投稿にあたって
Google Cloud認定試験は、AWSやAzureに比べて受験に関する情報が少ないので、誰かの参考になればと思い記事を残しておきます。Qiitaに記事を投稿するのもMarkdownで文章を書くのもこれが初めてです。そんなレベルの技術者です。
背景
昨年、AWSの「Cloud Practitioner」、「Solutions Architect – Associate」を取得しましたが、根が怠け者の私はこれ以上を目指すのは難しそうだなぁと思い、上がダメなら横に広げてみようということでAzureの基礎を勉強して「AZ-900:Azure Fundamentals」を取得しました。
AWSとAzureと来たならGoogleも行っとけと思い、調べたところ、Google Cloud認定試験の一番基礎となる資格は「Cloud Digital Leader」というものであることがわかりました。
ちなみに、いくつか資格は取ってきましたが、実業務ではクラウドに関わっていない超ペーパードライバーです。
学習方法
ネットで情報を調べてみても、ほとんど学習素材が見つからず、唯一見つけたのがCourseraのトレーニングです。無料トライアルで受けられました。
Google Cloud Digital Leader Training 日本語版専門講座
ちなみに後でわかったのですが、同じものをGoogleのサイトでも受けることはできるようです。ただしこちらは日本語字幕が選択できませんでした。
Cloud Digital Leader トレーニング コース
字幕に該当するテキストは動画の横に表示されているので、ブラウザの翻訳機能を使っても十分に読めますが、それでも動画内に字幕として日本語が出た方が圧倒的に見やすいのと、ダウンロードできるドキュメントも日本語化されているのでCourseraの方をお勧めします。
試験内容ですがCloud Digital Leader試験ガイドにもあるように、このトレーニングの章構成とテスト範囲が完全に一致しています。
- Google Cloud によるデジタル トランスフォーメーションの概要(試験内容の約 10%)
- データと Google Cloud によるイノベーション(試験内容の約 30%)
- インフラストラクチャとアプリケーションのモダナイゼーション(試験の約 30%)
- Google Cloud のセキュリティとオペレーションの理解(試験内容の 30%)
ですので、基本的にこの内容が完璧に理解できれば合格するのだと思い、トレーニングを2周繰り返して勉強し、あとは公式の模擬テストを実施したくらいです。Udemyなども探しましたが、ほかにCloud Digital Leaderに特化した学習ネタを見つけられませんでした。
個人的な感想としては、AWSの「Cloud Practitioner」や、Azureの「AZ-900:Azure Fundamentals」よりも、もっとビジネス寄りで、クラウドに移行するメリットのような題材が多いような気がします。
Google Cloudのサービスの機能についての知識よりも、一般的な知識が求められると感じました。
受験申し込み
Cloud Digital Leader試験ガイドから、登録をおこないます。
まずはGoogle Cloud Webassessorという受験者アカウントを作る必要があります。必要な情報を入力してアカウントを作成してください。ここで注意点があります。入力項目に姓と名があるのですが、これが受験時に使う身分証明書と一致している必要があります。私はここで大きなミスを犯してしまいました。。
パスポートに合わせて姓名をローマ字で入力したつもりが、単純にスペルミスをしたまま登録していました。
姓名以外の情報は、後でGoogle Cloud Webassessorにログインしてプロフィールの変更画面でいくらでも修正できるのですが、なんと姓名は変更できません!
その場合は、以下のサイトの問い合わせフォームで名前の変更を依頼する必要があります。
Google Cloud Certification Support
問い合わせをすると、翌日にサポートからメールが来ました。そのメールに返信する形で、住所や生年月日とともに、正しい姓名の情報を提出しろと言われました。言われたとおり情報を提供すると、またその翌日には情報が修正されていました。
さて、ここまできたら(というか普通の人はこんなミスしないので最初からここからですが)、Google Cloud Webassessorにログインして試験を申し込みます。「試験のお申込み」ボタンを押して、「Google Cloud Certified - Cloud Digital Leader (Japanese)」を選択します。すると遠隔監視とオンサイト監視が選べるので、自宅で受験する場合は「遠隔監視」を選択してください。
Webサイトの動作が遅く不安になりますが、少し待つと受験日時の選択画面が表示されますので、受験日時を選択してください。あとはクレジットカード情報を入力して、登録を完了させます。登録が完了すると、試験案内のメールが届きます。
テスト準備
試験の実施はKryterionという会社が担当しており、ここのシステムを使って実施します。
Google Cloud Webassessorにログインし、「登録済み試験」をクリックすると、オンラインで受験するための2つのステップが記載されています。Step1は「NEW Secure Browser」というアプリをインストールするというものです。ネットで調べたりするとSentinelというアプリをインストールするとありますが、2022年6月現在、Sentinelという名前のアプリではなく「NEW Secure Browser」となっていました。
またStep2では生体認証の登録をおこないます。こちらはPCのカメラから自分を映すだけでOKとなりました。
そしてまた曲者なのがシステムチェックです。以下のサイトで試験環境のチェックをおこないます。
System Readiness Check
ここでは、マイクとカメラが有効なことと、ネットワークスピードが十分かのチェックがおこなわれます。
しかし。。。何回試そうが日を変えて試そうがスピードチェックがエラーとなります。そもそもこのページを表示できている時点でインターネットにはつながっているし、Googleのスピードテストなどでも十分な性能は出ていますので問題はないはずです。
同様の事例がないか、さんざんネットを調べたところ、数日前に海外の人でtwitterに同様のトラブルの書き込みをしている人を見つけました。スピードテストでエラーになったが問題なくテストは実施できたとのことでした。
それを信じて受験日を迎えましたが、結果的には私も問題なく受験できました。
テスト当日
Google Cloud Webassessorにログインし、「登録済み試験」をクリックすると、スケジュールされた試験が表示されます。そこに「開始」という項目があり、ここをクリックするとNEW Secure Browserが起動されてチェックイン手続きに進めます。
試験案内のメールには15分前からチェックインができるとありますが、騙されてはいけません10分前まで何もできません。10分前になってチェックインが進むと、試験官とチャットで会話しながら、本人確認や試験環境のチェックをおこないます。
Webカメラ組み込みのノートPCの場合などは、手鏡やスマホの自撮り画面を駆使して部屋を見せることになりますが、私はUSB接続の外付けWebカメラを使っていたので、カメラを手で持ってぐるぐる動かして部屋を見せました。試験官からの返事がいちいち遅いので、何か問題があるのか不安になって、何度も同じ場所を見せたり、ひたすら床を映し続けたりしてましたが、最終的に特に指摘はなかったです。
それより苦労したのは、自分の顔と身分証明書(私の場合パスポート)を同時にカメラに見せるというところでした。カメラをどう動かしてもパスポートにピントが合わず、試験官側で名前の確認ができなかったようです。
そこで、スマホでパスポートを撮影して、スマホ上で写真を拡大して、それをWebカメラで見せろという指示をもらい、なんとかクリアすることができました。
テスト自体は50問で時間は90分です。問題に対して時間は十分にあります。
クラウドサービスの機能に関する質問だと、できた/できなかったが自分でもわかりやすいのですが、ビジネス的な問題だと自分の回答にも自信が持てず正直結果も不安でした。
一応試験終了後に合否が表示されますので見逃さないように。ただし正確な結果は審査に時間がかかり7日から10日ほどかかるようです。AWSやAzureと違い、結果は合否だけで点数は公表されないそうです。
最後に
トレーニング内容や試験問題にも、10倍のスケールで考えるとか、失敗は個人を責めないとか、Googleならではの内容も盛り込まれており、他の2大パブリッククラウドとは違うGoogleの文化を感じられてとても好感が持てました。この勢いで、次はAssociate Cloud Engineerを受けてみようと思います。