因果の学問といえば疫学ですが、疫学は病気だけでなくマーケティングや他様々な分野に応用可能です。
そこで、ChatGPTで疫学の問題を10個作ってもらいました。
第一問
リスク比(Risk Ratio)とは何ですか? また、どのような状況で使用されますか?
模範回答
リスク比(Risk Ratio)は、特定の曝露にさらされた群と、曝露されていない群の間で、イベントの発生率を比較するために使用されます。主にコホート研究やランダム化比較試験(RCT)で使用され、以下の式で計算されます。
RiskRatio=\frac{\frac{A}{A+B}}{\frac{C}{C+D}}
ここで、
A:曝露群でイベントが発生した人数
B:曝露群でイベントが発生しなかった人数
C:非曝露群でイベントが発生した人数
D:非曝露群でイベントが発生しなかった人数
第二問
オッズ比(Odds Ratio)とは何ですか? また、リスク比とオッズ比の違いを説明してください。
模範解答
オッズ比(Odds Ratio)は、ある曝露が結果に対してどれくらいの影響を持つかを示す指標で、特に症例対照研究やロジスティック回帰モデルなどで使用されます。
計算式は以下の通りです。
Odds Ratio=\frac{A×D}{B×C}
ここで、
A:曝露群でイベントが発生した人数
B:曝露群でイベントが発生しなかった人数
C:非曝露群でイベントが発生した人数
D:非曝露群でイベントが発生しなかった人数
リスク比とオッズ比の違い
リスク比は、イベントの発生確率を直接比較します。主にコホート研究やRCTで使われます。
オッズ比は、イベントの発生する可能性と発生しない可能性の比率を比較します。特に症例対照研究や多変量解析(ロジスティック回帰)で使用されます。
第三問
リスク差(Risk Difference)とは何ですか? また、その計算方法を説明してください。
模範解答
目的変数がリスク比(質的変数、例えば「病気がある/ない」)の場合と、目的変数が量的変数(例えば「血圧の数値」など)の場合、分析の方法は異なります。
質的変数(リスク比)の場合
説明変数も質的変数の場合、通常はリスク比やオッズ比のような割合や比率を用いて効果を評価します。この場合、投与群とプラセボ群の間のリスクやオッズを比較します。
量的変数の場合
一方、目的変数が量的変数の場合は、投与群とプラセボ群の平均値の差を求め、効果を評価します。このとき、t検定などを使用して、平均の差が統計的に有意かどうかを確認します。
箱ひげ図(Box Plot)
また、箱ひげ図を描くことで、データの分布や中央値、四分位範囲、外れ値などが視覚的にわかりやすくなります。投与群とプラセボ群のデータを箱ひげ図で比較すると、平均値だけでなく分布の形も含めて全体的な効果を評価しやすくなります。
総括
質的データではリスク比やオッズ比が効果の指標として用いられ、量的データでは平均値の差を求めるという違いがあります。箱ひげ図などの可視化手法を併用することで、データの全体的な理解が深まります。
第四問
症例対照研究では、リスク比の代わりにオッズ比が使われる理由は何ですか?
模範解答
症例対照研究では、リスク比ではなくオッズ比が使われる主な理由は、症例対照研究の設計上、特定の曝露(リスク要因)を持つ人がその後どのような病気になるか(寄与危険)は直接計算できないためです。
症例対照研究では、まず病気を持つ群(症例群)と持たない群(対照群)を比較し、各群が特定の曝露にどのくらい関連しているかを見ます。この設計では新しいリスクの発生率(リスク比)はわかりませんが、曝露群と非曝露群のオッズ比を計算して、病気との関連を評価することができます。
第五問
RCT(ランダム化比較試験)において、二重盲検法の目的は何ですか?
模範解答
二重盲検法の目的は、試験対象者(患者)と治療を行う医師の両方が、どちらの群(プラセボ群または投与群)に属しているかを知らない状態にすることで、バイアスを最小限に抑え、本当の治療効果を確かめることです。
この方法により、心理的な影響(プラセボ効果)や、医師や対象者による無意識の影響が試験結果に反映されることを防ぎます。
第六問
寄与危険割合(Attributable Risk Percent, AR%)は何を意味しますか?
模範解答
寄与危険割合(Attributable Risk Percent, AR%)は、発生因子に暴露している集団において、発生するリスク全体に対して、その因子がどれだけ寄与しているかを示す割合です。これは、暴露がなければどれだけの発生が防げるかを示すもので、予防策や介入策の効果を評価する際に重要です。
第七問
交絡因子(Confounder)の定義とその影響を排除する方法を説明してください。
模範解答
交絡因子(Confounder)は、研究において擬似的な相関を生む要因のことです。交絡因子の存在によって、実際には直接関係のない変数間に関係があるように見えることがあります。これを排除するために、偏相関係数や多変量解析(例:ロジスティック回帰や線形回帰)が用いられ、交絡因子の影響を統計的に取り除くことが可能です。
第八問
コホート研究において、相対リスク(Relative Risk, RR)を求める際の利点と欠点を述べてください。
模範解答
相対リスク(Relative Risk, RR)の利点としては、曝露群と非曝露群における疾患発生の割合を比較することで、因果関係の強さを定量的に評価できる点が挙げられます。これにより、曝露が疾患のリスクをどれだけ高めるかが明確になります。
欠点としては、集計が偏っている場合や、サンプルサイズが小さくカイ二乗検定などで統計的に有意な結果が得られない場合、解釈が難しくなることがあります。また、因果関係を証明するには、他の要因も考慮する必要があります。
第九問
ケース・コントロール研究(症例対照研究)でオッズ比(Odds Ratio, OR)を使用する理由を述べてください。
模範解答
症例対照研究では、研究開始時に疾患の有無を基に症例群(疾患あり)と対照群(疾患なし)に分け、過去の曝露状態を調査します。そのため、疾患発生率や寄与危険(Attributable Risk)を直接計算できません。代わりに、曝露の有無と疾患の関連を評価するために、オッズ比(Odds Ratio, OR)が使用されます。
オッズ比は、症例対照研究における曝露と疾患の関係を比較する指標で、多くの場合、相対リスクの代替として使用されます。
第10問
寄与危険割合(Attributable Risk Percent, AR%)はどのような状況で使用され、どのような意義がありますか?
模範解答
寄与危険割合(Attributable Risk Percent, AR%)**は、リスク因子に曝露されている集団内で発生した疾患のうち、どの程度がその因子によるものかを示す指標です。具体的には、曝露群における疾患の発生リスクから、非曝露群における疾患の発生リスクを引き、その差を曝露群のリスクで割ったものです。
式としては以下のように表されます:
AR(%)=\frac{P_{E}-P_{NE}}{P_{E}}×100
ここで、P_Eは曝露群の疾患発生率、P_NEは非曝露群の疾患発生率です。
これにより、曝露因子が疾患発生にどれほど寄与しているかを定量的に評価することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。因果関係を考察することやデータ収集の学問である疫学についてあまりなじみがないと思いますが模範解答を見てみると「あ、そういうことか」となったのではないかと思います。
実は因果関係を立証するのってそれくらい難しいことだったりします。
しかしそれを理解することでより確実に因果関係を使いこなし、マーケティングなどにも応用することができます。
補足
ちなみに自分は前半は解けましたが後半は参照物を使って解きました。