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Mind7/8からMind9βへの移行 C言語DLL拡張単語は動作するか(odbcライブラリ)

Last updated at Posted at 2025-02-24

はじめに

Mind9βを開発元@killyさんの御厚意により評価用としてご提供いただきましたので、Mind9βのTclとのインターフェース単語をいろいろ評価してまいりました。ここで気になるのは従来のMind7/8用に実装したC言語DLL拡張単語は動作するかということです。そこで昨年実装しておりましたodbcのC言語インターフェースが動作するか確認してみました。

前提条件

Windows11 Pro 22H2 22621.4169
mind version9-BETA-6

Microsoft Visual Studio Community 2022 Version 17.4.4
Microsoft Visual C++ 2022
SQL Server 16.0.1000.6 Express Edition
SQL Server Management Studio 19.2.56.2

下記のRDBにも対応はしていますが、今回検証環境はMSSQLです。
MySQL Community Server 8.3.0 winx64
mysql-workbench-community-8.0.36-winx64
mysql-connector-odbc-8.0.35-win32
postgresql-16.1-1-windows-x64
pgAdmin4↑これにはいってたやつ
psqlodbc_16_00_0000-x86

お題のデータべース

SQLServer、Mysql、PostgreSQLでは共通のテーブル構成のデータベースを作成しています。データベース名は「日本語プログラミング言語」です。今回もそれを利用します。今回検証しているのはSQLServerです。

db.png

お題のソースコード

C

C側のプロジェクト配置構成はこちらの記事をご参照ください。

Mind

ライブラリ

昨年書いていた単語名を少し調整して、TclOdbc版とある程度揃えました。ただし、TclOdbc版の成功が1であるのに対してOdbc版は0です。

odbcc.src
        未定義条件コンパイル 定数。
Mind7は    	数値 	1。
定数は 		数値と 等価。
        条件コンパイル終り。
DLLは 			変数。
DLLパスは 文字列定数	"C:\developments\mssqlodbc32\Debug\mssqlodbc32.dll"。

関数名は 文字列定数配列
「openDb」
「closeDb」
「exec」
「setStatement」
「bindParameterInt」
「bindParameterStr」
「getResultset」
「execCommand」
「setAutoCommit」
「endTransaction」
「getErrorMsg」。

openDbは 			定数 1。
closeDbは 			定数 2。
execは 			定数 3。
setStatementは 	定数 4。
bindParameterIntは 定数 5。
bindParameterStrは 定数 6。
getResultsetは 	定数 7。
execCommandは 		定数 8。
setAutoCommitは 	定数 9。
endTransactionは 	定数 10。
getErrorMsgは 		定数 11。

関数の個数は 		定数 関数名の 要素数。
関数アドレスは 	関数の個数の 変数。
結果セット型は 	型紙
   列データは 	変数
   全体は
   1000の 列データ。

接続文字列最大長は 定数 400バイト。
SQL文字列最大長は 	定数 2000バイト。
パラメータ文字列最大長は 定数 400バイト。

成功は 定数 0。
失敗は 定数 1。

ODBCライブラリをロードとは (・ → 真偽)
	DLLパスで モジュールをロードし 
	DLLに 入れ
	DLLが ゼロ以外を 返すこと。


ODBCライブラリを破棄とは (・ → ・)
    DLLが ゼロ以外
	ならば DLLで モジュールを解放し
			DLLを クリアする
	つぎに。

ODBC関数アドレス群を取得とは (・ → ・)
	関数の個数を
	回数指定し
		DLLと 関数名(回数)で モジュールの関数アドレスを得て
		 関数アドレス(回数)に 入れ
		エラー?
			ならば 打ち切り
			つぎに
	繰り返し。

API破棄処理とは 			(・ → ・)
  「ODBCライブラリを破棄する」を 一行表示し
  ODBCライブラリを破棄する。

API初期処理とは 			(・ → 0:成功/1:失敗)

  「ODBCライブラリをロードする」を 一行表示し
  ODBCライブラリをロードし 偽? 
	ならば 「ロード失敗」を 一行表示し 失敗を 返し 終わり
  つぎに
  「ロード成功」を 一行表示し
  「関数アドレス群を取得」を 一行表示し
  ODBC関数アドレス群を取得し エラー? 
		ならば 「取得失敗」を 一行表示し 
				ODBCライブラリを破棄してから 失敗を 返し 終り
     つぎに
    「取得成功」を 一行表示し 成功を 返す。

API関数を呼び出しとは 		(引数、番号 → 結果)
	関数アドレス(スタック)で アドレス指定でAPI呼出1すること。

DB接続とは 	 				(接続文字列 → 0:成功/0以外:失敗)			
	成否は	変数
	connectStrは 文字列実体 長さ 接続文字列最大長
	connectStrに 入れ
	0を connectStrに 一文字追加し
	connectStrと openDbで API関数を呼び出し 成否に 入れ
	成否が 成功に 等しい ならば 「DB接続 成功」を 一行表示し 
	さもなければ 「DB接続 失敗」を 一行表示し
	つぎに
	成否を 返す。


SQL実行とは 	 				(SQL文字列 → 0:成功/0以外:失敗)
	commandStrは 文字列実体 長さ SQL文字列最大長
	commandStrに 入れ
	0を commandStrに 一文字追加し
	commandStrと execで 		API関数を呼び出す。

DB切断とは		    			(・ → 0:成功/0以外:失敗)
	$$NULLと  	closeDbで 		API関数を呼び出す。
SQL文をセットとは				(SQL文字列 → 0:成功/0以外:失敗)
	commandStrは 文字列実体 長さ SQL文字列最大長
	commandStrに 入れ
	0を commandStrに 一文字追加し			
	commandStrと setStatementで 	API関数を呼び出す。

整数のSQLパラメータをセットとは		bindParameterIntで 	API関数を呼び出す。

文字列のSQLパラメータをセットとは (文字列 → 0:成功/0以外:失敗)
	parameterStrは 文字列実体 長さ パラメータ文字列最大長
	parameterStrに 入れ
	0を parameterStrに 一文字追加し		
	parameterStrと bindParameterStrで 	API関数を呼び出す。

結果セット取得とは 			(・ → 0:成功/0以外:失敗)
		    $$NULLと 	getResultsetで 	API関数を呼び出す。
SQLコマンド実行とは 		(文字列 → 0:成功/0以外:失敗)
		    $$NULLと 	execCommandで 		API関数を呼び出す。
SQLエラー取得とは		 (・ → 0:成功/0以外:失敗)
	$$NULLと 	getErrorMsgで 		API関数を呼び出す。

結果セットを表示するとは	(・ →  ・)
	resultSetは 	変数
	iは 		変数
	resultSetに 入れ
	[resultSet ≠ 0] ならば

		[i := 1]
		ここから
			resultSetの 列データ(i)が 0に 等しい ならば 打ち切り つぎに
			「|」を 表示し
			resultSetの 列データ(i)を Mind文字列に変換し 表示し
			iを 一つ増加し
		繰り返し
	つぎに。

	
コミットモードをセットとは	(・ → 0:成功/0以外:失敗)
	setAutoCommitで 	API関数を呼び出す。
トランザクションを終了とは 	(・ → 0:成功/0以外:失敗)
	endTransactionで 	API関数を呼び出す。


トランザクションを開始とは	 (・ → 0:成功/0以外:失敗)	
0で コミットモードをセットする。

コミットとは	 			(・ → 0:成功/0以外:失敗)		
1で トランザクションを終了する。
ロールバックとは 		 	(・ → 0:成功/0以外:失敗)
0で トランザクションを終了する。

ここからトランザクションは 	定数 1。
スコープ開始とは 			  回数指定と 	等価。
スコープを抜け出すとは 		打ち切りと 	等価。
ここまでスコープは			  繰り返すと		等価。

MSSQL版テスト用コード

したがってテストコード(アプリケーション側)の書き味はC言語拡張による場合とTcl言語拡張による場合でかなり同じコードで書けるようにしています。

testodbcc.src

"odbcc"を コンパイルする。

datasourceSqlsvrは 文字列定数 「Driver={ODBC Driver 17 for SQL Server};Server=(local)\SQLEXPRESS;Database=日本語プログラミング言語;UID=sa;PWD=mind;」。
datasourceMysqlは 文字列定数 「Driver={MySQL ODBC 8.0 Unicode Driver};Server=localhost;Port=3306;Database=日本語プログラミング言語;UID=root;PWD=mind;charset=cp932」。
datasourcePgsqlは 文字列定数 「Driver={PostgreSQL UNICODE};Server=localhost;Port=5432;Database=日本語プログラミング言語;UID=postgres;PWD=mind;」。


メインとは

	※SELECTは   文字列定数 「SELECT * FROM 言語名 WHERE 言語ID IN (1,7)」
	SELECTは   文字列定数 「SELECT LN.言語ID,LN.言語名,LN.よみがな,DLN.開発言語ID,DLN.開発言語名 FROM 言語名 AS LN 」続
				「LEFT JOIN 開発言語 AS DL ON LN.言語ID = DL.言語ID 」続
				「LEFT JOIN 開発言語名 AS DLN ON DLN.開発言語ID=DL.開発言語ID WHERE LN.言語ID IN (?,?)」	
	INSERTは   文字列定数 「INSERT INTO 開発言語 (言語ID,開発言語ID) VALUES (?,?)」
	UPDATEは   文字列定数 「UPDATE 言語名 SET よみがな = ? WHERE 言語ID = ?」
	DELETEは   文字列定数 「DELETE 開発言語 WHERE 言語ID = ? AND 開発言語ID = ?」
	成否は 		変数

	API初期処理しておき 成功に 等しい 
        でなければ 終わり つぎに

	datasourceSqlsvrで DB接続し 成功に 等しい 
        でなければ 終わり つぎに


		SELECTで SQL文をセットし
		1で 整数のSQLパラメータをセットし
		7で 整数のSQLパラメータをセットし
		結果セット取得し 結果セットを表示する

		トランザクションを開始し

        ここからトランザクションの スコープ開始

			INSERTで SQL文をセットし
			7で 整数のSQLパラメータをセットし
			3で 整数のSQLパラメータをセットし
			SQLコマンド実行し 成否に 入れ
			成否が 成功に 等しい でなければ スコープを抜け出し
			つぎに

			UPDATEで SQL文をセットし
			「まいんど」で 文字列のSQLパラメータをセットし
			7で 整数のSQLパラメータをセットし
			SQLコマンド実行し 成否に 入れ
			成否が 成功に 等しい でなければ スコープを抜け出し	
			つぎに

			DELETEで SQL文をセットし
			1で 整数のSQLパラメータをセットし
			7で 整数のSQLパラメータをセットし
			SQLコマンド実行し 成否に 入れ
			成否が 成功に 等しい でなければ スコープを抜け出し	
			つぎに
	
		ここまでスコープ


		成否が 成功に 等しい 
        ならば コミットし
		さもなければ	 
			SQLエラー取得し Mind文字列に変換し 一行表示し
			ロールバックし
		つぎに

		SELECTで SQL文をセットし
		1で 整数のSQLパラメータをセットし
		7で 整数のSQLパラメータをセットし
		結果セット取得し 結果セットを表示する

		DB切断し


	API破棄処理すること。

ビルド結果

ではビルドします。

C:\developments\vscode\mind9>mind testodbcc file

日本語プログラミング言語 Mind Version 8.11 for Windows
          Copyright(C) 1985 Scripts Lab. Inc.
コンパイル中 .. 終了
Coping.. C:\mind9-beta\mind9-beta\bin\mindex.exe --> testodbcc.exe

少しライブラリ部分は書き換えていましたので、すぐにビルド成功したわけではありませんが、無事に成功しました。

実行結果

ではつづいて実行してみます。

C:\developments\vscode\mind9>testodbcc
ODBCライブラリをロードする
ロード成功
関数アドレス群を取得
取得成功
DB接続 成功
|言語ID|言語名|よみがな|開発言語ID|開発言語名|
|1|Mind|まいんど|1|C|
|1|Mind|まいんど|8|Mind|
|1|Mind|まいんど|10|Tcl/Tk|
|7|Mind for Android|まいんどふぉーあんどろいど|3|Java|
23000 [Microsoft][ODBC Driver 17 for SQL Server][SQL Server]制約 'PK_開発言語' の PRIMARY KEY 違反。オブ ジェクト 'dbo.開発言語' には重複するキーを挿入できません。重複するキーの値は (7, 3) です。
|言語ID|言語名|よみがな|開発言語ID|開発言語名|
|1|Mind|まいんど|1|C|
|1|Mind|まいんど|8|Mind|
|1|Mind|まいんど|10|Tcl/Tk|
|7|Mind for Android|まいんどふぉーあんどろいど|3|Java|
ODBCライブラリを破棄する

SQLServerのDB状態は最後にTcl版でトランザクションを成功させた状態でしたので、PK主キー制約違反でトランザクションがロールバックしました。これは成功です。

C2022(VisualStudio2022)で実装したDLLの依存関係

昨年実装したDLLの依存関係ですが、実は最近ユニバーサルCRTの存在に気づいたのですが、当時はあまり気にしておらず、従来のCRTで動いているMind7/8のランタイムで正常動作するのを確認しておりました。このDLLを実装しCのバージョンからして、またVisualStudio2022という環境の既定として恐らくユニバーサルCRTがリンクしているだろうと思い、念のため確認いたしました。

C:\developments\mssqlodbc32\Debug>dumpbin mssqlodbc32.dll /DEPENDENTS
Microsoft (R) COFF/PE Dumper Version 14.42.34438.0
Copyright (C) Microsoft Corporation.  All rights reserved.


Dump of file mssqlodbc32.dll

File Type: DLL

  Image has the following dependencies:

    ODBC32.dll
    VCRUNTIME140D.dll
    ucrtbased.dll
    KERNEL32.dll

  Summary

        1000 .00cfg
        1000 .data
        1000 .idata
        1000 .msvcjmc
        3000 .rdata
        1000 .reloc
        1000 .rsrc
        8000 .text
       10000 .textbss

やっぱりユニバーサルCRTがリンクされていました。
VisualStudion2022がインストールされている環境での実行ですので、vcruntime140(d).dllが既に入っているため気が付きませんでした。

おわりに

いかがでしたでしょうか?なにかの参考になれば幸いです。

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