はじめに
こんにちは。
今年の大河ドラマで阿茶局を推していた男です。
上記の記事、まったく覚えていないのですが、投稿者が私になっているので、私が書いたんだと思います。たぶん。
早いもので、これを投稿してから1年が経過しました。
私が主催する社内コミュニティの参加者数も大幅に増え(アクティブユーザ 数千人)、その活動を参考にした社内の有志コミュニティやパートナー企業様のコミュニティも増えました。
記事の中で
「社内技術コミュニティを構築して盛り上げる方法を言語化したい」
と宣言して1年経過・・・(笑)。
某社様より「コミュニティの盛り上げについて話を聞きたい」と相談もあったため、そろそろ言語化しておこうかと。
私の主催する社内コミュニティは主に Microsoft Teams を利用し、Power Platform と市民開発によるデジタル人材の底上げのための活動をしています。
以下、その前提でお読みいただきたく。
社内技術コミュニティに必要な6要素
コミュニティを盛り上げるために必要なのは、以下の要素だと私は思います。
- 多様性がある
- ビジョンを共有している
- 自主性がある
- 内的動機づけがある
- チャレンジしやすい
- つながりやすい・共同作業しやすい
これ、及川卓也さん(「ソフトウェア・ファースト」著者)がイノベーションを生みやすい組織の6要素として講演で語っていた内容をマネています。
ただ、ググっても一次情報が見当たりませんでした。
もしも、内容が間違ってたらゴメンナサイ。また、ちょっと言葉を変えてあります(「リスクテイク」→「チャレンジ」、「コラボ」→「共同作業」)。
以下、それぞれ説明していきます。もし参考になるところがあれば活用してください。
1. 多様性があるコミュニティ
参加者に多様性があるコミュニティは、多様な情報が集まりやすくなります。
情報が集まるところには、それを求めて人が集まってきます。
多くの人が集まると自然と多様性が増し、さらに情報が集まり、人が集まり・・・という好循環が生まれます。
2. ビジョンを共有しているコミュニティ
参加者が同じ方向に進むと、強い推進力の活動になります。
そのためには、参加者が共感できるビジョン(構想や展望)が必要です。
このビジョンにより、多様性のある人たちをバラバラにせず、まとめることができます。
また、ビジョンを公開しておくと、それに共感する人たちが集まりやすくなります。
3. 自主性があるコミュニティ
コミュニティ主催者だけでは、活動の規模を大きくすることは難しいです。
自主的に協力してくれる参加者が多ければ多いほど、コミュニティは盛り上がります。
そのためには、協力しやすい雰囲気づくりや、参加者を含む関係者全員が互いに尊敬と感謝をしあう事が重要です。
4. 内的動機づけがあるコミュニティ
参加者がコミュニティに協力したくなる内的動機(面白さ、楽しさ、幸福感など)があると、活動の永続的な原動力になります。
外的動機(指示や命令、危機感、義務感、正義感など)による活動は他責になりがちで長続きしません。
5. チャレンジしやすいコミュニティ
新しいチャレンジは、失敗するリスクを伴います。
失敗を許容する雰囲気があると、チャレンジをしやすく、斬新なアイディアが集まりやすくなり、大きな成果につながる可能性があります。
もし失敗しても、その情報を共有して活かすことができます。
6. つながりやすい・共同作業しやすいコミュニティ
規模が大きい組織では、部署・職層・職種をまたぐ情報共有が難しいケースがあります。
それを超越して情報や意見をやり取りできるコミュニティは盛り上がります。
また、面識のない人材との共同作業をすることで、新たな価値を産み出すこともあります。
ビジョン設定の重要性
私が最も重要かつ難しいと思う要素は「2.ビジョンを共有している」です。
ビジョンはコミュニティの中核であり、その中核の強さがコミュニティの訴求力の強さになります。
ですから、時間をかけて深く思考して設定すべきだと考えます。
以下、私が考えるビジョンを設定するコツです。
- ビジョンには自分の想いを入れる。熱量が高いほど、人に伝わりやすい。
- ビジョンは言語化し、文章で定義する。
- 言語化のために深い思考が必要があり、その思考がビジョンの定義を強固にする。
- 「模式図」や「キャッチフレーズ」は補助的な利用に留める(見る人により認識が異なりやすいので)。
- ビジョンを、社訓や社是、上位方針などに結びつく内容にしておくと、組織内の理解を得やすくなる。
- ビジョンを公開しておくと、他人から弱点や問題の指摘を受けやすくなる。
指摘された箇所を改善することでビジョンの訴求力を強化できる。
コミュニティ主催者の役割
コミュニティの立ち上げから現在まで、様々な活動をしてきました。
- 既存の情報展開方法を活用して告知や勧誘を継続的に実施(イントラWeb、各部署の会合、各部署のTeams、社内の有志活動 など)
- オンライン / オンサイトイベントを実施(隔月で何らかのイベントを開催)
- 簡潔かつ平易な内容でビジョンを文章化し、Web サイトで常時公開
- 様々な場所やタイミングで表現や言葉を変えてビジョンを説明(イベント登壇でのスピーチ、社内SNS、Teamsでの雑談など)
- 技術的な質問を受け付けるチャネルを作成(参加者が相互支援する状態)
- 自作アプリを公開するチャネルを作成(参加者が自主的に公開)
- コミュニティのステッカー作成し配布
- 心理的安全性を確保するため、あいさつ専用のチャネルを作り、日々あいさつを投稿。
- 新規参加者の自己紹介投稿に、必ず返信やリアクションをして歓迎。
- コミュニティへの貢献に応じ、デジタルバッジを配布
・・・など。
計画に時間をかけず、思いついたものをとりあえずやってみて、成功したものを継続・拡大してきました。
成功した活動は、いずれも上記の6要素に繋がっていると感じます。
簡単にまとめると、コミュニティ主催者は以下の役割を担うと良いと思います。
コミュニティ主催者の役割
- 人と情報を集め、多様性を生む好循環をつくる
- 多様な人たちを、自分が考えるビジョンでまとめる
- 全員が尊敬と感謝をしあえる雰囲気づくりをする
- 活動自体が楽しく感じてもらえるようにする
- 失敗を許容して、チャレンジをうながす
- 異なる組織をつなぐ支援や共通の課題解決に協力する
さいごに
以上で今年の仕事納めにしようと思います。
なんやかんやで1年経つのホントに早かった。
2024年も、あっという間に終わるんやろなぁ。
来年、初挑戦したい事は決まっているんで、退路を断つためにここで宣言しておきます。
実績報告をよろしくな > 2024年12月のオレ。
- ハッカソンを主催する
- 夏コミで薄い本を売る
- 個人事業主として商売してみる
以上です。それでは、良いお年を。