React 19 では、従来の React 18 からさらに開発体験やパフォーマンス、サーバー連携の観点で大幅な改善が加えられ、新たな概念や API が導入されています。以下、主要な新機能と具体例を交えて解説します。
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1. Actions と新しいフック群
Actions の導入
従来は副作用の管理や状態更新に複数のフック(たとえば useState や useEffect など)を組み合わせて実装していた処理が、Actions 概念によりシンプルに統一されました。これにより、非同期関数を用いた状態更新の際、pending 状態やエラーハンドリング、さらには楽観的更新(optimistic update)などの処理を自動で管理できるようになりました。
例えば、フォーム送信時にサーバーへの更新処理を行いながら、ユーザーに即座に結果を反映する処理は、Actions 機能を活用することでコードがシンプルになります。
新しいフック群
React 19 では、以下のような新しいフックが追加され、より直感的かつ効率的に UI の状態管理が可能になりました。
-
useActionState
Actions に伴う状態(たとえば、処理中の pending 状態やエラー状態)を簡単に管理できるようになります。 -
useFormStatus
フォームコンポーネント内で状態を参照する際のプロップドリルを解消し、よりシンプルにフォームの状態管理が行えます。 -
useOptimistic
非同期更新時に「楽観的更新」を実現するためのフックです。ユーザーに対して即時フィードバックを提供しつつ、サーバー側で更新が失敗した場合は元の状態にロールバックする仕組みを、ワンライナーで実装できます。
以下はそのコード例です。import React, { useOptimistic } from 'react'; // 仮のサーバー更新関数 async function updateTitleOnServer(newTitle) { // サーバー更新処理(例:fetch API でリクエストを送信) const response = await fetch('/api/update-title', { method: 'POST', headers: { 'Content-Type': 'application/json' }, body: JSON.stringify({ title: newTitle }), }); if (!response.ok) { throw new Error('更新失敗'); } return newTitle; } function UpdateTitle({ initialTitle }) { // useOptimistic で楽観的状態と更新関数を取得 const [optimisticTitle, setOptimisticTitle] = useOptimistic(initialTitle); async function handleUpdate(e) { e.preventDefault(); const newTitle = e.target.elements.title.value; // 楽観的に UI を更新 setOptimisticTitle(newTitle); try { await updateTitleOnServer(newTitle); // 成功時はそのまま更新された状態を維持 } catch (error) { // エラー発生時は元の状態にロールバック setOptimisticTitle(initialTitle); } } return ( <form onSubmit={handleUpdate}> <input name="title" defaultValue={optimisticTitle} /> <button type="submit">更新</button> <p>現在のタイトル: {optimisticTitle}</p> </form> ); }
このように、useOptimistic を使えば、ユーザー操作直後に UI を更新し、非同期処理の結果に応じた処理(成功ならそのまま、失敗なら元に戻す)を簡潔に実装できます()。
2. Server Components と Server Actions
Server Components
React 19 では、クライアント側で全てのレンダリングを行うのではなく、一部コンポーネントをサーバー側でレンダリングする「Server Components」の仕組みが強化されました。これにより、初期ロード時間の短縮や SEO の向上、クライアントに渡す JavaScript コードの軽量化が実現できます。
例えば、以下のコードはサーバーコンポーネントとしてデータを取得し、その結果を表示する例です。
// Users.server.jsx
export default async function Users() {
const res = await fetch('https://api.example.com/users');
const users = await res.json();
return (
<div>
<h1>Users</h1>
{users.map(user => (
<div key={user.id}>
<h2>{user.name}</h2>
<p>{user.role}</p>
</div>
))}
</div>
);
}
Server Actions
さらに、クライアントコンポーネントから直接サーバー側の非同期関数を呼び出す「Server Actions」が導入されました。これにより、クライアントとサーバー間のデータ連携がシンプルになり、カスタム API を用意する手間が省けます。
たとえば、フォーム送信時にサーバーアクションを呼び出すことで、サーバー側でデータベース更新などの処理を直接実行できます()。
3. その他の改善点
-
改善されたハイドレーションとエラーレポート
クライアントとサーバーのレンダリングの整合性を高め、エラーメッセージもより詳細に出力されるようになりました。 -
ドキュメントメタデータの管理
タイトルや説明、メタタグなどの管理が内蔵 API により簡略化され、SEO 対策が容易になっています。 -
ref のプロップとしての利用
これまで特殊な扱いをしていた ref を通常のプロップとして渡せるようになり、コンポーネント設計が柔軟になりました。 -
その他の API 改善
useDeferredValue の初期値サポート、スタイルシートや非同期スクリプトの読み込みサポート、リソースプリロード API の導入など、パフォーマンス面で多くの最適化が施されています()。
まとめ
React 19 は、非同期処理の統合(Actions や新フック群)、サーバーとの連携(Server Components/Actions)、およびレンダリング・パフォーマンスの改善を通じて、より効率的で柔軟なアプリケーション開発を可能にします。これにより、ユーザー体験の向上や開発の簡素化が実現され、次世代のウェブ開発における基盤がさらに強固なものとなっています。