンアップの「鍵」に間違いなくなります。
たとえばアプリ内の登録商品が「実際の売上数量」とリンクできれば、業者さんは納品数量をアプリに入力するだけで、現在在庫がわかるのでよいなと思います。
またアプリは使い勝手がよく便利かと思っていましたが、アプリにこだわらず既存の売上メール自体のバージョンアップも視野に入れたほうが良いと思いました。
たとえば今は1日3回だが1日のみの実績なので、例えば毎日曜日に週間の累計数量を追加の情報として送る、会社の教えられる範囲のトレンドの情報を送るなどが考えられます。
社内システム担当者にも相談して、より踏み込んでいく必要性を感じています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。