リバースプロキシとは
クライアントのリクエストを受け取り、内部のサーバに転送する役割を持つサーバです
プロキシとの違い
プロキシはクライアントのリクエストを代理で処理し、外部のサーバにアクセスします。
一方、リバースプロキシはサーバ側に位置し、クライアントからのリクエストを受け取り、適切な内部のサーバに振り分けます
リバースプロキシのWebサイトを表示する流れ
- クライアントがインターネットを通じてリクエストを送信します
- リバースプロキシがリクエストを受け取ります
- リバースプロキシがリクエストを適切なWebサーバへ転送します
- Webサーバーがリバースプロキシに対してレスポンスを返します
- リバースプロキシがクライアントに対してレスポンスを送信します
リバースプロキシのメリット
サーバの負荷分散(ロードバランシング)
複数のバックエンドサーバーにリクエストを分散し、単一のサーバがオーバーロードになるリスクを低減します
セキュリティの向上
バックエンドサーバのIPアドレスを隠し、攻撃を防ぎます
キャッシュによるパフォーマンスの向上
静的コンテンツ(画像、CSS、JavaScript など)をキャッシュし、応答速度を向上させます
SSL/TLS 終端処理(HTTPS化)
SSL、TLSで通信の暗号化を行います
コンテンツの圧縮・圧縮解除
クライアントに送るデータを圧縮し、転送速度を向上させます
リバースプロキシのデメリット
リバースプロキシ停止による全体のシステム停止
リバースプロキシがダウンすると、すべてのバックエンドサーバが利用できなくなる可能性があります
データの転送や応答の速度低下
リバースプロキシを介することで、通信の処理時間が増える可能性があります
- 特に以下の処理が原因となることが多いです
- HTTPの終端処理(SSL/TLSの暗号化・復号化)
- キャッシュの確認
- ロードバランシングの計算
セキュリティリスク
-
X-Forwarded-For
ヘッダーの適切な処理がされていない場合、IPアドレスが露出します - 誤設定により、攻撃者がプロキシ経由で不正リクエストを送信できます
- DDoS攻撃の標的になりやすい
- すべてのリクエストがリバースプロキシを通過するため、攻撃者に狙われる可能性が高くなります
- キャッシュポイズニング
- 悪意のあるレスポンスをキャッシュしてしまうと、他のユーザーに不正なコンテンツを配信するリスクがあります
リソース消費の増加
暗号化・復号化や圧縮・解凍処理、キャッシュ管理などでCPUやメモリの負荷が増加します
設定と管理の複雑さ
- 適切な設定を行わないと、意図しない挙動(例:ヘッダー情報の欠落、キャッシュの問題)を発生させる可能性があります
- SSL/TLSの終端処理やロードバランシングの設定も必要になり、管理が複雑になります
代表的なリバースプロキシソフトウェア
- Nginx
- Apache HTTP Server
- HAProxy
- Traefik
- Cloudflare
まとめ
リバースプロキシは、Webアプリケーションのパフォーマンス向上やセキュリティの強化、負荷分散に役立つ重要な役割を果たします。リバースプロキシを適切に導入することで、システムの可用性や拡張性を向上させることができます。しかし、導入にあたっては、適切な設定と管理が求められ、誤った構成や過度な負荷が発生しないように注意が必要です。リバースプロキシを選ぶ際には、目的に応じたソフトウェア(Nginx、Apache、HAProxyなど)の選定と、セキュリティ対策を十分に考慮することが重要です。