TL;DR
USBからUbuntuを起動してshredコマンドで消せばいい。
背景
仕事で使用しているWindows PCの引き上げのため、ストレージの全データをクリアする必要があった。
いつも通り、DBANで削除しようと思ったのだが、今回は違った。
DBANが動かなかった
DBANのisoを取得して、RufusでUSBに焼いて、ブート順序をUSB優先にして、起動。
とやったのだが、普通にWindowsが立ち上がってしまった。
UEFIでは起動できない
どうも、DBANはBIOS専用であり、UEFIモードのPCでは起動できないらしい。
代替策としてDESTROYも試してみたが同様だった。
(このあたりの知識がとても曖昧で、BIOSとUEFIが別物だということをこの件を調べていて初めて知った)
ブートオプションをUEFIからLegacy Modeに変えれば起動できるとのことだが、
オプションを端から端まで調べてみても設定項目が見当たらない。
このPCではLegacy Modeへの変更ができないようだった。
なんと、データクリアが不可能で、したがってこのままではPCの引き上げもできなくなってしまった。
対処
更に調べたところ、「USBからUbuntuを起動してshredコマンドで消す」という手法があることが分かった。
UbuntuならUEFIモードでも起動できるし、shredコマンドでDBANと同等なランダムビットによる上書きができる。
Ubuntu インストールUSBを作る
イメージは Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remixを使用した。
https://www.ubuntulinux.jp/News/ubuntu1804-ja-remix
これをRufusでUSBに焼く。
起動
PCのブート順をUSB優先にして起動。
最初に選択肢が出るので「Try Ubuntu without installing」を選択してそのまま起動する。
shredコマンドで全消し
以下、削除方法はこの記事を参考にしたので、合わせて参照いただきたく。
消すディスクの確認
Winキーを押して出てくるメニューに terminal
と入力すると「端末」が選択肢に出るので選択してターミナルを起動。
fdiskコマンドでディスク一覧を確認する。
sudo fdisk -l
消去実行
shredコマンドで消去する。
下記コマンドの場合、「ランダム上書き1回 (-n 1
)、最後にオールゼロで上書き (-z
)、途中の進捗状況を表示 (-v
)」モードで実行する。
sudo shred -v -z -n 1 /dev/sdb
最後の /dev/sdb
の部分は消したいディスクを指定する。
実行時、確認メッセージは出ない。最後の引数を間違えないように…
ちなみに932GiBのHDDを削除するのに7時間半(ランダム上書き1回、ゼロクリアにそれぞれ4時間弱)ほど掛かった。