WindowsでショートカットへドロップしたファイルをLinuxへアップロードする方法

はじめに

Linuxへ一つだけファイルをアップロードするのに、scpコマンドを書くのも、クライアントを起動するのも面倒な人(自分)向け

ファイル(or フォルダ)をドラッグアンドドロップだけでサーバーへ転送する、ショートカットファイルの作り方です

• 要git-bash(gitインストールすると入ってます)

仕組み

• シェルスクリプトを実行するバッチファイル(run_upload_sh.bat)を作る
  • バッチファイルからドロップされたファイルパス(%1)引数につけて、シェルスクリプトを実行する
• 引数で渡したファイルをサーバーに転送するシェルスクリプト(upload-drop-files.sh)を作る
  • 引数のパスの区切り文字が異なるので置換する(\⇒/)
  • パスがディレクトリの場合は、tarで圧縮してからサーバーにアップロードして解凍する
  • ファイルの場合はそのままアップロードする
  • アップロード先はログインユーザーのhome(~/)ディレクトリ
  • ファイルのアップロードはscpではなくsshへリダイレクトする手法を利用
• バッチファイルのショートカットを作成する
  • ショートカット上でファイルをドロップすると、ドロップされたファイルパスが引数に渡されて実行される(Windowsの仕組み上)

作成するファイルと手順

バッチファイル(run_upload_sh.bat)

• 引き渡されたファイルのフルパスは%1にセットされている
• base.exeを呼び出し、アップロードシェルスクリプトを実行する

@echo off
set scriptPath=./upload-drop-files.sh

"C:\Program Files\Git\bin\bash.exe" -c "%scriptPath% \"%1\"

シェルスクリプト(upload-drop-files.sh)

• ssh経由でファイルをパイプして、ログイン先のホームディレクトリに保存
• SSH_PARAM(ssh接続用引数)は適宜書き換えてください
  • 鍵ファイルを利用する場合は、-i *****.pem user@serverのような感じ
  • .ssh/configに設定済みの場合は、設定した名前

パスからファイル名などを取り出す方法については
こちら(ファイルパスからファイル名や拡張子を自由に取り出す)をご参照ください

#!/bin/bash

# ssh接続用引数(-i *****.pem user@server)
SSH_PARAM=xxxxxx

ARG=${1//\\//} # パスの区切り文字を置換(\⇒/)

if [ -d "$1" ]; then
    # 引数がディレクトリの場合、圧縮してからアップロード(解凍も行う)
    UPD_PATH=${ARG%/} # パスの最後の'/'を削除(あってもなくても動作するように)
    DIR_NAME=${UPD_PATH##*/} # パスの最後のディレクトリ名

    echo "Upload '$UPD_PATH' directory to '~/$DIR_NAME'"
    tar -zcf - -C "$UPD_PATH/.." $DIR_NAME | ssh $SSH_PARAM "tar zxf - -C ~/"
else
    # 引数がファイルの場合、sshにパイプで渡してそのまま保存
    echo "Upload '$ARG' file to '~/${ARG##*/}'"
    cat $1 | ssh $SSH_PARAM "cat > ~/${ARG##*/}"
fi

設定手順

• シェルスクリプトのssh接続用文字列を適宜変更する
• 上記２つのファイルを任意の同一フォルダに保存
• バッチファイルのショートカットをデスクトップに作成する(デスクトップに右クリックでドロップして作成）
• 以上

使い方

ショートカットにファイル、フォルダをドロップすれば、sshでログインしたユーザーのホームディレクトリにアップロードされます（既に存在している場合、警告なしで上書きします）