はじめに
いろいろ課題を残しつつもMindでリレーショナルデータベースのトランザクションを書けるようになってきましたので、トランザクションスコープで囲ってSQLを実行した際に、エラーがおきたときに戻り値評価のままですと分岐が入れ子になりやすいので、なにかよい方法ないですかねと@killyさんに伺ったところご提案いただきましたので、それでインスパイアされた内容をここに記します。
想定読者
日本語プログラミング言語Mindのユーザーさん
Java/C#など一般的な実装言語のライブラリでデータベース処理を書いている実装ご担当者の方は対象外です。usingで囲ったりtry catchで囲ったり、インタセプタで処理したりとかいろいろかと思いますので気にしないでください。
お題のソースコード
Mind
Mindのソース全体像はMindでデータベースSQLServer2022 トランザクションしてみる(ステップ2.0)トランザクション事始めをご参照ください。killyさんのご提案内容が2つ、この記事のコメントで書かれていて2つ目が本記事のお題です。
お題のソースは下記のとおりです。
メインとは
※略※
本体とは
API初期処理しておき retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば 終わり つぎに
datasourceで DB接続し
成功ならばここから
SELECTで SQL文をセットし
1で 整数のSQLパラメータをセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
結果セット取得し resultSetに 入れ 結果セットを表示する
トランザクションを開始し
成功ならばここから
INSERTで SQL文をセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
3で 整数のSQLパラメータをセットし
SQLコマンド実行し retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば Tranスコープを抜け出し
つぎに
UPDATEで SQL文をセットし
「まいんど&00&」で 文字列のSQLパラメータをセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
SQLコマンド実行し retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば Tranスコープを抜け出し
つぎに
DELETEで SQL文をセットし
1で 整数のSQLパラメータをセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
SQLコマンド実行し retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば Tranスコープを抜け出し
つぎに
ここまでトランザクションスコープです
[ret = 0] ならば トランザクションをコミットし
さもなければ トランザクションをロールバックし
つぎに
SELECTで SQL文をセットし
1で 整数のSQLパラメータをセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
結果セット取得し resultSetに 入れ 結果セットを表示する
DB切断し
ここまで実行可能です
API破棄処理すること。
解説
少しソースコードを解説します。
成功ならばここから
や、接続のスコープ範囲の下記の単語と
ここまで実行可能です
トランザクションスコープの下記の単語は
ここまでトランザクションスコープです
下記のMind標準単語のエイリアスです。
成功ならばここからは 回数指定と 等価。
ここまで実行可能ですは 繰り返すと 等価。
ここまでトランザクションスコープですは 繰り返すと 等価。
成功ならばここから
上記の単語の手前の
DB接続し
トランザクションを開始し
はAPI関数の戻り値を反転させて、成功したときに1を、失敗したときは0を返すようにしました。それにより、成功したときだけスコープ範囲を1回実行可能、失敗したときはスコープ範囲を空振りさせています。
DB接続とは (接続文字列 → 1:成功/0:失敗)
retは 変数
openDbで API関数を呼び出し retに 入れ
[ret = 0] ならば 「DB接続 成功」を 一行表示し
さもなければ 「DB接続 失敗」を 一行表示し
つぎに
[ret = 0]を 返す。
トランザクションを開始とは (・ → 1:成功/0:失敗)
retは 変数
0で コミットモードをセットし retに 入れ
[ret = 0]を 返す。
SQLコマンド実行し retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば Tranスコープを抜け出し
つぎに
上記の「Tranスコープを抜け出し」は、もうお気づきの方も多い方と思いますが
Tranスコープを抜け出すとは 打ち切りと 等価。
「打ち切り」のエイリアスです。ここは「打ち切り」でも通じるかもしれませんね。
実行結果
実行結果は(ステップ2.0)の記事と同じ想定なのですが、下記のところまでしか動きませんでした。動かないところでも記事にしてしまういい度胸。
C:\pmind\sample>mssqlodbc10.exe
ODBCライブラリをロードする
ロード成功
関数アドレス群を取得
取得成功
DSText --> Driver={ODBC Driver 17 for SQL Server};Server=(local)\SQLEXPRESS;Database=日本語プログラミング言語;UID=sa;PWD=****;
SQLAllocEnv --> 0
SQLAllocConnect --> 0
SQLConnect --> 1
SQLAllocStmt --> 0
paramCountInt --> 0
paramCountStr --> 0
paramNumber --> 0
DB接続 成功
paramCountInt --> 1
paramNumber --> 1
param --> 1
paramCountInt --> 2
paramNumber --> 2
param --> 7
SQLText --> SELECT LN.言語ID,LN.言語名,LN.よみがな,DLN.開発言語ID,DLN.開発言語名 FROM 言語名 AS LN LEFT JOIN 開発言語 AS DL ON LN.言 語ID = DL.言語ID LEFT JOIN 開発言語名 AS DLN ON DLN.開発言語ID=DL.開発言語ID WHERE LN.言語ID IN (?,?)
SQLExecDirect --> 0
paramCountInt --> 0
paramCountStr --> 0
paramNumber --> 0
C:\pmind\sample>
局所単語の「結果セットを表示する」が動いていない感じで、その直前までのAPIのデバッグコンソール出力は正常っぽい。(つづく)
この記事内容の作業環境
Windows11 Pro 22H2
CPU Intel(R) Core(TM) i3-5005U 2.00 GHz
Microsoft Visual Studio Community 2022 Version 17.4.4
Microsoft Visual C++ 2022
Mind Version 8.0.08 for Windows
SQL Server 16.0.1000.6 Express Edition
SQL Server Management Studio 19.2.56.2
参考情報
ソースコード全文
DLLは 変数。
DLLパスは 文字列定数 "C:\developments\mssqlodbc32\Debug\mssqlodbc32.dll"。
関数名は 文字列定数配列
「openDb」
「closeDb」
「exec」
「setStatement」
「bindParameterInt」
「bindParameterStr」
「getResultset」
「execCommand」
「setAutoCommit」
「endTransaction」。
openDbは 定数 1。
closeDbは 定数 2。
execは 定数 3。
setStatementは 定数 4。
bindParameterIntは 定数 5。
bindParameterStrは 定数 6。
getResultsetは 定数 7。
execCommandは 定数 8。
setAutoCommitは 定数 9。
endTransactionは 定数 10。
関数の個数は 定数 関数名の 要素数。
関数アドレスは 関数の個数の 変数。
結果セット型は 型紙
列データは 変数
全体は
1000の 列データ。
ODBCライブラリをロードとは (・ → 真偽)
DLLパスで モジュールをロードし
DLLに 入れ
DLLが ゼロ以外を 返すこと。
ODBCライブラリを破棄とは (・ → ・)
DLLが ゼロ以外
ならば DLLで モジュールを解放し
DLLを クリアする
つぎに。
ODBC関数アドレス群を取得とは (・ → ・)
関数の個数を
回数指定し
DLLと 関数名(回数)で モジュールの関数アドレスを得て
関数アドレス(回数)に 入れ
エラー?
ならば 打ち切り
つぎに
繰り返し。
API破棄処理とは (・ → ・)
「ODBCライブラリを破棄する」を 一行表示し
ODBCライブラリを破棄する。
API初期処理とは (・ → 0/1)
「ODBCライブラリをロードする」を 一行表示し
ODBCライブラリをロードし 偽? ならば 「ロード失敗」を 一行表示し 1を 返し 終わり
つぎに
「ロード成功」を 一行表示し
「関数アドレス群を取得」を 一行表示し
ODBC関数アドレス群を取得し エラー? ならば 「取得失敗」を 一行表示し
ODBCライブラリを破棄してから 1を 返し 終り
つぎに
「取得成功」を 一行表示し 0を 返す。
API関数を呼び出しとは (引数、番号 → 結果)
関数アドレス(スタック)で アドレス指定でAPI呼出1すること。
DB接続とは (接続文字列 → 1:成功/0:失敗)
retは 変数
openDbで API関数を呼び出し retに 入れ
[ret = 0] ならば 「DB接続 成功」を 一行表示し
さもなければ 「DB接続 失敗」を 一行表示し
つぎに
[ret = 0]を 返す。
成功ならばここからは 回数指定と 等価。
ここまで実行可能ですは 繰り返すと 等価。
SQL実行とは execで API関数を呼び出す。
DB切断とは $$NULLと closeDbで API関数を呼び出す。
SQL文をセットとは setStatementで API関数を呼び出す。
整数のSQLパラメータをセットとは bindParameterIntで API関数を呼び出す。
文字列のSQLパラメータをセットとは bindParameterStrで API関数を呼び出す。
結果セット取得とは $$NULLと getResultsetで API関数を呼び出す。
SQLコマンド実行とは $$NULLと execCommandで API関数を呼び出す。
コミットモードをセットとは setAutoCommitで API関数を呼び出す。
トランザクションを終了とは endTransactionで API関数を呼び出す。
トランザクションを開始とは (・ → 1:成功/0:失敗)
retは 変数
0で コミットモードをセットし retに 入れ
[ret = 0]を 返す。
Tranスコープを抜け出すとは 打ち切りと 等価。
ここまでトランザクションスコープですは 繰り返すと 等価。
トランザクションをコミットとは 1で トランザクションを終了する。
トランザクションをロールバックとは 0で トランザクションを終了する。
メインとは
datasourceは 文字列定数 「Driver={ODBC Driver 17 for SQL Server};Server=(local)\SQLEXPRESS;Database=日本語プログラミング言語;UID=sa;PWD=****;&00&」
SELECTは 文字列定数 「SELECT LN.言語ID,LN.言語名,LN.よみがな,DLN.開発言語ID,DLN.開発言語名 FROM 言語名 AS LN 」続
「LEFT JOIN 開発言語 AS DL ON LN.言語ID = DL.言語ID 」続
「LEFT JOIN 開発言語名 AS DLN ON DLN.開発言語ID=DL.開発言語ID WHERE LN.言語ID IN (?,?)&00&」
INSERTは 文字列定数 「INSERT INTO 開発言語 (言語ID,開発言語ID) VALUES (?,?)&00&」
UPDATEは 文字列定数 「UPDATE 言語名 SET よみがな = ? WHERE 言語ID = ?&00&」
DELETEは 文字列定数 「DELETE 開発言語 WHERE 言語ID2 = ? AND 開発言語ID = ?&00&」
retは 変数
resultSetは 変数
iは 変数
結果セットを表示するとは
[resultSet ≠ 0] ならば
[i := 1]
ここから
resultSetの 列データ(i)が 0に 等しい ならば 打ち切り つぎに
「|」を 表示し
resultSetの 列データ(i)を Mind文字列に変換し 表示し
iを 一つ増加し
繰り返し
つぎに
本体とは
API初期処理しておき retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば 終わり つぎに
datasourceで DB接続し
成功ならばここから
SELECTで SQL文をセットし
1で 整数のSQLパラメータをセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
結果セット取得し resultSetに 入れ 結果セットを表示する
トランザクションを開始し
成功ならばここから
INSERTで SQL文をセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
3で 整数のSQLパラメータをセットし
SQLコマンド実行し retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば Tranスコープを抜け出し
つぎに
UPDATEで SQL文をセットし
「まいんど&00&」で 文字列のSQLパラメータをセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
SQLコマンド実行し retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば Tranスコープを抜け出し
つぎに
DELETEで SQL文をセットし
1で 整数のSQLパラメータをセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
SQLコマンド実行し retに 入れ
[ret ≠ 0] ならば Tranスコープを抜け出し
つぎに
ここまでトランザクションスコープです
[ret = 0] ならば トランザクションをコミットし
さもなければ トランザクションをロールバックし
つぎに
SELECTで SQL文をセットし
1で 整数のSQLパラメータをセットし
7で 整数のSQLパラメータをセットし
結果セット取得し resultSetに 入れ 結果セットを表示する
DB切断し
ここまで実行可能です
API破棄処理すること。