こんにちは、技術的な話を書くことで技術警察に怒られてコメント欄が炎上して、令和のジャンヌダルクになるのが怖いむっそです。
先日書いた記事がなんだかトレンドに入ってしまって、LGTMをもらう度に 「もっと...LGTMください」 みたいな感じになってます。
これは禁断症状寸前です。
これでTikTokで承認欲求丸出しで踊りまくってる女子高生やベンチャー広報社員の気持ちが分かるようになって、ブログを書く楽しさに気づけました。
読んでいただいた方、ありがとうございます!我多大感謝!
今回はN=1のスタートアップ転職あるある を書いていくのですが、技術ゴリゴリな話よりかはもっとソフトな話をしたいと思います。
お昼休みのあいだで頭使わないで読むのに最適です。ただし今回は文章が多く脱線も時々するので、好きなところから、つまんで読んでもらっても良いですね。
はじめに
なんだか最近は 転職するならスタートアップか?大企業か? みたいな選択肢を持つエンジニアが増えてる気がします。スタートアップの自由度や働き方は楽しそうだけど 「スタートアップに踏み出すのが怖いなぁ」 というエンジニアの方とかに読んでもらえれば嬉しいです。
全体的なテーマとしては、スタートアップ転職する前の自分が読んだらちょっと安心できるだろうなというのがテーマです。
それちゃうねん的なコメントもお待ちしてます。
個人ブログなのでポジショントークも、意味不明なマウントも、キラキラした意識高い言葉も無いはず...です。
ご安心ください!
2022/03/06追記
twitterでエゴサしてたら日経の記事を発見。エンジニアに限らず転職市場の流れがスタートアップに来ているみたいですね。大企業と比べて給料に差がなくなってきたというのもあるだろうし、大企業的な終身雇用が崩壊してきて「安定のために色々我慢してきたけど、大企業ですら不安定になるんやったらもうええ、スキルアップしてやるわ」って感じなんですかね。
日本全体の高齢者割合が多いとはいえ、40-50代のスタートアップ転職者割合が多くなってきたというのも驚きです。
そうは言っても君は何者や
私自身の話をすると2017年くらいに大きめの企業の新規事業の開発をしてて、訳あって2021年8月あたりにダイレクトリクルーティングを中心に転職活動をしていました。そのときは思った以上にスタートアップからのスカウトがくるなぁ というのが印象でした。
そんなこともあって、スタートアップという選択肢もアリなのかもと思い始めて、カジュアル面談をたくさんした結果、ご縁をいただいて2021年10月くらいにスタートアップに正社員で転職して、今もそこで働いています。
正社員エンジニア3人、業務委託5人くらいの開発体制でやってて営業なども含めて全員で10人弱くらいの会社です。
前職が1000人以上いるような会社なのでまぁ転職怖かったですね...
スタートアップ転職して良かったか
多分一緒に働いている人と性格的に合うかどうかが8割くらいだとは思いますが、結論的には転職して良かったです。
良いことと悪いことは表裏一体なのでメリット/デメリットという軸ではなく、スタートアップあるあるを書いていきます。
あとは企業に属するという部分は大企業とかでも変わらず、企業ガチャや上司ガチャはもちろんありますので、こういう世界線があるんだなぁ程度に読んでいただくと良いかと...
あるあるとか言いつつ、織田裕二がレインボーブリッジを封鎖できるくらいには予防線を張りまくっております
スタートアップ転職活動中あるある
書類選考は前職/現職の仕事内容を詳細に書くと受けが良い
大きめの企業にいるときもエンジニア採用にちょっと関わっていたので、面接する側の知見を存分に生かしまくって、出汁をふんだんに取り尽くして転職しました。面接する側の時に思ったのは 「職務経歴書とかにもっと詳細な情報書けば良いのに」 と思うことは多かったです。
多分ビ〇リーチとかのフォーマットで綺麗に箇条書きで書いてるのはわかりやすいのですが、
AWS3年 とか書かれても読み手はふぁぁ?? なんですよね。IT3年やってましたくらいに情報量が不足しています。
転職って 「私はこれができます!」っていうシグナルをだす場なので、どういう経緯でシステムを作っていてその仕事はマネージャーだけをしたのか、ガッツリ現場で開発してたのか、大変だった苦労話とか課題をどうテクニカルに解決したのかみたいなのは知りたいと思うわけです。
なので私は職務経歴書に具体的な課題やらどんなAWSサービスを使ったかとか書けることは書きまくりました。
(話すのだるいから察してくれという気持ちもありますが)
特にスタートアップは人やスキルの不一致を大変恐れているので書類選考は詳細に書きまくる作戦のおかげで通過率は割と良かったのではないかと思ってます(自慢ぽいのはここだけです)
もっとこの辺の話を理論的にやってるのは情報の経済学とかで出てくる情報の非対称性 あたりの話ですね。
一応経済学部出身なので、ちゃんと使えそうなうんちくみたいなのは書いておきます
ざっくり言うと、売り手(転職する人)は自分のことをよく知っているので、自分が使えないク〇人間と分かっていても相手に対して自分を大きく見せたり知識人ぶったりできるのですが、買い手(企業側)は面接時間などでの短さではそれがハッタリなのか、実力なのか判断できないため騙されてしまう。みたいなやつです。
これを解決するためには
売り手側では「自分の実力はこんなんですよ」と情報を開示する(シグナリング)
買い手側は売り手に対して情報を開示させたり試験をさせることで真の実力を把握する(スクリーニング)
とかをちゃんとすることで情報の非対称性をなくしていこうぜ!って感じです。
職務経歴書に自分の情報を書きまくるのはめっちゃシグナリングです。
ちなみに技術ブログもめっちゃシグナリングです。
シグナルを出すのは大事ですが、変なシグナルを出して社会からSIGKILLされないように頑張らねば...
(なぜか分からないSIGTERMで、どん詰まった過去の記憶を唐突に思い出す)
カジュアル面談するだけで企業の色が結構見えてくる
スタートアップ怖いのでカジュアル面談は20社くらいはしました。ダイレクトスカウトのメールを80通くらいは読んで、
日本スタートアップ多すぎですやん 、と思ったくらいです。業務内容とか知って良さそうと思ったところはすぐカジュアル面談をしたのですが、会社によってカジュアル面談の色が違うんですね、これが。
どんな感じのやつがあったのか例を出すと
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スカウトメールでは「CTOから直接スカウトしてるんですよ」みたいな文面だったのにカジュアル面談は人事担当のみ、使ってる技術スタックの話が全くできない
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CTOっぽい人は出てきたけど、カジュアル面談をあまり知らないのか志望動機聞いてきた。
(CTOさんさー、まだ御社に志望すらしてないからねー、あともう少し笑顔の練習してくださいね、面接じゃないのでね。あとそこの人事担当、お前もだぞ?) -
プロジェクトマネージャーと現場エンジニアという組み合わせは良かったものの現場エンジニアのクセが強すぎて意思疎通できずマネージャーが苦笑いしてて、あっ察しってなるやつ
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めちゃくちゃ高齢な技術力強そうな人出てきたけど技術スタックを聞くとEC2ばかり出てくる
(EC2はクラウドではないです、コンテナ化頑張ってください(クラウド過激派))
普通に現場エンジニアからワクワクする技術スタックの話とかするのを期待してても、それができるのは思った以上に少なかった印象ですね。カジュアル面談してない現場の人たちは多分クラウド技術やアジャイルばりばりでやってるのかもしれん のだがね、カジュアル面談に出てきておくれよ。
まぁ悪い例ばかり目にはつきましたが、すごく刺激になったカジュアル面談もあるのでそういう会社に出会えるのは良い経験でした。
脱線しますが、カジュアル面談ってマッチングアプリ使い慣れてる人はうまい気がする んですよね。
いきなり家に連れ込もうとする(例:あなたの志望動機はなんですかと面接みたいなこと聞いてくる)のは普通に引くわけですよ。
最終目的がベッドだとしても、ちょっとお互いのためにスタバで軽くお茶ししましょうっていう隙間が大事ですよね。
そういうやつですよ
つまりマッチングアプリをうまく活用してる人は多分カジュアル面談がうまいということです、知らんけど
コーディング試験失敗しがち(私の能力不足10割)
これは私のエンジニア人生の盲点でしたが、コーディング試験は対策なり日頃からアルゴリズムの勉強した方が良さそうです。
書類は割とつよつよだったのですが、コーディング試験よわよわでした笑
ホワイトボーディング試験とかやらされた時は頭がホワイトアウトしてましたよ。繊細さんには辛い試験です。
日頃の仕事デバッガ無しでやってるの君ら?って憤慨です
言い訳するとフレームワークやら標準ライブラリの恩恵を受けてるので、アルゴリズム試験でその人の力を見るのははうーんって感じです。1日職業体験とか、副業から初めて仕事のマッチングが良さそうだったら正社員みたいな方が多分お互い良いと思いますけどねぇ。
アルゴリズム力というか技術力が高いことと、仕事できるかどうかはあんま関係ない気がします。
(また過去の思い出が走馬灯のようによぎる)
もちろん計算量とか裏側のCPUなどに想いを馳せるのは大事ですし、アルゴリズムゴリゴリな仕事ならそういう試験が適切です。
決して競プロは仕事に役に立たないとかそういう批判はしてないですからね、ほんとですよ。許してクレメンス
企業によるが年収はあまり期待しない方が良いのかも
スタートアップで内定をもらってオファー面談をするわけですが、まぁ前職よりマイナスにはなりました。
スタートアップのフェーズがまだ初期段階ってのもありますし私自身の成長を優先してとりあえず受諾しましたが、
個人の実力とか企業によって年収なんてコロコロ変わりますからね、と思います。
よく言われる、スタートアップのストックオプションの話ですが前もって調べてみると良いかもですね。
スタートアップなんで数年で上場する可能性はありますし、ストックオプションを行使したら数10倍も儲けられるみたいなことを想像すると、夢がありますよね。
50兆円欲しい!!
いつまで今の会社にいるか分からないですがw
スタートアップ転職後あるある
技術の幅が広がる
これは企業のステージとか役割次第ですがフルスタックエンジニアという募集で採用されると、とりあえずフロントエンドもバックエンドもデザインの話し合いも基本参加します。
なので バックエンド、ウェブアプリ、モバイルアプリ、プロジェクトマネジメント、ランディングページ作成、デザイン、設計アーキテクチャなどいろんなことに触れる機会はあるんではないでしょうか。
私自身がバックエンドとかインフラ寄りのキャリアだったので、
デザイン作成から開発チケット作成、実装、ユーザーの声を聞くまでをまるっと追える ので、やりがいは感じやすい気はします。
特にデザインは 「この他社のモバイルアプリのデザイン良さそうだから弊社でもどうすか」 みたいなのも話せたりしてデザインが人に与える印象って大事やなぁと思います。
ちょっと脱線しますが、デザインの本で好きなのは 「オブジェクト指向UIデザイン」 ですね。React NativeとかでToDoアプリ作ったあとくらいにこの本を読むと心に染みます。
特に旧石器時代からの人と道具の関係にまで言及してて、オブジェクト指向が持つ壮大な歴史を感じさせてくれます。ぜひ読んでみてください。まぁわたしは相変わらずCSSでつまづいておりますが笑
最新技術に触れやすい
経理システムとかの話だと情シスなどもないので、SmartHR、クラウドサインなどを導入していてその恩恵があったりします。
開発の話だとJavaScriptからTypeScriptに書き換えようとか、この言語面白そうみたいな感じで、新しい技術への適応力は高いですね。
若い開発者が中心だと新しい技術への順応性も高く、大企業でよくあるような学習しない人によって起こされる幼稚な弊害も基本的には起きないかなぁと思ってます。それだけでも大きな福利厚生かもしれないですね。
コードから読み取る力が必要
ドキュメント化するだけのリソースもなくドキュメント化は後回しにされがち。
アジャイルソフトウェア開発宣言では「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」と書いてますが、
包括的なドキュメント 5 : 動くソフトウェア 80 : よくわからんけど動いてるorバグ 15
くらいな感じですかね(そろそろ怒られるぞ)
そのためコードから察するようなエスパー力?はある程度必要。
だがslack上で質問チャンネルなどを作って、有識者に質問できればサポートしてくれるはず。質問を恐れない力が必要かも。
非効率なコーディングと出会う確率は高い
スタートアップだと市場からのニーズにすぐ対応する速度が求められたりするため「非効率やなぁ」というコードに出会うことはあります。あまり品質が高くないということもありますが、過去の経緯が積み重なってスパゲッティ化してるという話も出てくる可能性があります。
多分入社する前に会社の経緯を聞いてみたほうが良いと思いますが、
CTOが会社やめたばかりだとか、スタートアップ設立当初に頼ってた外注による秘伝のミートソーススパゲッティコードが残されたりという話もあったりします。まぁこれはどこの企業でもある話か。
最初の1-2か月は多分つらい
若い人の多い開発チームだと最新技術のキャッチアップが早かったりして、前職で使っていた技術スタックのはるか最先端の技術を使うことになったりします。(シニア級が多いとたぶんもっとVMチックな開発/デプロイとかが多くなるのかもしれないですがいったんそういうのは置いときます。)
エンジニア基礎力が高いひとであればそういう環境でもすぐ順応できると思いますが、マイペースにやりたい人や経歴が浅めなひとだとつらい環境になることも想定できます。
入社1日目でバグ修正させられたり、多要素認証実装しろとか言われたり、なんなんってなります。(経験談)
さらに泣きっ面に蜂なことを言うと、経験の浅い若いチームだとコーディングスタイルにムラがあったりテスト書いてないためバグばっかりだとか、フォルダ構成がやばかったり、設計哲学とかそういう視点が抜けてることによるコーディングの見にくさもついてきたりしますね。ここらへんのつらさが最初の1-2か月で来ます。そして成果を出さなければ!! という焦りも合わさったりします。
そのままのきみでええんやで
自信はつく
この少ない人数で会社できるんやな というのが正直な感想です。
AWSなどのクラウドサービスやコモディティ化されてきてるAIフレームワークなどのおかげで、昔の人たちが一から作ってたものをいまはある程度ショートカットできる時代なのかなと思います。
(どの技術にしろパフォーマンスチューニングの世界になれば、深い技術の沼に入らないといけないですが)
そういう恩恵を今の時代の私たちが享受できるのは良いですよね。
私なんかはまだ下っ端ですが、少人数でもサービスを作れるというのはやはり自信につながります。
技術以外の視点の幅が広がる
全社会議なんかでマーケティング、カスタマーサクセス、プロダクト、セールス、資金調達などの話が出るので、縦割りがすごい大企業出身エンジニアは衝撃を受けつつ新鮮な感じになるかも。ビジネスサイドも全部知りたいエンジニアなどは良い環境だと思います。
出資のおかげでなんとか食えてる
売上がなくてもベンチャーキャピタルからの出資だったり、良くしてくれるエンジェル投資家様のおかげで食えてます。
上様、頭が一生上がりませぬ。
ただこの出資が切れる前になんとか PMF(プロダクトマーケットフィット:プロダクトが市場にフィットしてるということ) して売上を上げねばという焦りはありますね。
よく分からん単語飛びがち
先程のPMFやらPLGといったキラキラした人が言いそうな単語は出てきます。IT系のサービス名やマーケティング用語、営業用語など結構飛びます。慣れてないフロントエンド技術についてもモーダルとかトグルとかの単語が出てくるので、最初は 「普通に日本語話せやゴラァ」 ってなるかもしれないです。
ただ慣れは怖いですね、この単語たちに耳がもう慣れてきましたよ
キャリアプランを考える必要がありそう
売上がコストに追いついてない状態である場合が大概だと思うので、そういう面では不安定な仕事ですので将来のキャリアについて考えないとなぁと思うことはありますね。キャリアプランを考えさせられた結果、フリーランス的な働き方も考慮してエンジニアブログを始めているわけです。
正社員エンジニアが2-3人だと業務委託エンジニアやフリーランスとの仕事とすることが多く、彼らの経験なども吸収できるしフリーランスとして働くという選択肢を考えるようになりましたね。
大きめの企業のエンジニアを経ているとフリーランスという働き方自体がものすごくリスキーで怖い印象でしたが、スタートアップで働いてみると フリーランスという選択肢もアリかも というレベルに思えてくる、絶対大変だけども...
あとは企業のフェーズによっては「この短距離走みたいな働き方、ずっとはできんやろ」ってなることもあります。そういう意味でも長くいるという可能性は低いのかなとは思ってます。
スタートアップの正社員エンジニアの難易度は「正社員エンジニア何番目の入社か」で決まりそうな気がする
私は正社員エンジニア1番目ではなかったのである程度ゆとりをもった生活ができてるかなと思います。やはりそれは 正社員エンジニア1番目の頑張りが大きく寄与していると思います。
正社員エンジニア1番目はめちゃくちゃ怖いけれど実際現場には業務委託のエンジニアがいたりして、技術が強い人もいることがあるので踏み出しても良いとは思います。一方で正社員エンジニアには会社の未来を決めるような大きな決断だったり責任、チームマネジメントが必要になるので、正社員エンジニア1番目は私はちょっと荷が重いなぁ と思います。
1番目以降の正社員エンジニアについては1番目が失踪とか、めちゃくちゃ無能みたいな場合を除いて、責任は分散されてくるのでまぁめちゃくちゃ激務ということにはならないかなというイメージです。これはもう会社のフェーズとかによると思います。
あとがき
こんな駄文を読んでいただいてありがとうございます。脱線とかしてたら文章がこんなに増えてしまいました。
個人的に転職前にあまり意識してなかったのが「正社員エンジニア何番目か」という視点だったり、意外と業務委託の方に助けられたりして「孤立無援みたいにはまぁならん」というのが驚きだったかなと思います。
エンジニア人生は多分悩むことが多い人生なので、踏み出す勇気がない方だったりキャリアに悩んでいる方の助けになればと思います。フリーランスになる可能性もあるので一緒に仕事したいとか、話してみたいとか要望があればぜひ。
そろそろ、技術ゴリゴリなやつ書かないとなぁ。でも技術的な記事はリサーチが大変なんだよなぁ...
とりあえず、ありがとうございました。