はじめに

我が家のテレビ(Regza)録画用のHDDが突然認識しなくなり、復旧方法をネットで探したところ、32bit Ubuntuで動作するユティリティソフトがあることが分かり、急遽、32bit版 Ubuntu 12.10 をインストールことにした。
しかし、10年以上も前の古いOSのため、インストールしただけではすんなりとは行かず、つまずきポイントがあったので、今後のために残しておく。
インストールイメージ
下記サイトから ubuntu-ja-12.10-desktop-i386.iso
をダウンロードした。
Wikipediaによると、12.10のリリースは 2012年4月23日。上記サイトの日付も2012年10月27日と相当古い。
インストールPC
- PC : MacBook Pro (13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 ports)
- OS : macOS Monterey version 12.6.0 (21G115)
- 仮想化 : Parallels Desktop 19 for Mac version 19.0.0 (54570)
Parallels Desktopで『新規』→『手動』を選択すると、ダウンロードフォルダにあるisoイメージを見つけて、提案してくれるため簡単。

Ubuntuインストール
インストールは至って簡単で、下記ダイアログに対して、ユーザ名とパスワード(rootパスワードと兼用)を指定するだけで、あとは、Parallels Desktopがよしなにやってくれる。

ものの数分でインストールは終わる。
インストールしたubuntn情報
~$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 12.10
Release: 12.10
Codename: quantal
~$ uname -a
Linux ubuntu 3.5.0-17-generic #28-Ubuntu SMP Tue Oct 9 19:32:08 UTC 2012 1686 1686 i686 GNU/Linux
つまづきポイント
インストールまでは、何も問題なくすんなり進んだが、その先でいくつかつまづいた。
1. ログインできない
前項で指定したパスワードに使った文字が関係していたのだが、結局は、初期状態では、USキーボード
になっているという点である。
パスワードに_
アンダーラインを指定していたのだが、ログイン時に何度入力してもInvalid password
となって、ログインできない。仕方なく、Guestでログインして、ターミナルでコマンドを打っているときに、USキーボードになっていることに気付き、無事にログインできた。
- JPキーボードの
=
が USキーボードの_
キー位置 - Guestユーザだと、suやsudoが打てず何もできない
ログイン後、System Settings
→Keyboard Layout
でJapanese
を選択して、以降は、JPキーボードで普通に打てるようになった。
2. aptコマンドが無い、apt-getも機能しない
テレビ録画用のHDDはXFSファイルシステムのため、xfsprogs
をインストールするのだが、上手くいかない。
~$ sudo apt install xfsprogs
sudo: apt: command not found
これは、apt-get
で代用できるため、特に問題ない。しかし、上手くいかない。
~$ sudo apt-get install xfsprogs
Reading package lists... Done Building dependency tree
Reading state information... Done
E: Unable to locate package xfsprogs
sudo apt-get update
も上手く機能しない。色々調べると、サポートが終了している古いOSのため、パッケージのファイルの置き場が変わっているとのこと。↓こちらのサイトの指示に従い、以下のコマンドを叩いて対応。
cd /etc/apt
sudo cp sources.list sources.list_orig
sudo sed -i -e 's|//.*ubuntu.com/|//old-releases.ubuntu.com/|' /etc/apt/sources.list
sudo apt-get update
無事、xfsprogs
がインストールできた。
3. firefoxが開かない
firefoxのアイコンをクリックしても、下記エラーとなり起動しない。
“Firefox is already running but is not responding”
これは、下記サイトの指示に従い、.parentlock
ファイルを削除して対応した。
cd ~/.mozilla/firefox
ls -a
cd xxxxx.default #上記lsで確認したディレクトリ名
rm .parentlock
firefoxは開くようになったのだが、ほとんどのサイトは下記のエラーとなり開くことができない。

古いOSのため、新しいSSLやTSLのプロトコルに対応できていないのでないかと想定するが、冒頭で説明したユティリティソフト
は幸いにも問題なくダウンロードできたため、このエラーは未対処のままである。
http://
のサイトは見ることができる。一部のhttps://
のサイトも見ることはできるが、開けないサイトの方が圧倒的に多い。
firefoxのconfigを確認すると、ssl3
関係が全く無い。

firefoxのバージョンは29.0
。

執筆時点の最新は117.0.1
、2023年9月12日リリース。
この古いfirefoxで、最新のWebサイトを見る方法をご存知の方は、是非教えてください。
まとめ
(古い)32bit Ubuntu 12.10 をインストールして使うには、
- デフォルトはUSキーボード。JPキーボードをつなげている場合にキー位置が違う
-
apt
は無いからapt-get
を使う。ただし、リモートのリポジトリURLが変更になっている - firefoxが古いため、セキュリティが厳しい(?)サイトは開けない
以上で、HDDのリカバリーとHDDコピーを順調に行うことができた。
UUID新規割当(追加)
sudo xfs_admin -U `uuidgen` /dev/sdb1
XFSフォーマッティング(2023.10.4追加)
sudo mkfs.xfs -f /dev/sdb1