前提
私が所属するSupership株式会社のエンジニア組織にて「エンジニアによる情報発信を強化していこう」という話になりました。
Supership社メンバーのQiitaへの投稿記事はSupershipのOrganizationに集約していく予定ですのでぜひこちらを今後閲覧いただけますと幸いです。
本記事ではなぜ強化するべきと私が考えたかの経緯と、これから情報発信を頑張りますという決意表明を記したものとなります。
自己紹介
Supership株式会社のVPoEを務めている名畑です。
最近ハマっているのはマジLOVEスターリッシュツアーズ。最高です。
下記、過去に書いた記事です。
下記、過去に登壇したイベントの一部です。
- KGDC Tech Conference #0 通信インフラだけじゃないKDDIグループの多彩な技術
- アドテクの「今」と求められる「変革」を考える / AdTechnology Meetup vol.1
- 株式会社サイバーエージェント オレシカナイト ビアバッシュ&LT大会
- Repro Tech: Mobile SDK Reliability support 助太刀
採用という仕事
VPoEなので端的に言えば自社エンジニアのマネジメントをしているわけなのですが、その重要な業務の一つとして採用があります。
私の場合、新卒採用、中途採用の両方において、書類選考、スカウト、求人票作成、求人イベント参加、面談、面接などなどに関わっています。
余談ですが、最近各所で書名を目にするオライリー社の書籍リーダーの作法には
健全で生産性の高いエンジニアリングチームを作り、維持するためにできることの中で、チームのための人材を発掘し、声をかけ、自社について売り込み、雇用することほど重要な仕事はおそらくないでしょう。
なんて書かれていましたね。詳しくはぜひ書籍で。等身大な書かれ方をしていて(たまに胸が痛くなるけど)共感できる部分が多くて面白いです。
伝えたいことを伝え切れていない
採用において、年に数十回かそれ以上は面接や面談をしているのですが伝えたいことを伝え切れていないと思うことが非常に最近多いのです。特にこちらが質問をされて答えるときですね。
それは裏を返すと就職活動中の方が知りたいことを知り切れていないというのと近しいと考えています。
伝え切れないのは時間が足りないということもあれば、質問された内容に対する説明能力が足りないということもあります。
伝わり切るまで時間をかければいい?
私も経験がありますが、就職活動は疲れます。
非常に疲れます。
ゴールまでの距離が明確ではない道って辛い。
- 就職活動をする方は、面談や面接で消耗する。
- 面談や面接はスケジュール調整だけでも消耗する。
- 合否の結果を待つ間は落ち着かなくて、また消耗する。
- 選考通過できないとひどく落ち込みまた消耗する。
- 「採用されるかどうかはタイミングの問題だから落ち込む必要なんてないよ」と周りに励まされて、さらに落ち込み消耗する。
しかも、これが、人次第ではありますが、何社も並行して進むわけです。
こちらとしては伝わり切るまで時間をかけたいですし、詳細な説明ができる者をアサインすることもしますし、もちろん丁寧に説明する努力は惜しまないのですが、時間は無限ではないです。
複数社受ければ一社に割ける時間が限られるし、面接でたくさん聞こうにも面接の時間も限られているし、内定を出した会社は他の会社の選考結果を永遠に待ってくれるわけではないのでできるだけ同じタイミングで複数社の結果が出るように調整するという意味でも時間は有限であり。
価値観の変化
就職活動中の方が知りたいことを伝えたいと強く考えるものの、それをどう実現するのか。
そもそも就職活動中の方はなにを知りたいのか。
採用といえば、株式会社マイナビが大学生意識調査というものを毎年実施しており、学生の就職への意識把握を試みております。
今年の春も2023年卒大学生就職意識調査を行っております。
過去と比較して様々な変化がございますが、大きいところとしては
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企業選択のポイント
- 安定している会社 : 2003年卒 19.6% → 2023年卒 43.9%
- 給料のよい会社 : 2003年卒 8.0% → 2023年卒 19.1%
- 自分のやりたい仕事(職種)ができる : 2003年卒 46.1% → 2023年卒 32.8%
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行きたくない会社
- 暗い雰囲気の会社 : 2012年卒 44.4% → 2023年卒 26.6%
あたりでしょうか。
私が新卒として就職活動をしていた約20年前と比べると、大学生から見えている景色はまるで別物なのでしょうね。
私には今の大学生の気持ちは想像すら許されないものなのかもしれません(ネガティブな意味ではないです。知ったかぶりをしないという意味で)。
学生の意識がこれだけ変わっているのですから、中途採用に応募してくる方の意識だって変わっているはずです。
どうでもいい余談
20年前と今で大きく変わったものだらけですが、逆に、変わらないものはないのでしょうか
就職は恋愛と似ているという常套句は、20年前の時点ですでに言われていた気がします。私が知らないだけで30年前も40年前も言われていたのかもしれないですね。
当時の私は企業面接の想定問答集を作成しながら「こんなのと恋愛のどこが似ているの?」と疑念を抱いた記憶があるわけですが、恋愛も東京ウォーカー片手にデートプランを立てることが求められるなら、まあ想定問答集を用意するのと似たようなものかもしれないのかな。現実には東京ウォーカー片手にデートプランを立てる学生時代は送っていないけれど。
20年もあれば恋愛のあり方も変わるわけで、それなのにこの常套句に変化がないのはなんだかなぁと思いつつ、まあ、要は双方の合意が大事ってことですよね、この常套句が言いたいことは。
細分化される前提条件
話を戻します。
過去の面接/面談でされた質問を振り返ってみると、就職活動をしている方々が就職先を選ぶに当たって知りたいことは、色々とあるのだと実感しています。
例を挙げるとすると、直近ではリモートワークに関することでしょうか。
- どれだけリモートワークが許容されているか
- 出社はどれだけあるのか
- どれぐらいの人が出社しているのか
- 遠方に住むことは可能なのか
- 海外からの業務は可能か
- 同僚と物理的にコミュニケーションする機会はあるか
- リモートワークにおけるコミュニケーション施策はどのようなものがあるか
- オフラインにおけるコミュニケーション施策はどのようなものがあるか
遠方に住みたいためにフルリモートの会社を望む人がいれば、対面コミュニケーションがたくさんしたいために物理出社の会社を望む人もいます。これらは正反対ですが、どちらが正解でどちらが不正解というものではなく、その当人からすれば自分の選択が正解なわけです。
当人からすれば会社選びにおいての前提条件となります。
こういった前提条件が年々増えていると感じます。
正解か不正解かを会社側がジャッジするのではなく、情報として提供して選択してもらうべきもの。
実際は増えたわけではなくて、昔はマジョリティとマイノリティがはっきり区別されていたためにマイノリティ側が黙殺されていただけなのかな。
言いづらいことが言いやすくなったってこと。
ということで
先述しました書籍リーダーの作法にて
歓喜の状態にある候補者に対するあなたの仕事は、あなたとの未来を想像させることです。
このような一文がありました。
これは内定承諾後の候補者との接し方について書かれた章での一文でしたが、フェーズを問わず、つまり採用というのは候補者にいかに鮮明に未来を想像させるかが重要なのだと考えております。
なんかとりとめのない記事になりましたが、とにかく、これだけ価値観が変化していて時間も限られる状況においては弊社の情報を欲しいと思った人が弊社の情報をできるだけ楽に手に入れられる状況を作ることが候補者の未来の想像において重要なのだろうと。
コミュニケーションでお互いのギャップを埋め合うことは非常に重要ですが、コミュニケーションの前段階として提示できるものは提示しないといけないなと。
そうしなければお互いに損をするなと。
当たり前すぎる結論で恐縮です。
幸いアドベントカレンダー等を通じて多くの方に弊社記事を読んでいただいてはおりますが、12月限定情報発信になってしまっているので1年を通じて発信しようと。
とにかく盛り上げていきたい。
さらに加えて弊社固有の話
前述の通り、Supershipでは検索や広告といった事業をしています。
検索にせよ広告にせよ、インターネットを活用する上では頻繁に触れるものですので、好き嫌いはともかくとして、その存在そのものを知らない人はいないでしょう。
ただ、システム的にどうなっているのかはなかなかイメージしづらいものなのではないかと思います。
実際に私は、約10年前にインターネット広告の世界に入った時、インターネット広告が国や会社を跨いだ大規模オークション会場であることすら知らなかったです。
GDPRやITPに関するやりとりをSNSなどで見ているとインターネット広告に詳しい方も想像以上に多いのだなと感じはするものの、大半の方にとっては比較的ブラックボックスな領域だろうと思います。
ブラックボックスなプロダクトを扱う会社である以上は、他社よりもより強い情報発信をしなければいけないと考えました。
最後に大前提
今回この記事で書いたのは、一行でまとめると求人の募集側も応募側もお互いをさらけ出して適切なマッチングをしようということなんですが、弊社がイマイチであれば、さらけ出した結果として今よりも選んでもらえなくなる可能性はあります。まあ、さらけ出さずに選ばれるよりはさらけ出して選ばれない方が正しいですが。
選ばれるにはそもそもとして魅力的な会社である必要があります。
魅力的な会社であるよう、頑張ります。
最後に宣伝
Supershipではプロダクト開発やサービス開発に関わる方を絶賛募集しております。
ご興味がある方はSupership株式会社 採用サイトよりご確認ください。
是非ともよろしくお願いいたします。