#『WELQ(ウェルク)』問題から1年
こんにちは!子どもとおでかけ情報サイト『いこーよ』のディレクターをしているnagamuです。
さてさて、2016年12月、後の世に言う『WELQ(ウェルク))事件』からはや1年が経ちました。当時は、『炎上する前にひっそりとクローズしてしまえー』というキュレーションサイトも続出しました。『やばいから全記事の品質チェックをー!』というキュレーションサイトも数知れず。。。
キュレーションサイト自体のあり方について問われていたと感じています。
このまま、キュレーションサイト冬の時代に突入かと思っていたのですが・・・、2017年12月現在、まだまだ『●●選』の記事は相変わらずSEOが強いのが現実。というよりは以前よりもより検索にヒットするようになっているようにも感じます。
結局2017年のSEOは、去年と比べて何が変わったんだろう。
ということで、自分自身が今年1年で、感じてきた事をまとめてみました。
※すべて個人的な感想です。細かな部分は気にしないでください。
#今年のGoogle検索のアップデートまとめ
まずは今年の振り返り。Googleからの検索アルゴリズムについての発表は、例年以上に『検索品質の改善』に関わる内容が多かったように感じました。大きな発表は3回ですね(たぶん)。
今回の変更は、日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策を意図しています。このような改善が、有用で信頼できるコンテンツをユーザーに提供する皆さんを、正当に評価するウェブのエコシステム作りの助けとなることを期待しています。
→当時は、『ウェルクアップデート』か!?と話題になりました。
4月
Google 検索における最新の品質向上について
毎日毎分、大量のページがインターネット上に出現するようになった今日、検索エンジンを出し抜こうとする新たな手法も登場しました。この中でも、もっとも顕著なものの一つが、明らかに誤解を招く内容や、低品質かつ攻撃的なコンテンツ等によって、悪意のある情報を広める「フェイクニュース(偽ニュース)」です。
→『フェイクニュース!』で話題になったトランプ大統領もなんだかんだで、大統領やってますね。
この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響します。Google では、医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行きます。
→ちょうど『ウェルク』事件から1年のタイミングで、医療の検索結果改善を出してくる所がまたニクイですね!
+
10月
より良質のコンテンツをユーザーに
→**『コンテンツ作りは愛』**。今年は話題になりましたね。
2017年のGoogle検索のアップデートは、とにかく『コンテンツの品質』を向上させる。というテーマに徹しています。
ということで、『コンテンツの品質』とはなんぞや? ということを、考えようと思いましたが、それはいろんな方がまとめていらっしゃるので、まったく触れません。
それこそ、ググったらたくさん出てくるので・・・。
ということで、今年のGoogle検索の傾向を完全に主観で考えてみました。
ほんの少しでも、参考になれば幸いです。
##ユーザーは『探したい』んじゃなくて『提案されたい』。だって面倒だもの
『クックパッド』よりも『クラシル』
『食べログ』よりも『favy』
『じゃらん』よりも『RETRIP』
膨大な情報の中から、自分の欲しい情報を検索するよりも、**レコメンドされた情報を知りたい。**そんなニーズが今年は顕著に目立った気がします。そのニーズは、Google検索にも明らかに出ています。
例えば、『五反田 ランチ』
上位5つのうち、4つが『まとめ記事』です。よくみる『●●選』のタイトルが目立ちます。
続きまして・・・例えば、『北海道 観光』
『●●選』目立ちます。
五反田のランチであれば、多少不味くてもいいんですが、北海道観光だと遠出になるので、『絶対に外せない』という気持ちはよく分かります。こういったユーザーの素直な気持ちを汲み取ったコンテンツがいいんでしょうね。
少し前までであれば、『ぐるなび』『食べログ』『ホットペッパーグルメ』が並んでいた『グルメ関連ワード』。少し前までであれば、『じゃらん』『JTB』『るるぶ』などの旅行サイトが並んでいた『旅行・観光ワード』が、完全に様変わりしています。
※ちなみに、僕らが運営している『いこーよ』も、厳選レコメンドした記事コンテンツを提供する姉妹サイト『いこレポ』をリリースしました。まだまだこれからですが、手応えはバッチリです。
##まとめ
・ユーザーはgoogle検索をして、辿り着いたサイトでさらに検索をしたくない?
・厳選・レコメンドされたコンテンツ『●●選』系が人気だし、Googleも上位に出したいと思ってる。
・ユーザーニーズを顕著に表したページ内容・ページタイトルが多いんじゃないのかな。
#検索ワードのニーズを握ってるのは『スマホの漢字変換』っていう噂
こちらは、『イチゴ狩り』と『いちご狩り』の過去5年分のgoogleトレンドのレポート。2017年にいきなり赤のグラフ(いちご狩り)と青のグラフ(イチゴ狩り)が入れ替わっています。何があったのか、社内のメンバーが三日三晩寝ないで考えた結果、出た結論が『スマホの漢字変換か・・・』。
今、手元のスマホで『いちごかり』を入力すると『いちご狩り』が最初にでるハズです。まぁそういうコト。googleの検索結果は、日本語の表記ゆれは対応しつつありますが、まだ揺れているワードも多くあります。『カタカナ』と『ひらがな』のわずかな違いでも、検索順位に影響することも多々・・・。
実際に、両方のワードで検索すると上位のサイトはけっこう変わります。この違いが、メディア側としてかなりの違いなんですよね。。。
今後、検索ワードの傾向が大きく変わったら、まずはスマホの予測検索候補をチェックしてみるのが大事になりそうです。
##まとめ
・まだ日本語表記のゆれは吸収しきれてない。『おでかけ』『お出かけ』がいい例
・大多数の表記を決めるのは、スマホの漢字変換ロジック。間違いない!
・今後は、AIスピーカーでの検索ニーズの影響も気になる。
#地域が絡む『ビッグワード』は完全消滅。たしかに、便利だけど
『遊園地』で検索すると、自然と『東京』もしくは『関東』の結果。こちらは、僕らのオフィスがある五反田で検索しているので、当然のように東京・関東エリアの情報がでてくるっていう流れです。
同じく『夏休み』を五反田で検索すると『品川区の夏休みのイベント』が上位に出てきたりする訳です。
SEOの周りで仕事をしている人なら誰でも使ったことのある『GRC』も、アクセスしている場所によって、順位が大きく変わってしまう可能性もあります。今後、『動物園』『夏休み』『公園』『イベント』などのおでかけ系の検索ワードは、自動的に『地域 × ●●●』という、検索結果になっちゃうので、同じワードでもランディングが大きく異るという状況に。
ますますサチコを活用していかないと、いけないというコトですね。
これが、ユーザーにとって使いやすいのか、はたまた余計なお世話なのか・・・。来年以降も引き続き動向を追いかけていこうと思います。
##まとめ
・ビッグワードなんて過去の遺産。忘れてしまうのがいいと思う。
・地域・場所が絡むワードはGoogle側がいい感じに解釈してくれる。
・同じ検索ワードでも、『検索している場所』によって、大きく変わる。
・サチコがますます大事になります。
#『検索結果ページは、もはやコンテンツ?』。googleは巨大ポータルサイトに
2017年、話題になったことのひとつに『AMP』の3文字があります。AMPについての説明はググったらたくさんでてくるのではしょりますが、ようは、google検索結果ページをハブに、メディアをまたいで類似コンテンツを簡単に見れるようになる、すげー仕様っていうコトです。
今までは、例えば・・・
①『五反田 ランチ』で検索して、『食べログ』の五反田一覧ページに遷移
②『食べログ』サイト内の、五反田ページに並んでいる、店舗リストから気になるお店を探す。
が
①『五反田 ランチ』で検索すると、そこに『食べログ』の店舗情報がカルーセルで表示。検索結果で気になる店舗が探せちゃう。
②見つからなかったら、同じく検索ページ内の下の『retty』のカルーセルで探す。
という風に、常にGoogleが軸となったユーザー導線になります。メディアは『情報の提供元』という位置付けになります。
こちらは、他のワードでも着実に進んでいます。
###■スポット情報:『●●● 観光』(『●●● お出かけ』も同様)
→写真付きでおすすめの観光スポットが上部に出てきちゃいます。いい写真をまたセレクトしているので、嫉妬しちゃいます。
###■ニュース情報
→こちらは、各ニュースサイトが対応しているので、スポーツニュースなんかは、検索結果ページに気になるニュースがカルーセルで並んでいる光景をよく目にしますよね。
###■歌詞・楽曲情報
→最近、安室ちゃんのCDを買って、たまたま検索したらたどり着きました。『NEW LOOK』という曲の中の歌詞、『短い髪はトムボーイって言われる・・・』の、トムボーイはなんだろうと思い検索したら・・・
歌詞の一部分から、バッチリ楽曲データに紐付いてます。youtubeで動画も見れちゃいます。
他にも、最近、尿酸値が高いという衝撃的な健康診断の結果を受けてから、気にしている**『糖質』**。
糖質意外にも、日本では昔『芭蕉』と呼ばれていたんだってー!『へぇー』という内容まで検索結果ページで分かっちゃいます。
スポーツ結果、飛行機の運行状況、天気予報など、様々な情報がgoogle検索結果で分かるようになってきていましたが、最近もその傾向は衰えず、ますます他のジャンルに拡大していると感じています。
検索で1位をとっても、上部で詳細な内容が載っていたのでは、サイトまで来る人はいませんよね。。。
来年は、どういうジャンルにまで拡大していくんでしょうか。
##まとめ
・Google検索は検索ページじゃないよ。検索結果ページがすでに『コンテンツ』。世界で最大のポータルサイト
・この傾向は、ドンドン広がっています。
#ってことで、最後に
ということで、かなり主観的なGoogleの2017年の振り返りをしてきました。
2年前、3年前のGoogle検索と2017年終わりのGoogle検索では、完全に別なものになっている、というのが僕個人の認識です。
『OK!Google』のワンアクションで、ユーザーの望んでいる情報を返したい!
おそらく、Googleの理想のGoogle像はそういうことなんだろうなぁと。もっと言えば、何も発するコトなくユーザーが次に何をしたいのかをレコメンドしたいんだろうなぁと。
僕らメディア側が出来ることといったら、その時に、ユーザーニーズのある、オリジナルな情報をどれほど抱えていられるのか。まぁ、それがgoogleの言う『コンテンツの品質』というコトなんでしょうね。
今年の流行語的に言うと、来年以降はますます『Google忖度』の傾向が強くなる・・・というコトなんでしょうか。それが、ユーザーにとって使いやすく、便利で楽しい社会になってること祈って。
このへんで。