はじめに
2025年もフロントエンドの世界は相変わらず進化が速いです。
毎年新しい技術が登場し、トレンドもどんどん入れ替わっていきます。
ただ、実務で案件を取る、企業に採用される、受託で継続案件をもらう、という現場レベルの話になると「結局どんなスキルを身につけておけばいいの?」という疑問が出てくると思います。
最新のスキルを身に着けておくことは、とてもいいことなのですが、現場では歴史のあるフレームワークが大事にされている印象もあります。
この記事では、今どきのフロントエンド案件で実際に求められているスキルセットを、技術・設計・案件の現場感を含めてまとめました。
これからフロントエンドエンジニアを目指す人、副業で案件を取りたい人、今のスキルを整理したい人に向けた【保存版】です。
目次
- フレームワーク編
- スタイリング編
- 言語・設計編
- API連携編
- CI/CD・インフラ編
- UI/UX・アクセシビリティ編
- パフォーマンス・SEO編
- 提案力・保守性編
- 実案件で求められなくなってきた技術
- まとめ
フレームワーク編
Next.js(React系)
- 実案件での採用率トップクラス
- App Router (appディレクトリ構成) への移行が進んでいる
- SSG(Static Site Generation)、SSR(Server Side Rendering)対応可能
- Vercelとの親和性が高く、ホスティングまで一気通貫で構築可能
React単体
- 単純な管理画面や小規模SPAならReactのみ採用されるケースもまだ多い
- React 18のConcurrent Features(自動バッチングなど)を理解していると高評価
Vue / Nuxt 3
- Vue派企業や行政系案件などで根強く採用されている
- Composition API、Script Setupなどの記述が主流
- Nuxt 3ではNitroエンジンやEdge Functionsの知識も重宝される
その他新興
- SvelteKit、SolidJS も一部のスタートアップや技術志向企業で採用例あり
- 「興味あります」程度でも差別化には使える
スタイリング編
Tailwind CSS
- 現代案件では実質デファクト
- クライアント案件・SaaS・LPなど幅広く利用される
- Utility-First思想に慣れておくと設計力も評価されやすい
- Tailwind Configカスタマイズ経験も案件で高評価
Bootstrap
- Tailwindに押され気味ではあるが、まだまだ使われている印象
- Bootstrap使えます!と宣言してもそこまでのアピールにはならないかも
- 学生時代からお世話になっているので、個人的には大好き
SCSS(Sass)
- 既存システムや保守案件で今でも多く出てくる
- 変数・Mixin・ネストの管理パターンを理解しておくと◎
CSS Modules / styled-components / Emotion
- コンポーネント単位でのスタイル管理に使われる
- Next.jsと併用されることが多い
PostCSS
- Tailwindの裏側でも使用されており、ビルドプロセスの理解に役立つ
言語・設計編
TypeScript
- 今やほぼ必須スキル
- 型定義、Generics、Union型、Partial / Omit などを実務で使えることが重要
- API型定義(OpenAPI / zod との連携)まで使えると案件単価が上がる
JavaScript
- ES2023までの標準文法理解は当然必要
- Optional Chaining、Nullish Coalescing、Rest/Spreadの活用まで網羅
状態管理
- Zustand(Next.js構成でよく使う)
- Redux Toolkit(複雑案件向き)
- React Query / Tanstack Query(APIキャッシュ管理に必須)
コンポーネント設計
- Atomic Design
- Storybook運用
- Props設計・型安全意識
API連携編
REST API
- クライアント案件でもSaaSでもまだまだ標準
- OpenAPIベースのAPI設計理解も評価ポイント
GraphQL
- SaaS系案件で採用事例が徐々に増加中
- Apollo Client、Relay Modernあたりを触っておくと強い
認証連携
- OAuth、JWT、Session Cookieなどのパターン整理
- NextAuth.js の経験は今後かなり評価されやすい
CI/CD・インフラ編
GitHub Actions
- デプロイ自動化、PRビルド、Lint/Format自動実行などが案件で好まれる(CI/CD)
Vercel / Netlify / Cloudflare Pages
- インフラ構成含めて「フロント寄りのSaaS構築力」として評価される
- DNS設定・ドメイン管理・環境変数設定まで経験しておくと案件提案に強い
UI/UX・アクセシビリティ編
Figma連携
- 実務でFigma→コーディングの経験はほぼ必須になりつつある
- デザイナーとのコミュニケーション経験が大事(デザイン領域の知識が必要)
アクセシビリティ
- aria属性、ラベル付与、キーボードナビゲーション、WAI-ARIA基準の理解
- Lighthouseのa11yスコアを意識した実装が案件で好まれる
パフォーマンス・SEO編
Core Web Vitals
- Largest Contentful Paint (LCP)
- First Input Delay (FID → INP)
- Cumulative Layout Shift (CLS)
を改善できる設計力が重要。
SEO対策
- SSR/SSGの適切な活用
- metaタグ・OGP・構造化データの設定
- モバイルファースト設計
画像最適化
- Next.jsの
next/image
利用 - WebP/AVIF対応
- Lazy Loadの活用
提案力・保守性編
案件では技術力だけでなく、「この人に任せたら安心」感がかなり重要です。
- 軽量&高速化の提案力(リファクタリングやパフォーマンスチューニングの実績)
- 保守コストが下がる設計(再利用性高いコンポーネント化)
- 仕様変更に耐えられる設計
- 状態管理と非同期処理の責任範囲整理
- APIの型安全化(zod / tRPC / OpenAPI連携)
実案件で求められなくなってきた技術
技術 | コメント |
---|---|
jQuery | 既存システム保守以外ではほぼ使われない |
Bootstrap(旧式) | 独自デザイン要求が増えTailwindに置き換えが進行 |
Gulp / Grunt | モダンビルド(Vite/ESBuild/Rollup)に置き換え済み |
BEMだけのCSS設計 | Utility-First設計に吸収されつつある |
まとめ
- Next.js + TypeScript + Tailwind CSS が実案件の王道構成
- API連携・認証・状態管理まで踏み込めると単価が上がる
- Figma連携・保守設計力・提案力が営業的にも強みになる
- Core Web Vitals・SEO最適化の知識は今後さらに重要
おわりに
フロントエンドは毎年流行りが入れ替わるものの、案件の現場感に即したスキルを身につけていくと安定して仕事が取れるようになります。
今の案件事情では「全部知ってます!」ではなく
「提案から実装・保守まで任せられる安心感」
が評価される場面が増えてきています。
Qiitaではこういった
「現場寄りのフロントエンド実務ネタ」
を今後も発信していくので、もしよければフォロー・LGTMしてもらえると嬉しいです!
関連タグ
Next.js, React, TypeScript, Tailwind CSS, API連携, OpenAPI, Figma, フロントエンド案件, 受託開発, 2025年版スキルセット, UIUX設計, パフォーマンス最適化, SEO対策, Lighthouse, Core Web Vitals