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小規模LANの構築ノウハウ(0) OpenBlockS AX3(LAN2ポート版)をセットアップする

Last updated at Posted at 2019-05-05

TL;DR

  • いまさら感がありますが,OpenBlockS AX3(LAN2ポート版)を使って,L3ルータ(家庭内LANからインターネットへの出入り口となるマシン)を作るための,セットアップを行います
    • 販売終了がアナウンスされてしまいました(2019年1月29日)
    • セットアップ手順は,ユーザガイド(pdf)を踏襲します
  • Linuxインストール後の作業手順は,他のLinuxマシンのセットアップでも利用できます

手順概要

以下の手順でセットアップを行います

  1. OpenBlockS(OBS)にSSDを接続します
  2. 初期化モードで起動します
  3. シリアルケーブルを接続してログインします
  4. OBSを初期化します
  5. 初期設定として,SSD(ストレージ併用モード)の使用と,ネットワーク接続を行います
  6. 初期セットアップ(ツールインストール,ユーザ作成など)

0. OpenBlockS概要

以下はLAN2ポート版のスペックです.4ポート版はメモリスロットが付いています.

  • 2コアARMv7 1.33GHz
  • 1GB RAM
  • 1000BASE-T 2ポート
  • 2.5インチストレージ接続用SATA3ポート
  • Debian Linux 9

1. OpenBlocksにSSDを接続する

  • ケースを開くとSATAスロットが見えるので,SSDを接続します
    • IMG_0897.png_2.jpg
  • 東芝製SSD 60GBを接続しました
    • IMG_0898.png_2.jpg

2. OpenBlockSを初期化モードで起動する

  • INITボタンを押しながら電源を接続します
    • 5秒程度立ったらボタンを離します
    • 初期化状態で起動します

3. シリアルケーブルを接続してログイン

  • USB-Serialケーブルを,OBSのCONSOLEポートとホストPCのUSBポートに接続します
  • ホストPCのデバイスマネージャで,COMポートを確認します
    • COM3として認識されました
    • 5ccd3f00b6d5be0045f17ec9.png
  • ホストPCでputtyを立ち上げます
    • 以下の設定で「接続」すると,OBSのログインプロンプトが表示されます
    • ユーザroot,パスワードrootでログインできます
設定
接続タイプ Serial
シリアルポート COM3
スピード 115200

5ccd3f11b6d5be0045f17ecb.png

4. OBSの初期化

RAMディスクとSSDを初期状態にする

  • RAMディスク設定の初期化
    • 以下のコマンドを実行します
    • 確認のプロンプトが表示されるので「y」キーで承諾します
flashcfg -e
flashcfg -E
  • SSDのラベルを削除して,新たに使えるようにします
e2label /dev/sda1 ""
  • ここまでで,OBSが初期状態になります
  • reboot コマンドで再起動すると,初期設定状態なります
    • ただし,まだSSDを使う状態になっていないので,この時点でツールのインストールなどをしても,再起動すると初期状態に戻ってしまいます

(必要なら) Debian8から9へのアップデート

  • eth0にLANケーブルを指し,DHCPサーバが動作する適当なルータに接続します(IPを取得してネットワークに接続できるようにします)
    • 以下のように,モデルに合わせたOSイメージを取得し,flashcfgコマンドで書き込みます
    • rebootコマンドで再起動すると,新しいOSイメージでOBSが立ち上がります
ifdown eth0
dhclient eth0
cd /root
# OBS-AX3 (LANポートが2つのモデル)
wget http://ftp.plathome.co.jp/pub/OBSAX3_2/stretch/4.4.120-0/uImage.initrd.obsax3
# OBS-AX3 (LANポートが4つのモデル)
wget http://ftp.plathome.co.jp/pub/OBSAX3_4/stretch/4.4.120-0/uImage.initrd.obsax3
flashcfg -f uImage.initrd.obsax3

Save firmware file to FlashROM.
Are you ok? [y|N] y
.....<snip>.....
done
reboot

5. 初期設定

SSDを使用する設定(ストレージ併用モード)

  • 以下のように,fdiskコマンドでパーティション設定を行います
fdisk /dev/sda
Command (m for help): o (パーティションをすべて削除)
Command (m for help): n (パーティション作成)
Partition type
   p   primary (0 primary, 0 extended, 4 free)
   e   extended (container for logical partitions)
Select (default p): p (プライマリパーティションを選択)
Partition number (1-4, default 1): 1 (パーティション番号1)
First sector (2048-117231407, default 2048): (Enterキーでデフォルト設定)
Last sector, +sectors or +size{K,M,G,T,P} (2048-117231407, default 117231407):(Enterキーでデフォルト設定)

Created a new partition 1 of type 'Linux' and of size 55.9 GiB.

Command (m for help): w (パーティションを書き込み)
The partition table has been altered.
Calling ioctl() to re-read partition table.
Syncing disks.
  • パーティションのフォーマット
    • 作成したパーティションをDEBIANラベルでext4フォーマットします
mke2fs -t ext4 -j -L DEBIAN /dev/sda1
  • 以降,再起動するとSSDがマウントされた状態で起動します
    • SSDにOSの状態が不揮発化される,通常のLinuxマシンのように使えるように使えるようになります

パスワードの変更

  • パスワードがrootだとまずいので,パスワードを変更します
passwd
# 設定したいパスワードを2回入力

ネットワークの設定

  • 初期設定は以下のようになっています
eth0      inet addr:192.168.254.254  Bcast:192.168.254.255  Mask:255.255.255.0
eth1      inet addr:192.168.253.254  Bcast:192.168.253.255  Mask:255.255.255.0
  • それを,例えば,以下のように変更します
eth0      DHCPで取得
eth1      192.168.100.1/24
  • eth0にLANケーブルを指し,DHCPサーバが動作する適当なルータに接続しておきます
    • /etc/network/interfacesを編集して,eth0/eth1それぞれのIPの取得方法をしています
vi /etc/network/interfaces

auto eth0
iface eth0 inet dhcp

auto eth1
iface eth1 inet static
     address 192.168.100.1
     network 192.168.100.0
     netmask 255.255.255.0
     broadcast 192.168.100.255
  • ネットワーク設定を読み込み直します
/etc/init.d/networking restart
  • DHCPでeth0にIPが割り振られ,ネットワークに接続できることを確認します

5. 初期セットアップ

  • 以降は通常のDebian系Linuxのセットアップと同様の手順です
  • この記事では,以下の手順を紹介します
    • 初期アップデート,aptitudeの利用,各種ツールのインストール
    • ユーザの作成,sudo設定
    • セキュリティ周りの設定

アップデート&ツールのインストール

  • パッケージマネージャとしてaptitudeを使います
  • lesssudozshをインストールします
  • localeの設定もこの時点でしてしまいます
apt-get update
apt-get install -y aptitude
aptitude update -y
aptitude install -y less sudo zsh rsync curl locales

# localeの設定
cp /etc/locale.gen /etc/locale.gen.orig
sed -i "s/# ja_JP.UTF-8 UTF-8/ja_JP.UTF-8 UTF-8/" /etc/locale.gen
locale-gen
update-locale LANG=ja_JP.UTF-8

ユーザの作成

  • 例として,myoshimiユーザを作成します
    • usersグループに所属させることにします
    • ログインシェルをzshに変更します
    • sudoersに登録します
useradd -m -g users myoshimi
passwd myoshimi
# ログインシェルを/bin/zshに変更
chsh myoshimi

# sudoに作成したユーザを追加
sh -c "echo \"myoshimi ALL=(ALL) ALL\" >> /etc/sudoers"

セキュリティ関連の設定

  • (必要であれば)selinuxの無効化設定を行います
  • sshdのルートログインを禁止します
# rootログイン禁止
sed -i "s/PermitRootLogin yes/PermitRootLogin no/" /etc/ssh/sshd_config
/etc/init.d/ssh restart

# selinuxの無効化
sed -ir "s/SELINUX=permissive/SELINUX=disabled/g" /etc/selinux/config
setenforce 0

稼働確認

  • sshコマンドで,OBSのIPアドレス(eth0/eth1のどちら側のネットワークから接続するかによって異なる)にログインできることを確認します
  • 以降は,通常のDebianマシンとして運用ができます

参考

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