はじめに

Excel（VBA）が動作するプラットフォーム（OS）として、大きく WindowsとMacの 2つがあります。
また、Windowsの中でも、32ビット版と64ビット版のExcelが選べます。

WindowsとMacでは、OS依存のAPIはまったく異なりますし、パスの区切り文字も異なります。

Windows バックスラッシュ\（円マーク）
Mac スラッシュ/

動作システムのパスの区切り文字は、プラットフォーム（OS）を判定せずとも、
Application.PathSeparatorで取得できます。

しかし、プラットフォーム（OS）の判定が必要になるだろう、次のような場面が想定されます。

現在実行しているプラットフォームを判定して、使用するAPIを切り分ける
（32ビット版と64ビット版、WindowsとMac、など）
前提にしているプラットフォーム以外の環境で動作させれた場合に、エラーメッセージを表示する（Sorry for this platform not supported）
etc

そのような場合の、プラットフォーム（OS）の判定方法をまとめます。

`#If`文による処理の切り分け

Excel VBA にも #If文が用意されています。

Mac / Win16 / Win32 / Win64 を判定できます。
（コンパイル時の条件らしいが、本当ですかね？）

64ビット版でも"Win32"の定数が定義されているため、
Win64 → Win32 → Win16 の順に判定する必要がある。

Sub Test01()
#If Mac Then
    Debug.Print "Mac"
#ElseIf Win64 Then
    Debug.Print "Win64"
#ElseIf Win32 Then
    Debug.Print "Win32"
#ElseIf Win16 Then
    Debug.Print "Win16"
#Else
    Debug.Print "unknown"
#End If
End Sub

VBAのバージョン（ VBA6 / VBA7 ）も判定できます。

VB7版でも"VB6"の定数が定義されているため、VB7 → VB6 の順に判定する必要がある。

Sub Test03()
#If VBA7 Then
    Debug.Print "VBA7"
#ElseIf VBA6 Then
    Debug.Print "VBA6"
#End If
End Sub

`Application.OperatingSystem`による判定

OSのシステム情報のような内容が取得できます。
"Windows"、"Mac"の文字列を含むようなので、実行時にOSの判定に使えます。

Sub Test02()
    If Application.OperatingSystem Like "*Win*" Then
        'for Windows
    ElseIf Application.OperatingSystem Like "*Mac*" Then
        'for Mac
    Else
        'unknown
    End If
End Sub

取得例

実際に取得した結果は、以下のとおりです。

Windows 11 Pro 23H2 OSビルド 22631.3880
Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO (バージョン 2406 ビルド 16.0.17726.20078) 64ビット

以下の打ち消し線の文章は、判定する順番に誤りがあったためです。
#Ifは安心して使えます。（訂正してお詫びいたします）

~~64ビットOSで、Excelも64ビット版ですが、なぜか"Win32"と判定されました。互換性のためでしょうか?~~

~~VB6 / VB7 の判定を追加して再度実行すると、結果が先ほどとは違って、"Win64"になりました??（えっ!）~~
~~"Win64"なら"VB7"になるはずですが、#If怪しすぎです!!!~~

~~（#IfよりApplication.OperatingSystemの方が信用できそう?）~~

　
Windows10の32ビット版が周りに無いので、WindowsOSの32ビット版と64ビット版をApplication.OperatingSystemで判定できるのか、確かめられません。

M1 Mac Sonoma バージョン14.5（23F79）
Microsoft® Excel for Mac バージョン 16.86（24060916)

~~↑スクショにありませんが、このMacでも"VB6"となりました。~~

判定する順番を正したところ、"VB7"となりました。
　

Intel Mac Monterey 12.6（21G115）

ARM / Intel を判別できます。
Windowsでも将来 ARM / Intel を判別できるようになるのでしょうかね。

公式情報

↑ 公式サイトに VB7とVB6の両方で動作させるコードの書き方として、次のコードが紹介されています。

"Win64"は、OSではく、Officeの64ビット判定と書いてあります。
ですが、Declare文の64ビット対応は"VBA7"で判定していますね・・・

#if Vba7 then 
'  Code is running in the new VBA7 editor 
     #if Win64 then 
     '  Code is running in 64-bit version of Microsoft Office 
     #else 
     '  Code is running in 32-bit version of Microsoft Office 
     #end if 
#else 
' Code is running in VBA version 6 or earlier 
#end if 
 
#If Vba7 Then 
Declare PtrSafe Sub...
#Else 
Declare Sub...
#EndIf

以上