以前に選択バイアスについて書いたので今回は情報バイアスについて書いてみようと思います。
情報バイアス
情報の扱いや測定方法が不十分であるために一方的に偏って測定結果が出てしまう事を情報バイアスと言います。
情報バイアスには主に2種類あります。
思い出しバイアス
過去の事象に対しての思い出しやすさの違いによって生じる。
例として、症例対象研究(結果から原因を探る研究)で調査票を用いた原因に関する調査を行ったとき、陽性の記載者は陰性の記載者より熱心にその原因を探そうと思い出そうと努力したかもしれないという可能性があった。
もしそうなら原因と結果の関連が無くても1よりも大きなオッズ比が観察される。
そこで記録からある情報(第三の因子)を入手したところオッズ比が下がった。
質問者バイアス
質問者が行う情報の引き出し方によって生じる。
例としてある期間に薬剤Aを使ったか研究参加者に尋ねるとする。
質問者が薬剤Aについて思い出すよう何度も繰り返し尋ねたり、解答を誘導するように尋ねる事で薬剤Aの服用割合が実際と異なる場合がある。
制御方法
- 情報の偏りをできるだけ小さくする
主観的な情報ではなく客観的な情報を収集する。 - それでもすべて無くすことができない場合には差異誤分類ではなく非差異誤分類とする努力をする
原因から結果の発生について定義をあらかじめ決めておく
差異誤分類と非差異誤分類
コホート研究や介入研究では曝露群と非曝露群で誤分類が発生する確率が同じ場合と異なる場合ではその影響の大きさが違ってくる。
同じ場合を非差異誤分類といい、異なる場合を差異誤分類という。
まとめ
情報は正しく手に入れましょう
参考文献
情報バイアス | 疫学用語の基礎知識
https://jeaweb.jp/glossary/glossary013.html
基礎から学ぶ 楽しい疫学 第4版