1.はじめに
三菱電機のPLC「MELSEC FX3Uシリーズ CPU」に、あとからRS-485通信ユニットを拡張したときに、元々設置していたFX3U-USB-BD経由での通信ができずハマってしまいました。
ここではその対策について説明します。
2.背景
(1)元々の状況
- MELSEC FX3Uシリーズには、CPU本体にUSB接続端子が無く、GXWorksからCPUへの通信はRS-485での通信だけになります
- そのため、タッチパネル(GOT 1000)をRS-485に接続すると、GXWorksからCPUへの通信は、タッチパネル経由だけが可能になります
- タッチパネル経由での通信速度は速くないので、FX3U-USB-BDを拡張して、USB経由で接続できるようにしていました
↑ CPU本体のRS-485端子(タッチパネルへ接続)
↑ FX3U-USB-BDのUSB端子(パソコンのGXWorksへ接続)
(2)RS-485通信ユニットを拡張
- インバータ(FREQROL D-700)を追加して、PLCからRS-485経由で速度可変できる状態にしたかった
- RS-485通信ユニット(FX3U-485ADP-MB)を追加
- GX Works2のPCパラメータ設定を変更
- FX3U-485ADP-MBの設定を
1ch
側に追加 - パラメータをPLCに書き込み
- FX3U-485ADP-MBの設定を
- 書き込んだ直後から通信ができなくなった!
※どうしようもないので、CPU本体のRS-485端子から通信・・・(なのでタッチパネルが動かない
3.処置
(1)原因
FX3U-485ADP-MBを1ch
に設定したことが原因でした。
実際は下記の様に割り当たっています。
チャンネル番号 | 接続機器 | |
---|---|---|
1ch | FX3U-USB-BD | これにもチャネルが割り当てられていた。しかも1ch!! |
2ch | FX3U-485ADP-MB |
したがって、PCパラメータ設定・「PCシステム設定2」で、FX3U-485ADP-MBを1ch側で使う設定をしてしまうと、実は1ch側に割り当たっているFX3U-USB-BDの通信設定が上書きされてしまい、FX3U-USB-BD経由でのGXWorksとの通信ができなくなってしまいます。
さらに困ったことに、
1chの設定を入れてしまったあとに気づいて「PCシステム設定2」の「ch1」のチェックを外してしまっても、シーケンサの中には設定が残ってしまい、GXWorkのPCパラメータ画面からは設定が直せなくなります。
(ひどい・・・)
(2)処置
- GXWorksをCPU本体のRS-485端子から通信できるように接続
- モニタモードに切り替え
-
D8120
(通信フォーマット設定)の値を、現在値変更ウィンドウから強制的に"0"
にする
- これで、先ほどの「GXWorkのPCパラメータ画面から設定が直せない」が回避出来ます
- D8120はバッテリーバックアップ対象なので、バッテリーを抜かない限り保持されたままになります・・・
- 下記の画像に従って、設定をし直す
- PLCにパラメータを書き込む
3.まとめ
この復帰の手順は、おそらくマニュアルからは読み取れないです・・・
なので、サポートセンターの方に相談して助けて頂きました。
(感謝