やりたかったっこと
普段使いのPCにLinuxを入れても、最近はデバイスを認識しないということは少なくなりました。debianをベースにしているProxmoxも、デバイスを認識しないということはあまりないと思います。
しかし、(私の?)身近にあまりない10GbEのネットワークや、RAIDコントローラなども認識するのか、興味はあるけど試す機会がなかなかありません。
今回、Newtech様からCloudy-SRVをお借りできたので、Proxmoxをインストールできるか検証してみました。
今回の検証で動作したとはいえ、今後も動作保証できるわけではありませんが、動作確認の一例ということで読んで頂けると幸いです。
インストールしたProxmoxのバージョンは8.1.4です。
検証に使用した機器
Newtech Cloudy-SRV 2U
項目 | 仕様 |
---|---|
CPU | Intel Xeon Silver 4210 |
メモリ | 32GB |
RAIDコントローラ | MegaRAID 9560-8i |
ミラーリングユニット | 240G |
搭載ドライブ | SSD 1TB x 6 |
LAN | 10GbEx2 + 拡張カード10GbEx2 |
ミラーリングユニットについて
Cloudy-SRV シリーズの特徴の一つにミラーリングユニットが標準搭載されている点があります。
今回お借りした機器には、240GBのNVMeSSDでミラーしたユニットが搭載されていました。インストール時は、1つのSSDディスクとして見えます。
意識することなくインストールするだけで、OSがミラーで保護されます。
ミラーされたSSDの障害監視はnummという専用のツールで確認します。Linux対応版があるので、インストールすることで、ミラーの状態を確認することができます。
MegaRAIDの動作確認
MegaRAIDはLinuxカーネルにマージされているようで、RAIDコントローラーがlspciで出てきます。
初期状態ではMegaRAIDに接続されたSSDはOSからは認識されません。
RAID BIOSもしくは、MegaRAID CliでRAIDドライブを作成すると、ディスクとして認識されます。
認識されたら、LVMなりLVM-Thinなりでフォーマットすれば、通常のドライブとして利用可能になりました。
ベンチマーク
ubuntu22をインストールし、KdiskMarkでディスクアクセスのベンチマークを取得してみました。
ミラーリングユニット
通常、ミラーリングユニットにVMのインスタンスは保存しないと思いますが、ベンチマークを取得してみました。
実行結果は以下のような値でした。近年のSSDと比較すると高速ではありませんが、OS用としては十分な速度があると思います。
1本構成
1本で構成を組んでみたところ、SATA-SSDとしては標準的な値になりました。
2本構成(RAID0)
2本でRAID0を組んでみたところ、シーケンシャルの速度が1本のほぼ倍の値になりました。
6本構成(RAID5)
6本でRAID5を組んでみたところ、シーケンシャルで14000を超える値になりました。何度か取り直したのですが、突然キャッシュが効いたのか、爆速でした。1本、2本の値からかけ離れているので、参考値として見てください。RAID5の利用が現実的だと思いますが、SATA-SSDのRAID5は高速に動作することが確認できました。
感想
大容量の領域もHDDからSSDにシフトしつつありますが、なかなかSSDを何本も使用してRAIDを体験する機会がありませんでした。
今回、SSD 6本という環境をお借りすることができ、インストールで問題になる部分もなく、動作も快適でした。
簡単な検証レポートになりますが、サーバー機導入のご参考になれば幸いです。