LoginSignup
182
156

More than 5 years have passed since last update.

線形代数の基本・「スカラー」「ベクトル」「行列」の積

Posted at

線形代数の基本・「スカラー」「ベクトル」「行列」の積

こんにちは、mucunです。

今回の記事では、線形代数の基本について紹介させていただきます。
別で機械学習の記事も書かせていただいてるのですが、
その補足のための記事となります。

線形代数とは

線形代数の説明については、下記記事に詳しく書いてありました。
(参考:線形代数とは何か線形代数のおはなし

線形代数は機械学習にて、一般的が概念として使われているものです。
特徴は、複数要素を1変数で表現するところです。
複数要素とは、「ベクトル」や「行列」と呼ばれるものです。
例えば、ある「ベクトル」と「ベクトル」の内積を取ろうとした場合、
線形代数の概念無しで式を表現すると、
$$y=\sum_{i = 1}^n w_ix_i$$という式になりますが、
線形代数の概念有りで式を表現すると、
$$y=w^Tx$$というスッキリした形で表現できます。
1つの変数に複数の要素が含まれるという概念があるので、
$\sum$ 記号を使う必要がありません。
この考え方が、式が煩雑になったときの思考整理にスゴく役に立ちます。

つまり、線形代数とは、
大規模な計算式をスッキリまとめるためのものと言えます。
そして、そうやって思考整理することが、
新たな発見の後押しとなることもあるのです。

押さえるべき概念3つ「スカラー」「ベクトル」「行列」

線形代数の計算をする上で押さえておくべき概念は、
「スカラー」「ベクトル」「行列」の3つです。

1つずつ説明していきます。

「スカラー」

調べると、「大きさのみで表され、方向をもたない量」と出ます。
これはつまり、連ならず独立した1つの数値のことです。

「ベクトル」

調べると、「要素を(縦または横に)一列に並べたもの」と出ます。
プログラミング経験者であれば、「1次元の配列」というと、
分かりやすいかもしれません。

「行列」

調べると、「数字・文字を長方形や正方形に並べたもの」と出ます。
こちらもプログラミングでいうところの「2次元の配列」というと、
分かりやすいかもしれません。

具体的に計算をしてみる

具体的にどう計算するのか、まとめます。

「スカラー」×「スカラー」

「$a$:スカラー」、「$b$:スカラー」である場合、
「$ab$」式の結果は、下記図の通りとなります。
これは、普通の掛け算ですね。

「スカラー」×「ベクトル」

「$a$:スカラー」、「$b$:ベクトル」である場合、
「$ab$」式の結果は、下記図の通りとなります。
これは、ベクトルの定数倍ということです。

「ベクトル」×「スカラー」

「$a$:ベクトル」、「$b$:スカラー」である場合、
「$ab$」式の結果は、下記図の通りとなります。
これも、ベクトルの定数倍ということです。

「ベクトル」×「ベクトル」

「$a$:ベクトル」、「$b$:ベクトル」である場合、話が少し複雑です。
実はルールがあり、「$a$」の列数と「$b$」の行数とが等しくないと、
積の計算ができないルールとなっています。
仮に、「$a$」「$b$」に縦長のベクトルであれば、計算が可能なのは、

  • 「$a^Tb$」
  • 「$ab^T$」

のいずれかとなります。
ここで式中の「$^T$」は転置の意です。
転置とは、「ベクトル」「行列」にて、行と列を対角に反転することです。

図で説明していきます。
先ず、転置についてです。

という関係です。

そして、積について計算可能なのは、以下のケースです。

「ベクトル」×「行列」

「$a$:ベクトル」、「$b$:行列」である場合、
前述同様、「$a$」の列数と「$b$」の行数とが等しくないと、
計算ができないルールとなっています。
「$ab$」式の結果は、下記図の通りとなります。

「行列」×「ベクトル」

「$a$:行列」、「$b$:ベクトル」である場合、
「$ab$」式の結果は、下記図の通りとなります。

「行列」×「行列」

「$a$:行列」、「$b$:行列」である場合、
「$ab$」式の結果は、下記図の通りとなります。

以上、冗長な説明になってしまいましたが、
線形代数における積の取り方が理解してもらえたかと思います。

今回の記事は、ここまでとなります。
読んで下さった方、ありがとうございました。(T_T)/~~~

182
156
7

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
182
156