本記事はクラスター Advent Calendar 2024 3日目の記事です。
前日は @uzzu さんの「消費可能な値」を導入した でした!
今日はスタジオチームが何か組んだお話
こんにちは、スタジオチームのn_mattun(まっつん)です。
普段の仕事は、スタジオ内外問わずでイベントで体験者がVR機材等を着けた際に、人間側とcluster側の両面が本来のパフォーマンスを充分発揮できるように様々な環境準備やケアをする仕事※を中心に、ハード、ソフト両面でスタジオ起点でお助けになれるようなことは技術領域を問わず色々何でもやってるマンです。
※外のイベントでは東京ゲームショウの体験ブース周辺の現場統括もやったりしました
https://x.com/n_mattun/status/1705220851447251180
今回はそんな仕事の中で作った「バッテリー残量みえるくん」について紹介します!
背景
社内スタジオ稼働のイベントで使われるバッテリー式のVRデバイスのバッテリー管理について、基本的には満充電状態から初めて、そこからイベント進行の合間に充電をしているのですが、朝に集合して丁寧にリハーサルを行って諸々あって夜遅くに終わる・・というような丸一日稼働が想定されるイベントでは「バッテリーの持ちは大丈夫かな?」と心配になるケースがあるわけです。少し以前の、トラッカーが3.0ではなく2.0が主戦力だった頃などはかなり不安なポイントでしたね。
課題
で、その残容量の確認方法なんですが、特に対策を打たない限りは出演者が操作しているPC内のSteamVRのパネル上から確認することになるわけなのですが、
- マウスオーバーしないと目盛りが出てこない
- しかもざっくりとした残容量しか出てない
- なので「あとどれくらい持つのか?」という具体的な残り時間がわからない
- 本番進行中にPCを触ってカジュアルに確認をするワケにもいかない
という、イベント進行中には相当使いづらいものでした。
SteamVR上の表示はこんな感じ、
デバイスのアイコンにマウスをもってかないと残容量は見れない
そんな中、別口で VIVEBatteryInfo のような残容量を見れるアプリが存在していたことは知ってはいたので、残容量の表示をスタジオ特化でいい感じに確認できる状態さえあればいいだろうということで作りました。
バッテリー残量みえるくん
実際に動いてるアプリの画面はこんな感じです。
▼ラベルの文字列はスタジオ内の部屋の呼称を出すようにしてます
具体的にわかる
SteamVRから残容量値をもらってくると0~100%の値が返ってくるのですが、イベントスタッフが脳直で欲しい情報はバッテリー割合ではなく「リハや本番中もバッテリーが持つかどうか?」 なので、アプリ側で時間経過による%の減り具合を計算し、それを元に「あとx分」という具体的な残容量時間を表示しています。また、イベント進行の隙間にちゃんと充電がされているかの確認もしたいので、充電中の場合はステータスも「充電中」と表示されているようになっています。
手軽に一覧で見れる
この残容量を一番知りたいのは出演者PCが置いてある部屋の中の人たちではなく、イベントの進行を監理、監視している技術やディレクター勢なので、その人たちに対して稼働中の端末の状態がぜんぶ見れるようにしないといけません。
そこで残量表示機能に加えて、設定ファイル監視対象のPC情報を入力すると、指定したPC内で稼働している同アプリの残量を取得表示する機能も追加しました。
実運用上では、稼働している出演者の各PCでアプリを動かしておきつつ、それとは別にイベント進行管理を担う技術やディレクターが居る場所付近にあるPC内でもアプリを動かしておき、そちらでは一覧確認ができる状態を作っています。
これだけの台数のVRデバイスのバッテリーの残容量を、各部屋を巡って手作業で確認することと比較して考えると、地味だけどかなり嬉しいことが伝わると思います。
おわりに
現実でもメタバースでも、こと「イベント」と呼称される催し物は当日進行の1分1秒がとても大事です。このように当日進行の確認の手数を減らすことにより、その瞬間に必要な他タスクの処理ができたり、進行上の少し先にある別タスクの下準備ができたりと、イベントの品質向上にも寄与できるわけですね。
引き続き、メタバースイベントの盛り上がりのために、現実側とメタバース側の両面を見つつ的確なサポートをしていきたいですね!
明日は引き続き @n_mattun から「ClusterScript覚えるなら今がちょうどいい的な話(仮題)」をします!まだ仮原稿でしかも進捗6割くらいです!やばい!!