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【NN就活ナビ作成日記】クアドラティックボーティング(Quadratic Voting)の実践

Last updated at Posted at 2023-11-02

<要約>

クアドラティックボーティングという新しい投票方法を試してみた
36人にご協力いただき、コンテンツ19個の人気投票を行った
既存の方法(例:1人1票)よりもグラデーションのある結果が得られたと感じた

0. はじめに

農業農村工学(以下、NN)は、食料生産や防災、建設土木など、様々な分野で社会に貢献している学問である。しかし、現状NN分野に特化した就職サイトは存在せず、学生が「学んだことを活かしたい」と思ったとしても、
①指導教員に相談する、研究室の伝手を使う
②既存の就職活動支援サイト(マイナビ、リクナビ等)に登録する
という方法を取る必要がある。

0.1 既存の就活のデメリット

「そういう考えの人もいるかも(事情もあるかも)ね~」程度ですが、以下のデメリットが挙げられます。

  • 指導教員に気を使う
  • 就職してから、「何かあれば先生や後輩に迷惑をかけるかもしれない」と不安に思う
  • 大学で学んだNN分野に興味はあるが、指導教員との折り合いが悪い
  • 気軽に就職活動をしたい
  • マイナビ、リクナビの登録企業の中でNN分野はごく少数であり、探すのに苦労する
  • 既存のサイトの登録料は高価であるため、登録していない企業も存在する

「NN分野に興味はあるが、情報収集をするのが面倒」
「大学の勉強のモチベーションが上がらない(仕事にどう活きるか想像できない)」
といった学生のニーズがあるのではないか?

0.2 NN特化型就職活動支援サイトの構想

今よりも学生にとって気軽に、企業・官公庁にとって安価に、そして確実に
就職活動を支援するサイトを作成したい

NN就活ナビ(仮称)

目指すは「三方良し」
学生:より気軽に
企業・官公庁:より安価に
サイト運営(大学院生・社会人):NN業界の振興、人手不足解消

既存の大手就活サイトへの掲載料は1社100万円単位(知らんけど)
NN就活ナビでは、小規模な分、1社あたりの掲載料を安くできる
予定支出項目:

  • サーバー維持費
  • 外部講師への執筆依頼料
  • 合同説明会の開催

夢が広がりんぐ(実現できるかは知らん)

優秀な学生にNN分野に来てほしい

旧民主党政権時代の公共政策控えの結果、NN業界の人口比率はめちゃくちゃです
「建設業界の予算、70%カット」ってどういうことやねん
100%が70%に減った(30%カット)ではなく、100%が30%に減った(やばい)
建設業界ではリストラや新卒採用控え、内部留保金で対応したらしい
→対応できずに倒産した企業もある

埋蔵金なんて無かったんや
事業仕分けなんてただのパフォーマンスや
「自民党にお灸をすえる」って考えで民主党に投票したんですか?
私は当時小学生でしたが、メディアの煽りがひどかったことは覚えています
リーマンショックも東日本大震災も、それ自体起こってしまったことは仕方がないけれど
対応があまりにもお粗末でした

このままだと10~20年後、人手不足で死んでしまいます(私が)

興味を持ってくれるだけでもありがたい(切実)

興味を持ってくれた学生を取りこぼさないようにしたい
しっかり情報収集して、自分の将来を考えた結果「やっぱりNN以外に就職しよう」となったら、それはそれで良し
まず知ってもらいたい、興味を持ってもらいたい

1. クアドラティックボーティングの概要

クアドラティックボーティング(Quadratic voting)は、以下のルールに基づく投票方法です。
quadratic: 2次の(平方の)
voting: 投票(vote: 投票する)

ルール1. 投票者が持つポイントは1人当たり99 pt

ルール2. 票を投じるごとに「平方倍のpt数」を消費する

例:
1票 1×1 = 1 pt
2票 2×2 = 4 pt

9票 9×9 = 81 pt

ルール3. 1人の候補者に投票できるのは1回まで

最大でも1人の候補者に9票しか投票できず、18 pt余る
ポイントを使い切りたければ、複数の候補者に投票する必要がある
※複数の候補者への投票を推奨する

2. やってみた

2.1 対象:NN分野の学生および若手社会人

学生の所属大学

東京大学、滋賀県立大学、京都大学、大阪公立大学、近畿大学、鳥取大学

社会人の属性

友人、知人、会社の同期、農業農村工学サマーセミナー関係者

2.2 投票先:NN就活ナビ(仮)のコンテンツ

19個
「こんなコンテンツがあったらいいな~」
「学生の時にあればよかったな~」
と思ったものをつらつらと羅列しました
詳細は「3. 結果」で

2.3 利用したサイト

手順

  1. Create an event
  2. EVENT TITLEを入力
  3. EVENT DESCRIPTIONを入力
  4. NUMBER OF VOTERSを入力(最大250名)
  5. VOTE CREDITS PER VOTERを入力(今回はデフォルトの99pt)
  6. EVENT START DATEを入力
  7. EVENT END DATEを入力
  8. Options(投票候補)を入力(OPTION TITLE, OPTION DESCRIPTION, OPTION LINK)→Add Optionを押す
  9. 全ての投票候補を作成(最低2つの候補を作成する必要がある)
  10. イベントを新規登録する
  11. 「イベントURL」「管理者URL」「投票URL」をメモ(投票URLは有権者一人ずつに生成されるので、テキストファイル(.txt)でダウンロードすると便利)

2.4 依頼用文章

お疲れ様です。○○と申します。

クアドラティックボーティング(直訳:「二次の」「投票」)へのご協力をお願いしたく、
ご連絡いたしました。

(以下、説明)
クアドラティックボーティング(Quadratic voting)は、「1人1票」ではなく
以下のルールを持った投票方法です。

  1. 投票者が持つポイントは1人当たり99 pt

  2. 票を投じるごとに「平方倍のpt数」を消費する
    例:
    1票 1×1 = 1 pt
    2票 2×2 = 4 pt

    9票 9×9 = 81 pt

  3. 1人の候補者に投票できるのは1回まで
    (最大でも1人の候補者に9票しか投票できず、18 pt余る)
    (ポイントを使い切りたければ、複数の候補者に投票する必要がある)
    ※複数の候補者への投票を推奨する

投票用URL(投票締め切り:2023年10月31日23:30)
「ここに投票URL(個人ごと)を入力」

操作説明

  1. ブラウザで投票用URLを開く。
  2. 興味を持ったコンテンツに、「+」(黒色のプラスボタン)を押して投票する。
  3. 自分の総ポイント(ブラウザの右側に表示)が0になるまで投票する。
  4. 「Submit Votes」を押して投票完了。
    (説明終わり)

ご協力いただける場合、上記のURLから投票をお願いします。
また、「自分の知り合いに協力してもらえそうな人(NN関係者)がいる」という場合、
その人数を教えていただけますでしょうか。人数分の投票用URLをお送りいたします。

お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

参考資料
https://www.kotobato.jp/articles/technology/try-quadratic-voting-via-radicalxchange.html

3. 結果

3.1 回答数:36人

3.2 投票結果グラフ

image.png

3.3 投票結果表

image.png

コンテンツ名 内容・目的 得票数
三力の解説記事 NN分野の必修科目解説 104
今後のNN業界の展望 NN業界の将来性 86
NN業界分析 就活に必須とされる業界分析 85
仕事に役立つNN必修科目 勉強のモチベ維持 69
公務員試験対策 NN分野の公務員試験対策 68
面接対策 人事部にインタビュー 68
プレゼンのコツ 大人になっても必要な知識 59
NN学会&学生座談会 学会の人と話してみたい 51
NN特化型自己分析テスト いくつかの質問→適職診断 46
学生のうちにやっておいた方が良いこと 個人的には旅行 43
文章のコツ 大人になっても必要な知識 43
自己分析 就活の定番 40
大学院入試対策 NN科目解説 36
ES対策 就活の定番 34
SPI3対策 就活の定番 30
学生掲示板 悩みを相談できる場所 25
ビジネス用語解説 大人になって必要な知識 23
BUZZ MAFFとコラボ 伝手など無いがこれから作る 23
ビジネスマナー講座 大人になって必要な知識 22

3.3 回答してくれた人の感想(抜粋)

  • 知らない投票方法だったので楽しかった
  • ポイントを使い切るという概念が、関西人魂をくすぐる
  • 新しい仕組みで新鮮、面白い

4. 考察

4.1 上位コンテンツ(必修科目解説、今後のNN業界の展望、NN業界分析)

4.1.1 必修科目(水理学、土質力学、構造力学)の解説記事

難しいんですわ~
入門レベルと大学レベルの間を埋める教材が少ないんですわ~
ということで宣伝します(唐突)

4.1.2 今後のNN業界の展望

私も知りたい

主な課題:労働人口の減少、施設の老朽化、市場規模の縮小、残業時間、男女格差
解決策の提案:ICTの活用、DX化、ストックマネジメント、広報活動、働き方改革

どの業界でも同じだけど、就職氷河期世代の人口が少ない(中堅がいない)
現在50~70歳のベテラン世代が引退すると、確実に人手不足に陥る
引退前にベテラン世代のノウハウを若手に受け継がないと詰む

「昔は手書きで図面を書いたんじゃよ」→CADの利用
「昔は助手席で地図を開いて案内したんじゃ」→カーナビ、Google Mapsの利用
 (今も紙の地図は使う、大事)
昔ながらの技術を継承しつつ、新しいデジタル技術を使いこなそう

4.1.3 NN業界分析

正直自分は就活当時あまりやってなかった
「NN業界で働きたい」って思えたらそれで十分だと思うけど、そう思えるための根拠を提示したい

4.2 学生向けコンテンツ

目標:NN分野の学習サポート、お悩み相談、就職活動のサポート

4.3 社会人向けコンテンツ

目標:ビジネスパーソンとして必要な知識を提示する

5. 今後の展望

5.1 反省点

  • 投票をお願いする文章が怪しすぎる(反省)、呪いのチェーンメールかよ…
  • 説明が難しい:投票用URLそれぞれに対して1人分の投票システムが割り当てられている

5.2 提案

  • 依頼用文章(投票用URLは後程お送りいたします)&投票用URL、の組み合わせで依頼する

6. おわりに

楽しかった
NN必修科目の解説記事の需要が高いことが分かり、執筆のモチベーションが上がった

謝辞

今回ご協力いただいた皆様に、深く御礼申し上げます。
ありがとうございます。

7. 参考文献

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