かつてOpenERPと呼ばれていたオープンソースERP、Odooをインストールしてみました。バージョンはOdoo 10.0 Windows版です。正直なところ使いこなせている実感はあまりありませんが、何かの参考になればということで。
Odooのインストール
PayPal のアカウントと Odoo で、カード決済のできるショッピングカート付きのコーポレートサイト(しかも多言語!)を 30 分で立ち上げる話しではGitHubからクローンしてインストールする方法が紹介されていますが、今回は標準インストーラを使ってインストールします。
ダウンロードサイトに行くと、御社名やら連絡先やらいろいろ聞かれます。どうも商売臭さを感じますが入力必須なので入力してWindows版を選ぶとインストーラが落ちてきますので、これを実行します。
インストーラにはPostgreSQLのインストーラも収録されていて、一緒にインストールされます。インストール操作は、そこそこスムーズと感じました。ところどころ謎の画面が現れますが、勘と経験で乗り切りましょう。インストールが完了すると、http://localhost:8069/ でOdooが動く状態になっています。
アプリのインストール
「アプリ」タブをクリックすると、CRMとかプロジェクトとか在庫管理とか、いろいろな機能要素が並んでいます。34個もあって目移りしますが、必要なものを順次選択して「インストール」を実行すると使えるようになります。
触ってみた感覚
一種独特
なんというかGUIが一種独特です。全体を通してコンセプトはそれなりに一貫していますし、プアというわけではないんですが、好き嫌いは分かれそうです。フランス人好みなんですかね?
初心者向けのガイドは充実
サンプルデータや、初回インストール時の操作ガイドは充実しており、雰囲気は掴みやすいと思います。
個々のアプリはそれほど多機能というわけではない
アプリの数は標準で34個と充実していますが、業務でバリバリ使いこなしていこうという向きには、会計・財務は弥生会計に及ばないし、プロジェクトはRedmineに及ばないし、といった具合に、使っていくうちに不足感が出て来るんじゃないかという気がしました。
規模感としては中小向けかと
Odoo公式サイトの採用事例を見ると、Toyota Material Handling(トヨタのフランス現地法人でフォークリフトなどを扱う)とかWWF(世界自然保護基金)とか錚々たるメンツが並んでいますが、どちらかというと株式会社ROOMS FORの9ユーザといったところが適正規模なんじゃないかという気がします。
アプリ間の連携はちょっと希薄かも
例えば、固定資産台帳は「会計・財務」の中の機能要素の一つとして用意されていますが、それとは別に「備品」というアプリがあります。備品の項目と固定資産の項目の間に何らかの関連付けがあればいいのですが、そういうのは見当たりません。全体として、すべからくこんな調子です。
個々のアプリを独立にインストール・アンインストールできる設計思想と引き換えに、アプリ間の相互連携はそれほどではないという印象です。
日本語情報が少ない
やはり英語を読む根性がないと、Odooを使うのは厳しそうです。Odooそのものは日本語Localeが用意されています(ところどころ抜け漏れがあり、英語メッセージが出てきますが、まあまあ許容範囲です)。しかしドキュメントが全部英語。。。
以上!あくまで個人の感想で、効果には個人差があります。
参考文献
Odoo公式サイト
https://www.odoo.com/
ADEMPIERE JAPAN (SMBアソシエイツ株式会社)
オープンソースerpとは?
http://adempiere-japan.com/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9erp%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/
各種オープンソースERPの比較表があります。