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[D言語] writef の書式指定子について

Last updated at Posted at 2015-07-29

D言語のwritefprintfとは少し違う

D言語のwritefは、C言語のprintfと同じもので
書式指定子は全く同じと思っていたのですが、
違うところがあるようなので、簡単に調べてみました。

書式指定子についての説明は、writefが内部的に
呼び出しているformattedWriteドキュメント
に書いてあります。内容をざっくりと要約すると

  • 基本はprintfの書式指定子を踏襲
  • %sは文字列ではなく型のプレースホルダ
  • %(%)で囲むと、配列の要素を順に表示できる

%sは文字列ではなく型のプレースホルダ

迷ったら、とりあえず%sにしておけばOK!
型に合わせて、適切に処理してくれます。
ユーザー定義型の場合、toString()メソッドが呼ばれます。

D
struct Hoge { string toString() { return "hoge"; } }

void main()
{
    import std.stdio, std.math;

    int    n = 123;
    real   r = PI;
    string s = "hello";
    Hoge   h;
    writef("%s, %s(%.11s), %s, %s", n, r, r, s, h);
}
Output
123, 3.14159(3.1415926536), hello, hoge

%(%)で囲むと、配列の要素を順に表示できる

%(%)の間に配列を指定すると、全ての要素を順に表示してくれます。

D
void main()
{
    import std.stdio;

    int[] arr = [0, 1, 2, 3, 4];
    writef("%s",      arr);
    writef("%(%s %)", arr);
}
Output
[0, 1, 2, 3, 4]
0 1 2 3 4

要素%s%)との間の内容は、暗黙的に__区切り文字__として扱われます。
上の例では、半角スペースが区切り文字です。
区切り文字は、__要素間にのみ挿入__され、末尾要素の後ろには挿入されません。

D
    writef("%(%s, %)", arr);
Output
0, 1, 2, 3, 4

区切り文字は, (カンマと半角スペース)で、
「4」の後ろには挿入されていません。

文字や文字列の配列を表示する場合、'"が表示されますが、__%-(でエスケープ__できます。

D
    char[]   cs = ['a', 'b', 'c', 'd'];
    string[] ss = ["hoge", "fuga", "piyo"];
    writefln("%s / %s",             cs, ss);
    writefln("%(%s,%) / %(%s,%)",   cs, ss);
    writefln("%-(%s,%) / %-(%s,%)", cs, ss);
Output
abcd / ["hoge", "fuga", "piyo"]
'a','b','c','d' / "hoge","fuga","piyo"
a,b,c,d / hoge,fuga,piyo

更に、__多次元配列(ネストした配列)を表示することも可能__です。

D
    int[][] mat = [[0, 1], [2, 3], [4, 5]];
    writef("%(%(%s %)\n%)", mat);    
}
Output
0 1
2 3
4 5

内側の配列(int[] )の区切り文字が半角スペースで、
外側の配列(int[][])の区切り文字が\n(改行)です。
非常に便利です!

ですが、区切り文字をカスタマイズしたい時があります。
例えば、括弧、スペース、改行で、いい感じにインデントを揃えたい時に

D
    writef("(%([%(%s %)]\n %))", mat);
Output
([0 1]
 [2 3]
 [4 5)

いい感じなのですが、末尾の]が抜けました。
これは、]が暗黙的な区切り文字に含まれていたために、
末尾要素の後ろに挿入されなかったためです。

こんな場合に、__明示的に区切り文字を指定__できる%|(※Lではなく縦線)があります。
__%|【区切り文字】__のように使用します。

D
    writef("(%([%(%s %)]%|\n %))", mat);
Output
([0 1]
 [2 3]
 [4 5])

上の例では、区切り文字を明示的に\n (改行と半角スペース)としたことで、
]を区切り文字から除外でき、意図した通り表示されました。

その他

その他にもbool型などは、%sだとtrue/falseで表示され、%bだと1/0で表示されるなど、
細かくは色々あると思うのですが、詳しくは元のドキュメントに当たってください。

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