はじめに
技術者が英語を読むことは避けられないことが多いこの世の中,生産性を上げるために英語能力を向上させることは有効です.この記事では英語学習をすすめる上で有効な学習サイトを提示します.多くの人が進めているTEDという選択肢は初心者が安易に選択すべきものだと思いません.ここでは自分が学習時に利用したもののみを紹介します.
おそらくここで紹介するリスニング教材は多くの日本語サイトでは紹介されていないと思います.
筆者の英語レベルは学習開始前段階でTOEIC700~750程度,現在はTOEIC満点レベルです.正確にはTOEICは最近受けていませんが,TOEFL100点獲得の1年前の段階で無対策でTOEIC880点だったので現在は対策すれば満点を取れると思います.
そのため,TOEICで500点以下の人は参考にならないかもしれません.
自分の学習哲学に関して.
とにかく,わかるところを広げるということを大切にしました.筋トレで言うと簡単な文章が自分の持ち上げることのできるダンベル,難しい文章はびくともしないダンベル.持ち上がらないものを持ち上げようとするだけでは筋肉に正しい作用を伝え,意図した効果を得ることができません.英語学習でもそれは同様です.そのため,極力自分のわからない範囲の英語に関してはすぐにレベルを落としました.
自己紹介
センター入試で英語190点から始まり,2年前(2017年6月)の初TOEFLが70点,そして先日(2019年6月)受けたTOEFLが100点でした.
2年間を経て英語の実力が大幅に上がりました.過去と今の自分の違いとして明確なものは会話,読解,リスニングです.一方で作文は大きな変化が起こったようには感じていません.特に読解での成長は作業効率に大きな向上をもたらしています.この成長に大きく寄与しているのは紛れもなく精読だと思っています.
問題意識として多くの日本人は多読はしていますが,精読はしていないと思っています.つまり,論文を読む場合はその論文における手法がわかればよく,導入部分等の細かい文章を毎回完全に理解する必要がありません.一方で,英語能力の向上を通して明瞭になったのは細かい文章の意味取りです.実際にこの意味取りによってTOEFLの点数が上がったことは間違いなく,これによって作業効率が上がっていると思っています.
教材紹介
WritingとSpeakingは勉強という勉強を実はあまりしていないので記載しません.
教師がいない状況でのWritingの勉強方法がわからなかったためでもあります.やったことは英作文の写経くらいです.写経はいわゆるProduct Writingであり,最先端の英語教育であるProcess Writingとはかけ離れていますが,現状日本ではProduct Writingによる能力向上を避けて通ることはできないでしょう...
Speakingは教材を使った学習はしていません.国内で留学生の友人を作り,彼らと延々と話していました.ちなみに2年前はリスニング能力が壊滅的だったこともあり,会話は全くできませんでした.また,最近1年間もほぼ会話はしていないので実質1年間で会話能力を向上させました.点数で言うとTOEFLのSpeakingが15から23点に上がりました.
Reading
Readingと言うものの実際には語彙力を上げることが非常に重要です.
ここでは単語帳と実際に読んだ文章群を取り上げます.
単語帳は高校から通して3つしか使っていません.残りの語彙はReadingで読んだ文章及びListeningで出てきた単語のみです.
また,ザトウクジラのようなマニアックな単語は無視しています.
順番はシステム英単語 > TOEFL3800 > GRE です.
GREの単語は難しいですが,意外と文章で見かけます.ただし,TOEFLのReadingで満点を取るだけなら,TOEFL3800のRank3までで十分です.
また,多読に関しては2種類のみ利用しています.片方は多読用,他方を精読用として利用しました.
システム英単語
購入サイトはこちら.
特徴
・小学生の漢字ドリルさながらの簡潔で覚えやすい例文
・TOEIC700〜800までならこの単語帳で十分
・今の英語能力の基礎になっている
この単語帳はレベル3までやりました.この単語帳のレベル3までわからないと論文を読むのは相当苦労するのではないでしょうか.
TOEFL 3800
購入サイトはこちら
特徴
・上記の単語帳でRank1を90%,Rank2を60%,Rank3を30%程度でカバー
・システム単語帳との重複を除くと1200単語くらい覚える必要あり
・難しいようで見かける単語が多い
・暗記しづらいが,これくらいしか良い単語帳がない
Rank3までしかやっていません.それでもTOEFLのReadingで満点きます.
Manhattan Prep 1000 GRE Words
無料のPDFがこちら.
特徴
・作文で使うと引き締まる単語が多く存在するため,自分自身の作文でも使える
・上記の理由からアメリカの知識人は好んでこれらの単語を使うため,意外と遭遇することが多い
・一方で難しいため,優先度は低い.
これを暗記する前にTOEFL Readingでは満点が来ています.
Extensive Reading for Academic Success
購入サイトはこちら.
特徴
・700wordsの文章80種類で1冊.それが全4冊存在.
・多様性に富んだ文章で英語への苦手意識を消すことができる
こちらの本はA,B,Dのみ読み切りました.特にAに関してはわからない単語も全て調べ精読を行い,4周しました.これだけでもTOEFL満点にかなり近づくと思います.問題の解き方を以下のサイトで学びました
TPO(超能学托福)
サイトはこちら.
特徴
・TOEFLの過去問のサイト
・たまに海外からアクセスできなくなる
・スマホ用のアプリは常時アクセス可能
・解答は中国語のみだが,頑張れば理解可能
こちらは問題の解き方を学ぶために利用.結局過去問を20回分解きました.
Listening
以下の3つのサイトのみで学習を行いました.それ以上も以下も特に必要ありませんでした.
順番は,elllo level 4まで > english-test.net toeic > elllo level 6まで > TPO > english-test.net toefl
というような形です.
ちなみにListeningは最も時間を割いたため,全ての教材を30周以上聞いていますし,今では1.5倍速でも聞き取れます.多様性の富んだ文章を聴くのも良いですが,まずはこの量の英語を全て聞き取ることができるようになる方が難易度も低く,効率的です.実際にこれだけやると本試験の未知の英語にも対応できます.
感想としては,リスニングではじめから難しいものを聞こうとすることは限りなく効率が悪いです(TEDをおすすめしない理由です.).また,わからないがためにやる気を失うので簡単なものから始めた方が良いと思います.上記のものは全て聞き流しと文章の確認しかしていません.問題も解いていないですし,シャドーイングもしていません.とにかく,簡単な文章を聞き取れるようになることを実感しながらレベルを進めました.
elllo
サイトはこちら.
特徴
・アメリカの英語教師が外国人のために作ったサイト
・英検4級レベルの英語から英検1級レベルの英語まで大量の音源
・非ネイティブも多く,たまにおかしな英語や独特な発音の人も出てくる
・読み上げ文章のテキストもあり
・mp3もダウンロード可能
レベルは以下のように7段階です.
TOEIC700点レベルの人はLow Intermediateがちょうどよいスタート位置かな,と思います.個人的な感想として,レベルは実質3段階でBeginner, Low/Mid intermidiate, High Intermidiate/Advancedで別れている気がします.
一番取り掛かりやすいリスニング学習サイトだと思います.
english-test.net
TOEIC用のサイトはこちら.
TOEFL用のサイトはこちら.
特徴
・一応,テストの真似をしている
・読み上げ文章のテキストもあり
・mp3はCacheから拾える
・TOEIC/TOEFL共に本試験よりも語彙が難しい
・内容はTOEFL本試験とも近いが会話の質が本試験と異なる(無駄な会話が多い)
ellloの後にお世話になったサイトです.
TPO(超能学托福)
サイトはこちら.
特徴
・TOEFLの過去問のサイト
・たまに海外からアクセスできなくなる
・スマホ用のアプリは常時アクセス可能
・こちらもCacheからmp3をダウンロード可能
・文章のテキストあり
TOEFL本試験前には1年間程度こちらで対策しました.話の流れは聞き流しているだけでもかなりわかるようになります.一方で,問題を解かないと点数は伸びません.
まとめ
読解やリスニングは教材が溢れていますが,多くのものに手を出すことは得策ではありません.とにかく,一つの教材・一つの文章,音源に集中し,それらの内容を捉えることが能力向上の近道だと思います.そのため,なるべく多くの音源がある上で毎日のように更新されないサイトを選択しています.世間ではScientific American が良いとかTEDが良いとかというようなことが言われますが,それらのサイトは選択肢が多すぎて学習に支障をきたしやすいです.上記のサイトを是非利用していただければと思います.