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「先輩、ちょっと何言っているか分からない…」初心者エンジニアが少し壁を乗り越えた話

Last updated at Posted at 2023-12-08

ご挨拶

この記事はリンクアンドモチベーション Advent Calendar 2023の9日目の記事です。

こんにちは、中島と申します。
23年新卒でストレッチクラウドの開発に携わっております。
現在では、単一機能に関するテスト設計や実施、バックエンドの実装、SQLでのデータ出し等々、横断的にタスクにあたって、とにかく経験を積んでいる最中です。

先輩方からいろんなタスクをいただき、多くの経験を積んでいく中で、とにかく躓いたのは

「先輩、ちょっと何言っているか分からない…」

コミュニケーションの問題でした。
これは先輩の言語化能力うんぬんの話ではなく、先輩との対話の中で

先輩が使う 「単語の意味」
自分が 「分からない部分」
先輩の 「言動の背景」

これら全てが分からないので、右も左も、何もかもが分からない状態になってしまいます。これではやりたいことも、やるべきことも、あったものではありません。真っ暗闇です。

本記事では、自分の経験をベースに、ちんぷんかんぷんな状態をそれぞれ分解していきます。そして、「これをやればいいんだ!」とすぐ動けるアクションもセットで書きます。自分と似た境遇の方や、そのような方をサポートされる方のお力になれればと思っています。

「単語の意味」の理解 ~共通言語を増やす🗣️~

会議にて議事録を取ろう!ということで、議事録を取ってみることになりました。
タイピング練習を終えて、その成果を発揮しようと意気込んでいましたが……

「先輩、ちょっと何言っているか分からない…」

先輩たちが発する言葉たちは、
「なんとなく分かるもの」
・がっちゃんこ(合体しそう)
・叩く(キーボードを叩いてそう)
・ボール投げる⚾️(相手に何かを渡しそう)
・えいや(勢い)

「まったく分からないもの」
・アジャイル?(ジャリジャリしてそう?)
・API?(アピ?)
・リポジトリ?(🦆?)
・デーモン?(なんか強そう😈)

ばかりでした。正直内容なんて全く入ってこないまま、会議中では"言われたことを書き連ねるbot"となり、発言なんて夢のまた夢でした。

エンジニアが使う言葉は、日常で使う言葉と「同じ名前のはずなのに全く意味が違う言葉」だったり、「英語やカタカナばかり」だったりで、うーん、ヨクワカラナイ… 
そういう日々が本当にしんどかったです。

そうした自分を見かねた先輩から

「piyopiyo🐣って知ってる?」 と。

また、「知らない単語が…」という感じでしたが、これは
「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
というもので、自分のようなエンジニアとして、学び始めの人が躓きやすい単語が網羅的に、分かりやすく解説されているものでした。

また、「不思議の国のSE用語」こちらのQiitaの記事も素敵でした。

こうしたインプットを継続するだけでなく、
勤務中に見聞きした知らない単語を調べて、毎日10個自分の言葉でまとめるアウトプット
を反復したり、先輩が使う単語を使うようになったりすると、「分かってきたな」と思える瞬間が多くなりました。

他にもITパスポートを取るなどして、下地を作りながら、「単語の意味を理解して、共通言語を増やすこと」 を継続して、先輩方の言葉が少しずつ理解できるようになってきました。

「分からない部分」の理解 ~言語化する✏️~

単語が少し分かってきて、自分の言葉を捻り出して、質問できるようになってきました。

僕の心の中
「先輩も忙しそうだから、質問は短めに済ませよう!」

僕
「先輩、一点だけ質問したいです。」
先輩
「あい、どうぞ。」
僕 
「このクエリが分からないです。」

しかし、そこでも躓きます。

先輩
「どこからどこまでが分かって、どこからが分からない?」
「どこからが"事実"で、どこからが"解釈"?」
僕
「ええっと、全部ちんぷんかんぷんです…」

こうして、先輩の時間は奪いたくないと思っていましたが、
自分が質問する段階になく、かえって先輩の時間を取ってしまいました。

そうした自分を見かねた先輩から

「質問するときに、フォーマット使ってる?」 と。

自分の考えを整理するのに、型を使うのは非常に有効でした。


【現状分かっているところ】

  • 自分で書いたクエリの内容

【分からないところ】

  • 事実
    • ChatGPTで出力されたコードが理解できなかったこと
    • それがエラーで動作しなかったこと
  • 解釈
    • コードのテーブル名やカラム名が違うから動作しないと思った

先輩とのやりとりが一回で完結する質問なら
「この型を使うまでもない!」としても良いのですが、先輩も忙しいですよね。
少し時間が空いた先輩に向けて、一気に貯めた質問をここぞとばかりに、

僕 
「先輩!質問は3点あります!画面共有しますね… 
このコードがおかしいと思ったので、調べてこうやって書きました。
それは途中で間違っていると気づいたので、今こうして修正してます。
次はこうなると思うので、そこを書きます!
あ、先輩にはここをお伝えしていませんでしたね……
そこはさっき別の先輩に聞いて……」

まさにカオスです。
こうしたちんぷんかんぷんなやり取りをしないよう、自分は、フレームワークや型を使って、先輩に質問する前に整理し、「事実と解釈を分けて書き、"ここが分かれば、進められますポイント"」 を設けることにしました。すると、今までよりも早く、かつ、理解しながらタスクに取り組めるようになりました。さらには、「あれ、こうやって解決すればいいじゃん!」と自己解決することも増えました。

また、この枠を使わずとも、

メンバー
「どの観点でまとめて質問したら、先輩はお答えしやすいですか?」

上長A
「事実と解釈を分けてくれればそれでいいよ」
上長B
「3点までに絞って、それぞれぶつかった壁に対して、自分の仮説を立ててから質問してきてね」

など、コミュニケーションを取りやすい枠を作るところから始めるのも良さそうです。

大事なことは「相手との基準のすり合わせ」で、相手の期待値を握ることだと思います。
その上で、自分は「分かっていることと分からないことに分けること」・「事実と解釈を分けて書いてみること」が重要だと理解し、実践することで、先輩とのやり取りがスムーズになってきました。

「言動の背景」を理解する 〜憑依する👻〜

単語が分かって、言語化も少しずつできるようになってきても、先輩方がやっていることのほとんどは、はじめのうちは理解できないことだらけです。

「先輩の言動の意図が分からないけど、正直、どれも正解に見える…」「全部理解しないと…」ということもよくあると思います。でも、自分の中に判断の軸がないので、右も左も上も下も分からないというのが本音です…

そうした自分を見かねた先輩から

「先輩に憑依してる?👻」
「形からでもいいから、とにかく真似してる?」 と。

この発言の意図も分かっていなかったので、先輩に詳しい説明をお願いいたしました。

先輩
「先輩の言動の背景を理解しようすることをやめていいということではない。
大前提、先輩の言動の背景を理解しようと努めることは必要。
でも、必ずしも、先輩の言動の背景を理解し切る必要はなく、
とにかく先輩の言動を真似していくことで、理解できるようになってくる」

ということだそうです。「とにかく先輩の言動を真似していくことで、理解できるようになってくる」とこの話を聞いた自分は早速、会議にて「憑依する」意識で議事録を取っていました。

ケース1. とある会議体にて

A先輩
「この課題、どうしていきましょうか」

B先輩
「それって解決するべき課題なんでしたっけ?」

僕の心の中
「確かに…!今の質問めちゃくちゃいいな…でも、どうしてその質問がパッと出てくるんだろう……」
会議後
僕
「どうしてあんなにスパッと必要な時に、必要な質問ができるんですか?」

B先輩
「自分もまだまだよ。
ただ、とりあえず良い質問があったら、そのフレーズを真似してしてたなあ。
然るべきタイミングで言えるように反復練習すればいいのよ。
最初は間違えるだろうけど、そのうち状況が掴めてくるから」 

僕
「ありがとうございます!!」

先輩がこの質問を投げる適切なタイミングを理解することはできませんでしたが、フレーズだけなら誰でも真似できます。

ケース2. とあるインシデントの会議にて

C先輩
「今朝こんなインシデントが起きています。(インシデントの説明)
私は現場とも連携しなきゃいけないから、この対応お願いしたい。」

D先輩
「どうやるかは分からないけど、やります。」

僕の心の中
「え!?どうやるか分からないのに、やるの…?
僕だったらやれる見込みがないとやりますって言えないな…凄い…」
会議後
僕
「やれるか分からないのに、やりますってどういうことですか?」

D先輩
「あれは、俺がやらなきゃいけないでしょ。
最初から原因が分かる人なんていないから、とりあえずやってみるのよ。
その時にやりますって宣言したら、後はやるしかなくなるでしょ。」

D先輩の言動の背景や、自信の裏に何があるのか分からなかったです。ただ、「やります」という言葉はパワーがあって、周囲の人が安心し、自分のモチベーションも高める効果があるようでした。

この経験から、自分も「やります」と言う回数を増やすようになりました。
この言葉を使っていて思ったのは、

  • 「言うからにはちゃんとやらないとな」
    => 自分に適度な緊張状態を作れる(人によるとは思います)
  • 「自分には難しい挑戦だったかもしれないけど、今までなら絶対やっていなかったな」
    => 挑戦・成長機会を創出できる

自分の使う言葉によって意識も変わるので、先輩に憑依して、言動を形からでも真似して理解のきっかけを作ることが重要だと気づくことができました。

少し壁を乗り越えて、振り返って気づいた学び

先輩が使う 「単語の意味」 
自分が 「分からない部分」
先輩の 「言動の背景」

これらを少しずつ分かるようになってきて、エンジニアとして、ビジネスマンとして、少しレベルアップできたと思いました。

僕の心の中
「これから、さらに基準を高めていくためどうしていこう…?」

自分が少しずつステップアップできたタイミングを振り返って気づいたのは、
先輩との信頼関係を築くことが最も重要ではないか?」ということでした。

僕の心の中
「先輩と信頼関係を築いて、もっと期待をしてほしいし、もっと期待に応えたい!
まずは、ちゃんと意思疎通を図ろう!」

先輩との信頼関係を築くためには、まずはコミュニケーションの量と質を高めることが必要だと思いました。そして、その前提として、「先輩、ちょっと何言っているか分からない…」を解消する必要があると思います。この前提を少しずつ解決していき、

  • 先輩の期待を引き出し、約束したことは徹底して、仕事で成果を出す
  • 自己開示したり、先輩に興味を持って知りにいったりする

こうした行動を取り続けて、先輩との信頼関係を築くために日々精進することが、自分のためにも、組織のためにもなることだと思います。

まだ始まったばかりのエンジニア生活ですが、これからも前のめりに仕事に取り組んで、楽しんでいきます!!ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!

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