業務において、GCPのCloud Tasksにおける設定方法や確認方法を学んだため、備忘として整理します。
Cloud Tasksとは?
Cloud Tasksは、GCPが提供するフルマネージドサービスで、アプリケーションが非同期タスクを実行・管理できるようにします。これにより、バックグラウンド処理を効果的に行い、システムのスループットと応答性を向上させることができます。
リトライポリシーとは?
リトライポリシーは、タスクが失敗した場合に再試行するための定義・設定のことです。具体的な設定内容は以下の通りです。
①最大試行回数(MAX_ATTEMPTS
)
- タスクが再試行される最大回数を設定する。
例:MAX_ATTEMPTS
: 5の場合、タスクが失敗すると最大で5回まで再試行される。
②最小バックオフ(MIN_INTERVAL
)
- 再試行の間隔の最小値を設定する。
例:MIN_INTERVAL
: 10の場合、最初の再試行は少なくとも10秒後に行われる。
③最大バックオフ(MAX_INTERVAL
)
- 再試行の間隔の最大値を設定する。
例:MAX_INTERVAL
: 300の場合、再試行間隔は最大で300秒(5分)まで増加する。
④最大倍増回数(MAX_DOUBLINGS
)
- 再試行間隔が倍増する最大回数を設定する。
例:MAX_DOUBLINGS
: 5の場合、再試行間隔は5回まで倍増。それ以降は最大バックオフ値に達する。
⑤最大試行時間(MAX_RETRY_DURATION
)
- タスクが再試行される総時間の上限を設定する。
例:MAX_RETRY_DURATION
:172800s(48時間)の場合、タスクの再試行総時間は48時間となる。
何のためにリトライポリシーを設定するの?
リトライポリシーを設定する主な目的は、以下の通りです。
1. 信頼性の向上
- タスクが一時的なエラーや障害から回復するために再試行を行うことで、システム全体の信頼性を高めることができる。
2. リソースの効率的な利用
- 過剰な再試行を防ぎ、システムリソースの無駄な消費を抑えることで、効率的なリソース管理が可能になる。
3. パフォーマンスの最適化
- 再試行間隔を適切に設定することで、タスクの完了時間を最適化し、システムのパフォーマンスを維持する。
リトライポリシーの設定方法について
queue.yamlファイルの作成
まず、リトライポリシーを設定するために、以下のようなqueue.yamlファイルを作成します。
queue:
- name: task-queue
rate: 1/s
bucket_size: 10
retry_parameters:
max_attempts: 5 # 最大試行回数(MAX_ATTEMPTS)
min_backoff_seconds: 10 # 最小バックオフ(MIN_INTERVAL)
max_backoff_seconds: 300 # 最大バックオフ(MAX_INTERVAL)
max_doublings: 5 # 最大倍増回数(MAX_DOUBLINGS)
max_retry_duration: 172800s # 最大試行時間(MAX_RETRY_DURATION)
設定項目の反映
queue.yamlファイルを作成した後、以下のコマンドを使用し、設定内容をデプロイします。
gcloud app deploy queue.yaml
公式ドキュメント:queue.yaml リファレンス
※[retry_parameters]を設定しない場合のデフォルト値についても上記ドキュメントに記載有
リトライポリシーの確認方法について
以下の手順に則り、GCPコンソールからリトライポリシーを確認することができます。
1. Google Cloud Consoleにログイン
- Google Cloud Consoleにアクセスしてログイン。
2. Cloud Tasksのページに移動
- ナビゲーションメニューから「Cloud Tasks」を選択。
3. 該当のキューを選択
- 設定を確認したいタスクキューをクリック。
- [構成]タブを押下でリトライポリシーの設定を確認することができる。
まとめ
- リトライポリシーの設定は、システムの信頼性、効率性、パフォーマンスを向上させるために重要。
- 正しいリトライポリシーを設定することで、タスクが失敗した場合でも適切に再試行され、システムの安定性を保つことができる。