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キャリアに不安を感じているあなたへ 〜僕がフルスタックエンジニアではなく、マネージャーを目指した理由〜

Last updated at Posted at 2021-12-24

はじめに

はじめまして、リンクアンドモチベーションの宮崎と申します。
1日から昨日まで弊社のメンバーがたくさんの記事を書いてくれて、ついに最終日を迎えました。
https://qiita.com/advent-calendar/2021/mcs
私からは今までの記事とはちょっと趣を変えて「エンジニアとしてのこの先のキャリアをどのように考えたらいいのか?」
と言うヒントになるかもしれない話をさせていただこうかと思います。

「自分はこのままで本当に大丈夫なのか?」

日々業務に追われながらも空き時間に勉強し、技術力が身につき、できることも増え、とても充実感を感じている。
…けれど、ふと「ずっとこんな感じで残りのエンジニア人生を過ごすんだっけ?」と感じている方も少なからずいらっしゃるのでは?と思います。
「この先、エンジニアとして生きていくにはどうすればいいの?」と漠然とした不安に駆られたり、駆られなかったり。
そんな悩みを抱えている方に恥ずかしながら自分のエンジニア人生を晒させていただき
「こんな考えた方もあるぞ?」と言う一つの選択肢を提示できたらなと思います。

スーパーハカーになろうとした20代

文系出身で、この業界にはほとんど前提知識もスキルもないまま飛び込んだので
ただひたすら目の前の問題/課題と向かい続ける日々でした。
幸運にもその課題の内容が自分にとって学びの多いものが多く
大型汎用機から最新のクラウド上での開発まで、振れ幅がエグすぎない?というレベルで仕事をさせてもらいました。
そのおかげでコンピューターの基礎、プログラミングの基礎、システム開発のイロハを仕事を通じて学ぶことができました。
当初はへっぽこでしたが、5年目を過ぎる頃にはプロジェクト内で使うライブラリを作るなど
技術的に大切な部分を任せてもらうことも増え、この業界で技術屋としてそこそこやっていけそうな予感がしていました。

技術一辺倒で本当にやっていくのか悩み始めた30代前半

とんでもなく優秀なエンジニアに出会って、キャリアが詰みかける

そこそこ自信がついたので、やや天狗になっていましたが、そんな時に転職した某企業にて
マジもんのフルスタックエンジニアに出会いました。
さっきまで Linux の設定をいじってたと思ったら、ライブラリ的なプログラムのコードを書きはじめ
コードができたかと思ったら今度は DB のパフォーマンスチューニングをディープにやるために
インデックスの Fill factor の最適値を計算し、その試行錯誤を Slack で呟く…そんな人でした。
後にも先にもこの人以上の人なんて現れないだろうなと感じたレベルの人で
「張り合っても絶対勝てないな」と心底敬服したことをいまだに覚えています。
とはいえ優秀な人と一緒に仕事をすること自体は非常に楽しく、学びもとても多かったので
しばらくはいちエンジニアとして楽しく過ごしていたのですが、ある時にふと**「あれ?俺、この先どうすんだ?」**と思ってしまいました。
技術的にやっていこうにも途轍もないくらい上には上がいる。自分はその中で価値を発揮し続けられるのか?と急に自信がなくなったのです。

自分を見つめ直した結果、マネージャーを目指すことにした

そんな悩みを抱えながらも、これといった答えが見つからないまましばらく仕事を続けていました。
そんなある日同僚と何気なく話していると**「みやっちさんって、いろいろなことに気づきますよね」**と言われました。
言われて振り返ってみると、以下のようなことをよく気にしていることに気づきました。

  • 会社への提出物の期日
  • 手順の抜け漏れ
  • ルールの不備、整備もれ
  • メンバーの機微
    • 最近調子が良さそう(悪そう)
    • 何かに悩んでいる(ように見える)
    • 何か不満がある(ように見える)

恥ずかしながら、同僚に言われてはじめて、この「よく気づく」という点が私の長所であると気づきました。
その中でも特に「メンバーの機微」はチームのパフォーマンスに大きく影響を与える項目であると同時に
とても重要なのに、チーム内の誰も十分に手を打てていない箇所であることにも気づきました。
私はここに活路を見出しました。
ちょうどその時、チームリーダーが昇進に伴い部署異動する事になったため、私が役割の一部を引き継ぐことになりました。
これはチャンスだと思った私はエンジニアとして働きつつも、チームのマネジメントを少しずつするようになりました。

この仕事はそんなに悪くないと思えた

開発のルールがいまいちで仕事がしにくいという話であれば、ルール整備をしてみたり
「役員がどんな戦略を考えているのかイマイチわからないので、もやもやする」という話を聞けば、その人と 1 on 1 をしたり
一見するとエンジニアとは無関係の仕事をたくさんしました。
が、こういう問題が解決されるごとにチームの雰囲気が良くなり、パフォーマンスが改善されていく様子を見てとても嬉しく感じました。
**「この仕事、思いのほか自分に向いているな」**と思えるようになりました。
その後はよりマネジメントに集中するために、いわゆるエンジニアリングマネージャーの役割を受け持ち
エンジニアとしての仕事の割合を徐々に減らしながら、組織全体の課題に注力するようになりました。
そのなかで

  • 「組織内部の問題は一筋縄では解決しない(難易度が総じて高い)」
  • 「策を打っても、本当に効果があったのか見極めが難しい(可視化しにくい)」
  • 「そして自分のように悩む人が世の中にはたくさんいる」

という課題感を持つようになり、課題により向き合うために、約3年お世話になった会社を辞めて
今の会社(リンクアンドモチベーション)に転職することにしました。

改めて振り返ってみて思うこと

(結果論ではあるものの)以下のことにフォーカスできたことが功を奏したように思います。

自分が感じたキャリアへの違和感を放置しなかった

「本当にこのままでいいのか?」と思った時に、もしその気持ちに蓋をしていたら今の自分はないだろうなと改めて思います。
悩んでいる最中はたまったもんじゃないですが、途中で考えることを放棄しなかったので、同僚の言葉に思ってもいなかった気づきを得られたのだと思います。

自分は何が得意なのか、得意なものを活かせるところはないか考えることができた

技術が得意でそれが十二分に活かせるなら、エンジニアとしてこれほど幸せなことはないと思います。
でも、全員が同じように技術オンリーで価値を出していくのかというとそうじゃないとも思います。
私のように「エンジニア組織に技術ではない何かで貢献する」という手も普通にアリだと思います。

最後に

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
エンジニアのキャリアは技術力だけでなく「技術力」+「得意な何か」で生存戦略を考えるのもありでは?という、一つの提案でした。
キャリアにちょっと迷った時にこの記事を思い出していただけたら幸いです。
なお、この記事の内容は 2021/9/29 にクラスメソッド様との共催したイベント
進化するエンジニアキャリアパスの在り方」にて登壇させていただ際に使用したLTスライドを元に再構成したものです。
もしよろしければスライドの方もご覧いただければと思います。
https://speakerdeck.com/lmi/engineer-career-presentation-miyazaki

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