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粒子法MPSにおける圧力振動の発生と影響半径の設定について

Last updated at Posted at 2017-06-15

背景

  • 粒子法では圧力の解が振動(圧力振動)するような数値誤差が存在する.
  • 圧力振動の発生によってシミュレーション品質が損なわれる.

適切な影響半径の設定について

以下の図は静水槽の底面における圧力振動を比較したものである.それぞれ,粒子径をd[m]とした時,緑が理論値,オレンジが影響半径reを4.1d[m],青が2.1d[m]としたときのものである.図からわかる通り,影響半径が大きい方(オレンジのre=4.1)が圧力振動が少ないことが分かる.これは圧力の解が1STEP毎に影響半径の範囲内で各粒子に伝播するためである.ゆえに,小さい影響半径では伝搬の次数が増え圧力振動が増大した.また,青の影響半径re=2.1は途中で計算が破綻しているためグラフは途中で切れている.
image.png
図. 圧力振動の比較

しかし,影響半径を大きくした場合,計算コストが増大するのは自明(影響半径内の粒子が増える)であり,シミュレーション系に応じた適切なパラメータ選択が必要である.例えば,静水槽では影響半径は4.1,水柱崩壊では影響半径は2.1ぐらいが推奨されるだろう.
表. 影響半径と圧力振動
image.png

結論

  • 圧力振動の発生と計算時間の速さはトレードオフの関係にあり,シミュレーションユーザはシミュレーション系に応じた適切なパラメータ設定が求められる.
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