SaaS(Software as a Service)
クラウド上のソフトウェアを利用できるサービス
身近な例
- Gmail
- Google Docs
- Slack
メリット
- メンテナンス不要
- ネット環境さえあればどこでも使える
- 月額制が多く、導入コストが低い
デメリット
- ネット接続が必須
- データ移行が難しい
- 仕様はサービス提供者に依存するため、カスタマイズが難しい
向いているケース
- 手軽にツールを使いたいとき(例:メール、会計、営業管理)
- 開発やインフラの手間を省きたいとき
- 複数人で同時に使いたいとき(チーム作業)
PaaS(Platform as a Service)
クラウド上のプラットフォームを利用できるサービス
提供するもの
開発環境寄り
- 仮想サーバー(OS込み)
- データベース(MySQL、PostgreSQLなど)
- ランタイム環境(Node.js、Python、Rubyなど)
- 自動スケーリング、ログ管理、デプロイ機能 など
身近な例
- Google App Engine:自動スケーリング対応、GCPと統合
- AWS Elastic Beanstalk:Webアプリケーションのデプロイとスケーリングを支援するサービス
- Azure App Service:Webフロント、REST API、モバイルアプリのバックエンド機能を一括でホスティングできるプラットフォーム
メリット
- サーバー構築やOS更新が不要
- 自動スケーリング
- 簡単にデプロイができ、git pushするだけで公開できるサービスも多い
デメリット
- あるプラットフォームに依存すると、将来的な切り替えが難しい
- セキュリティ、パフォーマンスはベンダーに依存
向いているケース
- アプリを早くリリースしたいスタートアップ
- 小〜中規模のWebアプリを構築したいとき
IaaS(Infrastructure as a Service)
クラウド上のインフラストラクチャ(基盤)を利用できるサービス
提供されるもの
基盤寄り
- 仮想サーバー(VPS):インターネット経由で管理可能な仮想マシン
- ストレージ:データをクラウド上に保存するディスクスペース
- ネットワーク:仮想ネットワーク、IPアドレス、ロードバランサーなど
- バックアップ・リカバリ:データ保護のためのバックアップ機能
- オートスケーリング:リソースを需要に応じて自動で調整する機能
身近な例
- AWS EC2
- Google Compute Engine
- Microsoft Azure
メリット
- 物理サーバーを購入せず、必要な時だけ使うため、初期投資が不要
- インフラ管理の簡素化
- スケーラビリティ
- 外部のベンダーがインフラ管理をするため、災害時のリスク分散を行える
デメリット
- インフラの設定や管理は自分で行う必要があり、運用負荷がかかる
- インターネット障害時に利用できない
向いているケース
- 大規模なWebアプリケーションのインフラを柔軟に運用したいとき
- トラフィックの増減が予想されるサービスのホスティング
- 短期間でサーバーインフラを立ち上げたい場合
まとめ
SaaS、PaaS、IaaSはいずれもクラウドサービスの形態であり、手軽なソフト利用からアプリ開発、柔軟なインフラ構築までニーズに応じて選べます。用途や規模、技術力に応じて最適なサービスを使い分けることで、効率よくシステム運用が可能です。