目次
- 1. Python実行環境の構成
- 2. VS Codeのインストール
- 3. uvのインストール
- 4. Pythonのインストール
- 5. プロジェクトの初期設定
- 6. Jupyter NotebookでPythonを実行する
1. Python実行環境の構成
Pythonは1991年に開発された、シンプルで読みやすい文法を特徴とするプログラミング言語。Pythonプログラムを実行するための環境は、3つの要素に大別できる。
- Python本体(インタプリタ)
- コードを読み取り、CPUで実行するためのプログラム本体。
- 現在はPython 3.8 ~ 3.12あたりのバージョンが一般的に利用される。
- 仮想環境
- Python・外部ライブラリのバージョンを管理する仕組み。
- プロジェクト別の依存関係の分離や、他の環境での再現性の確保が可能。
- IDE(総合開発環境)
- コードの記述・ファイルの管理などを行うためのアプリケーション。
- ユーザーが直接操作する場所。
各要素の対応関係は下図のイメージ。
2. VS Codeのインストール
「VS Code」とは、世界中のプログラマーが利用するMicrosoft社が提供する無償のアプリケーション。拡張機能の追加や仮想環境の構築がしやすく、Python以外の言語も利用できる。GitHubとも連携できるので、コードの管理や複数人の開発が可能。最近はGitHub Copilotとも連携し、コードの自動補完やインラインチャットが非常に便利。
VS Codeはウェブブラウザからインストール可能。
以降の処理はターミナルにシェルスクリプトを入力して行う。MacOSだと「ターミナル」、Windowsだと「コマンドプロンプト」or「Power Shell」で同じものが開ける。
(追記)VS Codeのおすすめの初期設定
VS Codeユーザーは当たり前に使っているけど、初心者は知らない初期設定をまとめる。
-
日本語化
拡張機能「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストール。参考記事:vscodeの日本語化
-
自動保存
設定
→ファイルの自動保存
を有効化。 -
ターミナルからVS Codeを起動
⌘
+Shift
+p
でコマンドパレットを開き、コマンドパレットにshell command
と打ち込んで、シェルコマンド : PATH内にcodeコマンドをインストールします
を選択。ターミナル↔︎VS Codeと行き来することが多いので、
code .
でターミナルから直接VS Codeを開けることを知っておくと便利
3. uvのインストール
「uv」とは、ターミナル内で起動するPythonの仮想環境管理ツール。Pythonの仮想環境を構築する際には「Pythonのバージョン」と「外部ライブラリのバージョン」を設定する必要がある。uvは両者を一つのアプリケーションで統合して管理できる、2024年リリースの最新ツールである。
公式ドキュメントによると、以下のコマンドをターミナルに入力してダウンロードする。
# macOS/Linux
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh
# Windows
powershell -ExecutionPolicy ByPass -c "irm https://astral.sh/uv/install.ps1 | iex"
uvがインストールされたかどうかの確認。
uv version
> uv 0.6.11
4. Pythonのインストール
uvを通じて、任意のPythonをインストールする。インストールしたPythonは、作成したプロジェクト(後述)を通じて起動される。
# Python 3.12の最新バージョンをインストール
uv python install 3.12
# インストール済みのPythonバージョンを確認
uv python list
5. プロジェクトの初期設定
VS Codeで「ファイル」→「開く」から、プロジェクトの保存先のディレクトリを開く。
その後、uv init (プロジェクト名)
コマンドでプロジェクトファイルを作成する(公式ドキュメント参照)。
# Pythonプロジェクトの立ち上げ
uv init my-project
作成されたmy-project
ディレクトリ内のファイル構成。
.
├── .gitignore # gitに編集履歴を保存しないファイルの指定
├── .python-version # Pythonのバージョン指定
├── main.py # Pythonファイルのサンプル
├── pyproject.toml # プロジェクト全体の設定
└── README.md
6. Jupyter NotebookでPythonを実行する
「Jupyter Notebook」とは、プログラミングのコード、説明文(Markdown)、図表、数式、出力結果などを1つのインターフェース上で統合的に扱えるツール。今回は「.ipynb」ファイル内でPythonを実行できるようにする。
- VS Codeを起動し、プロジェクトを開く
- 「ファイル」→「開く」から、作成したプロジェクトのディレクトリを開く
- VS Codeの拡張機能のインストール
- ウィンドウ左側にある「拡張機能(Extension)」を開く
- 検索ボックスに「Jupyter」と入力し、「Jupyter (Microsoft製)」拡張をインストール
- 「Python」拡張が入っていなければ、それも合わせてインストール
- 外部ライブラリのインストール
- ターミナルに
uv add notebook
と入力して、Jupter Notebookを実行するためのライブラリをインストールする - インストールすると、
.venv
(ファイル化された仮想環境)とuv.lock
(外部ライブラリの指定ファイル)が作成される - ライブラリの追加は
uv add (ライブラリ名)
、ライブラリの削除はuv remove (ライブラリ名)
で実行 →.venv
とuv.lock
が自動更新される
- ターミナルに
- .ipynbファイルの作成
- 「ファイル」→「新しいファイル」から、入力ボックスに「
test.ipynb
」と入力して新規ファイルを作成する - VS Code内では、作成したファイルが自動で保存される
- 「ファイル」→「新しいファイル」から、入力ボックスに「
- Python仮想環境の選択
- 「カーネルの設定(Select Interpreter)」から、「Python環境」→「.venv」
- 実行ボタンでコードを実行
- 「+ コード」でセルの作成
- セルに
print("Hello World!")
と書いて、▶ ボタンを押して実行