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openDCIMインプレッション(ワークフロー編)

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インストール編構成管理編に引き続き、openDCIMインプレッション第3弾、ワークフロー編をお届けします。

Rack Request Form

機器1台単位でリクエストを出せます。

フォームに機器諸元を入力すると、担当者にメールが飛び、ホーム画面の目立つ位置にあるPending Rack Requests一覧表に項目が立って担当者にプレッシャーを与えます。担当者がそこをクリックし、架名と位置を選択してMove to Rackボタンを押すと、その機器が架に載ってPendingが解消されます。

。。。というものです。

ところで、Rack Request Formに入力する際、どういうわけかSerial Number欄の入力が必須です。Rack Request Formを通さずにAdd Deviceから機器を入力するときには空欄で構わないのですが。

Issue Escalation

この機能は正直なところ、何のためにあるのかよく分かりません。Issue Escalationの下にはTime PeriodsとEscalation Rulesの2つの項目があり、どちらも一行の自由記述を入力できるのですが、だから何?というか、特に何も起こらないというか。。。

Project

Project Catalogタブ→New Projectでプロジェクトを作成します。このとき、以下の5項目を入力するように求められますが、新規作成のときはダミーデータでいいので全部のフィールドを埋めて下さい。そうしないとプロジェクトが作られません。プロジェクトができたら、さっき入力したダミーデータは消して構いません。

  • Project Name
  • Project Sponsor
  • Project Start Date
  • Project Expiration Date
  • Project Actual End Date

デバイスをプロジェクトに所属させることができます。デバイスとプロジェクトの対応関係は多対一ではなく、1つのデバイスを複数のプロジェクトに所属させる多対多の対応もできます。openDCIMで管理しているのは対応関係だけですので、減価償却費の按分比率などは別な場所で管理する必要があります。

Supplies Management

予備品とか部材とかの管理機能です。
Supplies Management→Manage Suppliesで品番・品名を登録します。このとき数量の上限・下限も入力しておきます。
実際の数量はManage Supply Binsで管理します。Bin Locationに場所(倉庫名)を入力すると、品番と数量を入力する画面が出てくるのでぼちぼち入力していきましょう。

。。。それだけです。在庫管理システムと呼ぶにはちょっと機能不足な感じです。

Work Order Builder

初期状態では使えません。Edit Configurationタブ→Workflow→Work Order BuilderをEnabledに設定すると使えるようになります。

この機能を有効にすると、架の画面(Uが縦に並んでいるData Center Cabinet Inventoryと呼ばれる画面)上の各機器欄の右端に、黒丸にプラスのアイコンが出ます。クリックするとチェックアイコンになるトグルスイッチです。
これで機器をいくつか選択し、Work Orderタブ(というのが現れる)をクリックすると、選択した機器の一覧が出てきます。
この状態でExport Connectionをクリックすると、Excelの配線表が出てきます。

。。。が、LibreOffice Calcでは正しい表示になりませんでした。Excelでないとダメのようです。

で、そもそもこれは何のための機能なのかという話ですが、公式Wikiを見るところ、どうやらテプラの流し込み印刷機能を使って示名条片を作る際に使うExcelシートを作るために用意された機能のようです。まあ便利は便利かもしれませんが、これをWork Order Builderと呼ぶのはちょっと誇大表現なんじゃないかという気がします。

Audit

AuditとかLogとか称するボタンがあっちこっちに出てきますが、これは何かというと、MySQLのfac_GenericLogテーブルにタイムスタンプつきコメントを書き込むというものです。それだけです。タイムスタンプが残りますので、現場でCertify Auditボタンをピコピコと押して回り、後から集計するようなフローにすれば、固定資産実査の時に役に立つかもしれません。ただ、MySQL側にアクセスする権限とSQLスキルがないと厳しいかなという気がします。openDCIM標準のレポーティング機能で出てくるPDFファイルは、正直あまり読みやすくありません。私の環境では日本語が文字化けしました。

考察

インプレッション

openDCIMのワークフロー関連機能は、構成管理機能に比べると、あまり充実していない印象です。何というかコレジャナイ感がします。

素朴な疑問

全体的に分からないのが、そもそもopenDCIMって、工事前に場所を予約するためのシステムなんでしょうか、それとも工事後に記録するシステムなんでしょうか。そのあたりがどうも曖昧で、openDCIMのワークフロー関連機能は全体として業務のどこに組み込んで使えばいいのかよく分からない印象があります。openDCIMの特性を考慮して、ローカルルールを頑張って作り込む必要がありそうです。

規模感

更新権限を持つ人を相当絞り込んで、小チームで意識を合わせながら運営していかないとぶっ壊れると思います。閲覧権限の範囲は、守秘義務が守られる範囲である程度広げていいと思うんですが。

以上!3回に渡ってお届けしたopenDCIMインプレッションは今回で終わりです。幸運を祈る。

参考文献

openDCIM WIKI (公式)
http://wiki.opendcim.org/wiki/index.php/Main_Page

不肖私 (2016)
openDCIMインプレッション(インストール編)
http://qiita.com/n-i-e/items/f4ba15640e58b031d7f6

不肖私 (2016)
openDCIMインプレッション(構成管理編)
http://qiita.com/n-i-e/items/8f7447c6fe274d05829a

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