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現代のエンジニアが生産性を向上させる最もコスパが良い方法、それはタイピングスキルを磨くことかもしれない

Last updated at Posted at 2018-10-18

あまりに当たり前過ぎて最近の優秀な若手エンジニアに伝えるのが気恥ずかしいのですが、タイピングスキルを磨くと色々良いことがあるよというポエムです。タイピングスキルを磨くことのメリットの紹介が主な内容で、具体的な学習方法についてはあまり触れません。

はじめに:タイピングスキルはいつ陳腐化するのか

本題に入る前に、タイピングというスキルがこの先どれぐらい長持ちするかを考えたいと思います。

キーボードの次のインターフェイス

Amazon EchoやGoogle Homeの一般家庭への普及などに伴い、**VUI(音声ユーザーインターフェイス)**という言葉を耳にする機会が増えました。1
更には、脳波でコンピューターを操作する **BCI(ブレインコンピューターインターフェイス)**という技術の研究も進んでいるようです。2
テクノロジーは目まぐるしく進化しているため、声や脳波でパソコンを操作して仕事する時代がいつかは訪れるかもしれません。3

私たちはいつまでキーボードを使って仕事をするのか

しかしながら、2018年現在、私の周りのほとんどのエンジニアは、キーボードをタイプしてパソコンを操作し仕事をしています。私が社会人になった約10年前もそうでしたし、初めてパソコンに触れた20年前も同様でした。
これから20年後にどうなっているかは分かりませんが、個人的な感覚として、向こう10年はキーボードが主流のままである可能性は高いように感じます。
ですので、キーボードを素早く正確にタイプする技術、すなわちタイピングスキルを磨くことは10年スパンで考えると決して損にならないはずです。

タイピングスキルを磨くメリット

ここから本題に入ります。

プログラミングに投下できる時間を増やせる

質の高いプログラムを書くためには、まとまった集中できる時間が必要です。ただ、多くの職業エンジニアは、プログラミング以外の業務にも時間を割かなければなりません。例えば、ミーティングの議事録作成や、顧客とのメールのやりとり、様々な報告書の作成などです。
タイピングスキルの向上による最大のメリットは、これらの業務を素早く終わらせて、プログラミングに投下できる時間を増やせるという点です。自己啓発書などを読んで仕事効率化の知識を身に付けることも大事ですが、タイピングスキルを上げる方が、より即効性があると思います。

プログラミングにおける「木炭」が手に入る

タイピングスキルの向上は、プログラミングという行為の質を高めることにも良い影響を与えると思います。タイピングが速い人が必ずしも質の高いプログラムを書けるという訳ではありませんが、ポール・グレアムの名著「ハッカーと画家」の第0章「メイド・イン・USA」には以下のような一節があります。

コードは、ピラミッドみたいに、慎重な計画をしてから苦労して組み立てていくものじゃない。一気に集中して素早く手を動かしながら、常に気を変えていく、木炭スケッチみたいなものだ。

シンプルで、手に馴染み、スケッチに適した道具として「木炭」が挙げられています。タイピングスキルを磨くことは、プログラミングにおける「木炭」を手に入れるための近道だと思います。

タイピングスキルを磨くことのコスパの良さ

人の記憶メカニズムは、陳述記憶非陳述記憶の二種類に分類できます。陳述記憶とはイメージや言語として内容を想起できるもので、プログラミング言語に関する知識などが該当します。
一方、非陳述記憶の代表として手続き記憶というものがあります。Wikipediaにはこのように書かれています。

手続き記憶は簡単には言葉で説明できないことが多く、意識しなくとも使うことができる。いわゆる『体が覚えている状態』である

陳述記憶はある程度時間が経つと復習しない限りは忘れてしまうのですが、手続き記憶は一度習得してしまえば滅多なことでは忘れないという特徴があります。自転車や水泳などが手続き記憶の例として挙げられることが多いですが、タイピングも手続き記憶に該当します。
つまり、タイピングは習得までにある程度の学習時間が必要なものの、一度習得すればずっと使えるということです。これは非常にコスパが良いです。

どれ位のタイピングスキルがあれば良いのか

以下の3点を満たしていれば十分だと思います。

  1. それなりに正確にタイプできる(誤字の頻度が低い)
  2. それなりのスピードでタイプできる
  3. キーボードを見ないでタイピングできる

「それなり」とぼかしているのは、絶対的な基準がある訳ではないからです。参考までに私自身を例にしますと、久しぶりにe-typingの腕試しレベルチェックを何回かやってみたところ、スコア300点台前半という結果でした。これぐらいのスコアで、職場でタイピングが速い方と言われる&会議の全発言を書き起こす類の議事録(いわゆる逐語録)について会議中に半分以上は書き起こせるといったレベル感になります。
個人的な感覚としては、200点台後半以上のスコアであれば業務で困ることは少ないのではないかと思います。

どうやってタイピングスキルを身に付ければ良いか

無料・有料を問わず世の中には沢山のタイピング教材がありますので、楽しんで続けられそうな教材を選ぶのが良いと思います。タイピングに苦手意識がある方は、ホームポジションを意識して短い単語からステップアップしていく教材を使うのが、遠回りに見えて実は近道になると思います。

それでは、良いエンジニアライフを!

  1. Alexaのページが分かりやすいです: 音声ユーザーインターフェース (VUI) とは _ Amazon Alexa _ アレクサ

  2. BCIが良く分かる良記事です: 【初級編; 2017年版】脳波で機械を操る!ブレインコンピュータインタフェース(BCI_BMI)って何? - Qiita

  3. パソコンに代わる何かが台頭している可能性もあります

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